「とにかく、自分が経験したことがないことに枠を超えて経験してみよう」【株式会社シェアグリCOO 松坂颯士氏インタビュー】
【学生時代の長期インターンシップ #2】
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本シリーズでは、実際に長期インターンを経験した社会人の方々に、ご自身の経験を踏まえた「キャリア選択のヒント」をお伺いしていきます。
第2回となる今回は学生時代、レバレジーズ株式会社・株式会社ガイアックスで長期インターンを経験された松坂颯士氏にお話をお伺いしました。
プロフィール
松坂颯士(まつざか・はやと)
北海道出身。2014年4月 中央大学文学部人文社会学科入学。学生時代、IT企業でのインターンを経験(レバレジーズ株式会社、株式会社ガイアックス)。2018年3月 中央大学文学部人文社会学科卒業後、株式会社ガイアックス入社。株式会社ガイアックスでは、CtoC体験予約サービス「TABICA」事業部、新規事業開発を行う「Gaiax Startup Studio」を担当する。現在は株式会社ガイアックスの出資先である株式会社シェアグリ取締役COO。
「長期インターン」
ーインターンを始めたキッカケ
大学3年生になる前の春休みでしたね。先輩を見ていて3年生は授業数が減り、全休を作れるようになることは知っていたので、日中から働けるのならインターンをやろうと思ったんです。
「インターンをやろう」という動機としてはやはり「就職活動が不安」というのが大きかったですね。就職活動を有利に進めるにはインターンをやれば良いんじゃないか、と。
ー初めてのインターン
3月から、レバレジーズでインターンを始めました。配属されたのは新規美容メディア事業部。基本的にひたすらテレアポをしていましたね。中小の美容室に架電して、アポイント取って、説明に行き契約を取ってくる。
そこで3か月程インターンをしていたのですが、その新規事業がクローズすることになってしまったんです。レバレジーズのメイン事業である人材紹介・人材派遣の事業部での勤務のお話もいただいたのですが、あまり面白味を感じなかったんですよね。僕が飽きっぽい性格っていうのもあると思います。そこでレバレジーズを辞め、新しくインターンを探すことにしました。
ー2回目のインターン
レバレジーズでの経験も活かし、2回目のインターン探しは1回目に比べてスムーズにいきましたね。10社くらい受け、いくつか内定をいただいた企業の中でガイアックスに決めました。
決め手としては、配属が「TABICA」という新規事業部だったことです。当時その部署には10人くらいしかいなくて、小さかった。まだまだ立ち上げた当初で、オフィスもマンションの一室にあって、「さあこれから行くぞ!」って時でしたね。「今入ったらめっちゃ面白そう!」って思いました。社長直下でしたし、自由度や裁量があって1番チャレンジングな感じがしました。
学生ではなかなか経験できないこと
ー社長の存在
入社してすぐの僕にとって大きかったのはやっぱり社長です。当時は毎週のように始発まで戦略会議をしていました。そしてその週例の会議に社長もいて。
最初は何を言ってるか全く分かりませんでした(笑)。使ってる文言もそうですし、ビジネス的な思考能力もなかったので、その会議で結構衝撃を受けました。こんな人いるのか、全然分かんないや、自分の意見なんかないやって。衝撃を受けて、ついていけるように必死に勉強するようになりましたね。
ー痛みを抱えた経験
「衝撃を受けた」というと、マネジメントが上手く行かず苦しい思いをした経験もあります。
僕が入社して最初の半年間、事業部全体で目標が決められていたんです。部署全体がひたすらその目標に向かってガムシャラに走っていました。人も採用しながらチームも拡大して、拠点も拡大していって。
いざ半年経った時に僕自身もエンジンが切れたというか、そういう瞬間がありました。その時に一気に人が辞めていったんです。それは僕を始めとしたチームのマネジメントメンバーの未熟さも原因の一つだったと思います。
自分はちゃんとチームを創ってこれなかったな、成果を追い求めるだけの仕事をしていたな、目標達成が目的になる仕事をしていたな、と思いました。僕の中ですごく痛みを抱えた経験です。
インターンを通して
ーインターン1年目が社会人1年目
学生のうちに「仕事の進め方」を知り、さらに失敗経験や苦しい経験がたくさんあった、というのが僕の中でインターンを通して得たものですね。
新卒入社して、よーいドンで始まったときに普通の人より、サイクルを回すのが早いというか。僕にとっては、大学3年生の頃から世間一般のスタートラインである社会人1年目が始まっていたみたいな感覚です。
目線や視野も違いますし、業務遂行能力もありました。「プロジェクトってこうやって進めて行けば良いんだ」という経験を何回もしていましたから。もちろん振り返ると未熟だった部分は多くて、次はこう活かしたいなと思える反省の部分の方が大きいです。ただ、学生の時点でそういった経験をできたので、 自分の中で怖さはなく、むしろワクワクの方が大きかったですね。なので、学生と社会人の境界線を感じませんでした。
キャリア選択
ー就職活動
僕自身の就職活動としては、大学3年生の秋くらいから社内外で「社会人の方とお話する」というのはやっていました。ガイアックスの内定は年明けすぐにいただきましたが、他の企業も受けました。本格的に受け始めたのは3月でしたね。
でも、4月くらいに面接全部辞めちゃったんです。普通の就職活動に時間を投下するよりも明らかにインターンを継続して、インターンに時間を投下した方が気づきとか成長があるな、と思った。その時点で、ガイアックスに入社することを決めました。
ーファーストキャリアで「ベンチャー企業」
「大手かベンチャーか」学生の間ではそういう議論がされると思うんですけど、今になって分かることは、その二分論はあんまり意味がない。もはやイメージとブランディングの世界で、大手・ベンチャーのくくりを勝手にしているんですよね。そういう意味ではメガベンチャーは中間でバランスがいいかもしれません(笑)。いずれにせよ二分論にせず、どっちも候補に入れて良いと思います。もちろん会社の規模によって特性はあると思いますが、そこの線引きってもはや難しいですよね。
ー会社を知るには社員に会おう
キャリアを選択する上で、1番良いと思うのは「社長に会いに行くこと」ですね。ただ、もちろんそれは最終面接とかにいかないと会えないですし、そこまでたどり着けないことがほとんどなので難しいですよね。
現実的にできることとして、やっぱり勤めている社員3名から5名くらいに話しに行くことが良いと思います。今色んなツールありますからね。そういう機会を持つ方が理解が早いし、会社の雰囲気が分かります。ここの社員5名と話した感想と、こっちの社員5名と話した感想と、って。
学生へのメッセージ
ーとにかく実践と失敗の繰り返し
まずは「就活する前に軸がないな」と思ったら行動してみる。その1つの方法が長期インターンですよね。
行動に移して、冒険していくうちに、視野や経験が広がって色々見えてくるんですよね。その時思う自分のベストな選択を積み重ねていくことが大切です。
結局「人生で何を成し遂げたいか」を21歳の時点で持ってないといけない、なんてことはない。20代全部をかけて探していく。とりあえず20代は、自分が経験したことないことに枠を超えて経験してみる。その「今」を全力で生きるっていうのが大切な感覚ではないでしょうか。
その中でやはり学生というのは社会人に入りやすい。なかなか大人になると難しい部分がありますが、学生の特権だと思います。特権を存分に使って行動に移せる「長期インターン」は、今となっては経験していて当然というくらいに一般的になっていますし、良い方法だと思いますね。