PEOPLE

「インターン生が"働き方のスタンダード”を作っていくことができる時代」【NewsPicks,inc. 小西悠介氏インタビュー】

宮島温子
2020/05/18

【学生時代の長期インターンシップ #4】

意思ある全ての人を応援し、情報を発信してきたJEEK NEWS。

本シリーズでは、実際に長期インターンを経験した社会人の方々に、ご自身の経験を踏まえた「キャリア選択のヒント」をお伺いしていきます。

(シリーズ第3回までの記事はこちら)

第4回となる今回は学生時代、株式会社ニューズピックスでインターンを経験し、同社に初の新卒として入社された小西悠介氏に様々なお話をお伺いしてきました。

プロフィール

小西悠介(こにし・ゆうすけ)

2012年早稲田大学社会科学部入学。大学ではサッカー同好会やNPO法人Teach for Japan(現: Learning for All)等で活動。2015年ボストン大学に留学中、現地の日本人学生向け就職イベントにて株式会社ユーザベースの社員と出会う。帰国後、ソーシャル経済メディア『NewsPicks』を提供する株式会社ニューズピックス(2015年4月株式会社ユーザベースより分社化)にてインターンを始める。2016年9月に大学卒業後、同社に新卒1号として入社。現在は経済メディア『Quartz Japan』のディレクターを務める。

3つの出会い

-米国西海岸での出会い

大学1年生が終わった春休みですね。その時期に大学のプログラムでアメリカの西海岸に短期留学に行きました。その当時の僕は、Teach for Japan(現:Learning for All)というNPOの組織に所属していて、ソーシャルアントレプレナーの活動をビジネスとしてどう成功させていくのか、ということに興味がありました。

そんな僕がいざアメリカに行くと、それこそAppleやGoogle、IDEO、スタンフォードといったいわゆる「西海岸で働く人たち」を目の当たりにした。ITの力って本当に世の中を大きく動かしていくんだな、ということを強く感じ、興味をもつキッカケとなりました。

-NewsPicksとの出会い

帰国してから早速、日本のIT企業って何があるんだろう、と考えていた時に出会ったのが、現在携わっているソーシャル経済メディア「NewsPicks」です。僕の中でこれはもしかしたら社会を良くしていく方向に寄与するITサービスかもしれないな、と思った。それが僕とNewsPicksとの出会いです。

-ボストンでの出会い

2014年の9月からボストン大学に交換留学をしていたのですが、現地でできた日本人の友人にもNewsPicksを勧めていました。

そんな時たまたまNewsPicksを運営する株式会社ユーザベース(以下、ユーザベース)が就職イベントでボストン大学に来るらしい、と友人に聞いたんです。

その就職イベントでユーザベースの社員が、誰も知らないだろうと思って「ユーザベースとかNewsPicksを知っている人はいますか?」と聞いたらめっちゃ手が挙がる。社員も、何でこんなに知られているんだ?って(笑)

そこで友人が「こいつに教えてもらったんです!」と僕を紹介してくれたんです。僕は留学に行く前から、帰国したらNewsPicksでインターンをしたいと思っていたので、社員に「これだけ皆が知っているのは僕がめっちゃ良いって言ってたからなんです!」「インターンさせてください!」と伝えました(笑)。それがきっかけで面接をしていただき、帰国後すぐにインターンを始めることになりました。

仕事は自分で探す、そして信頼を勝ち取る

-最初は雑用から

僕がインターンを始めた2015年の5月頃は、NewsPicks自体がまだ20~30人の規模でしたし、当然インターン生を育てることより、プライオリティの高い仕事が山ほどあるわけですよね。

当初は僕を採用してくれた坂本(現:株式会社ニューズピックス代表取締役社長 坂本大典氏)も「なんか仕事見つけてきて」みたいな感じでした(笑)。自分で手伝えるところを探す、ということから始めたのが正直なところですね。

例えばイベントの受付をやったり、イベントの申し込みを頂いた方々にお礼のメールを返したり。これなら自分でもできる、というところから仕事を見つけて、やっていきました。

そこで「こいつ使えそうだな」とか「これ任せてみようかな」と思ってもらえるような働きぶりができるとそこからは雪だるま式に「じゃあこれちょっとやってみてよ」というお話が増えてきましたね。

-身をもって感じたベンチャー企業の"スピード感”

そうやって信頼を勝ち取っていき、最初にお手伝いした大きな仕事としてよく覚えているのが「1か月でプロピッカーを100人にする」というプロジェクト。

NewsPicksには『プロピッカー』と呼ばれる公式コメンテーターのような制度があるのですが、初期はそのプロピッカーが10人くらいだったんですね。それを1か月後に100人にする。大変でした(笑)。

ベンチャーって本当に「明日までにこれをする」とか「1か月後に10人を100人にする」とか、凄まじいスピード感で物事が回っていくんだなっていう実感をしたという意味でよく覚えていますね。

「NewsPicks、100人のプロピッカーと契約」

『ジョブオファー』

-0から携わったサービス

色々な仕事をさせていただくようになってからも、本当にNewsPicksでの毎日は目まぐるしく、エキサイティングでしたね。当然それは今もですが(笑)。そんな中でも 忘れられないのがNewsPicks内の採用広告である『ジョブオファー』が最初に売れた時。

ジョブオファーの始まりは、ある日坂本に「こういうの作りたいから手伝ってよ」と言われたことでした。坂本と一緒に作って、リリースして、そして売りに行く。本当に0から携わったサービスです。

いざ営業に行っても、最初は"けんもほろろ”というか。なかなか売れない。でもそれが営業を重ねていくとだんだん受け入れられていくようになり、世界観自体がお客さんに評価され、そして機能もグレードアップしていく。さらにはジョブオファーがキッカケで転職された方にとっては、人生を変えるサービスになる。

大変でしたが、サービスの成長に0から立ち会えたのは自分としてすごく大きい経験でしたね。

-初内定と初受注が同じ日

これはちょっと面白い話なのでしますね。

僕、大手メーカーを新卒のときに受けていたんです。

その会社を受けたのも、キッカケはジョブオファーの営業。坂本と営業に行き、人事担当の方に僕が学生であることを伝えたところ、「うちのインターン来ない?」と誘っていただいたんです。

結局その会社の選考は最終面接まで行き、内定を頂いて、そしてその足でまた別の会社にジョブオファーの営業に行きました。リクルートスーツをいかにリクルートスーツっぽくなく見せるかを考えながら(笑)。

結果、内定を頂いた日に営業に行った会社が、初めて誰の力も借りずに受注した会社になりました。たまたま被っちゃったんです。世の中広いですけど、内定と受注のはじめてが同じ日、って人はあんまりいないんじゃないかな(笑)。

「どう生きたいか」が「どこに行きたいか」

-就職活動

僕の就活の話をすると、実際に働いてみて、ベンチャーはエキサイティングなことも沢山ありますが、整っていないことや困難なことも同様に沢山あるということは感じていたので、「これはよっぽどの決意がなければ行くべきではないな」と思っていました。

その決意が実際持てているのかというと、自分でも自信がなかった。なので他の企業も受けてみることにしました。大手企業4つに絞って受け、そこで迷うならNewsPicksには行くべきではないと。

就職活動中はNewsPicksでインターンをしていて、迷っているってことを率直に、割とオープンに話していましたね。そして結果、有難いことに数社から内定を貰うことができました。

-二度とないかもしれないチャンス

僕は迷うかなと思っていたんですよ。内定を頂いて、「決めてほしい」と言われて。でも、迷わなかった。

結局NewsPicksが好きだったんですよね。このプロダクトを通じて自分の経済の見方が変わったし、何より伸びているダイナミックさを実感していたので、今を逃したらもうこんなチャンスは一生ないかもしれない、という風に思ったんです。

就職活動をした企業の方には NewsPicksに行くことを伝え、最終的に応援していただきました。今ではお取引先としてご縁を頂いている企業もあります。人事や関わってくださった方々にはとても感謝していて、いまでもその会社に行くときは背筋が伸びる思いです。

-働くことで分かること

僕、興味がある学生は皆ベンチャーで働いてみたら良いと思っています。

就職活動を通じてベンチャーを選ぶというのは、期待値とのギャップがすごく大きい可能性が当然ある。 ベンチャーに関しては、学生のうちからインターンとして働くことができるわけですし、やる価値のあるものですよね。

逆に大企業は、なかなか長期インターンという形で働く機会は貰えなかったりするものの、ベンチャーにいればお客さんに大企業がいるということは全然あるんですよね。

だから「ベンチャー企業でインターンをする」ということを通じて知れることって幅広くあると思います。

-自分がどういう生き方をしたいか

そして働いていく中で、自分の比較軸を持って決めて行けば良い。

最後は「自分がどういう生き方をしたいか」が就職先を選ぶ映し鏡だと思っているので、自分の将来像を思い描くためにも、インターンとして働いてみるのはすごく良い機会になるんじゃないでしょうか。

僕自身、インターンの時に高い志を持った人と働けたことが「将来的に自分がどういうふうに働いていきたいか」ということに対する指針になりました。

一方で、インターンとして働いている中で、仮にNewsPikcsが上手く行かなかったとしても、培ったものを鑑みて比較的失敗経験に寛容な会社であれば、何となく中途のセーフティーネットとしてはあり得るな、と思えたことも最終的に飛び込むことが出来た要因だと思っています。不確実性の高い意思決定だからこそ、こうした発想もプランBを持っておくことは必要かもしれないですね。

「新型コロナウイルス感染症」未曾有の状況下で学生は?

-働き方のスタンダードが変わる

学生だけでなく、大人も「これからどうやって働いて行けば良いのか」を今まさにみんなで考えなければ行けない時期ですよね。これから、働き方のスタンダードが大きく変わっていくので当然インターンの働き方も大きく変わっていくと思います。

今、インターンの採用は絞られていて苦しい、コンタクトするのすら難しいという時期でもあるとは思いますが、だからこそ学生にとってはある意味チャンスでもあるんじゃないでしょうか?大人も「解」が分からない中で「一緒に働き方のスタンダードを作っていく」ということがインターン生ながらにしてできる、というチャンス。

-ピンチはチャンス

様々なことがオンライン化していく中で、学生の方がオンラインで働くことに慣れてたりと、そういった「強み」を活かしながら、このリモートの時代で何ができるんだっけ、どういうインターンとしての働き方ができるんだっけ、っていうのを考えていくチャンスかな、と僕は思っています。

混乱の時だからこそ、少しでもポジティブなアクションを増やしていくことができると、差別化になると思います。「分かんない時だからこそまずは動いてみる」ということを学生の皆さんには伝えられたらなと思っています。

Quartz Japanのご紹介

Quartz Japanは、1日2通のニュースレターで「世界の最先端」を「新世代のビジネスパーソン」に伝えるべく、2019年11月にスタートしました。2020年の4月にはアップデートを迎え、未曾有の被害を生み出す新型コロナウイルスの状況下で、冷静な態度・信用できる情報の提供を通じて、より深く、世界の最先端を理解し、ニュースレターを通じてリモート時代の新習慣となるサービスを提供しております。ぜひ学生の皆様にもご覧いただければ幸いです。詳細はこちら

(写真:西田香織)

キャリア選択にヒントを!

Copyright Techouse inc all rights reserved.