「行きたいと思った会社からオファーしていただけるような人材になる」【株式会社ユーザベース 松尾みのり氏インタビュー】
【学生時代の長期インターンシップ #1】
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本シリーズでは、実際に長期インターンを経験した社会人の方々に、ご自身の経験を踏まえた「キャリア選択のヒント」をお伺いしていきます。
第1回となる今回は、学生時代複数社での長期インターンを経験された株式会社ユーザベース社の松尾みのり氏にお話をお伺いしました。
プロフィール
松尾みのり(まつお・みのり)
埼玉県出身。2015年4月 東京女子大学現代教養学部史学専攻 入学。大学1年生から複数のIT企業でのインターンを経験(レバレジーズ株式会社、株式会社サイバーエージェント、株式会社ユーザベース)。2019年3月 東京女子大学現代教養学部史学専攻 卒業。2019年4月株式会社ユーザベース入社「INITIAL」事業でのフィールドセールスを担当。
「自分に実力がつく」ために、何をするべきか
ーインターンを始めたキッカケは?
当時、関西にいた3歳年上の兄が「就職活動」をし始めたことがキッカケでした。
小さいころから勉強も運動も出来る自慢の兄でした。関西の国立大学にストレートで合格して、体育会水泳部の主将をやってたんです。そんな「絵に描いたような優等生」の兄でも就職活動では「不合格」を経験していると聞いたんです。
私は東京でぬくぬくと普通の女子大生活を送っていました。「兄ですら落ちる就活って、なんて大変なんだろう!私なんて、今から準備しないともっと苦戦してしまうに違いない!」と強い危機感を抱きました。それが大学1年生の秋でした。
すぐに居酒屋バイトを辞めて、「自分に実力がつく」ためにこれから何をするべきかを考えました。実力をつけないと2年後の就活が大変なことになる。「就活」って要するに「企業」に就職するのだから、早めに「企業」で経験を積む方がいいかなって思いました。
当時「インターン」という言葉は今ほど学生には浸透していなかったですね。「就職する前の企業体験」みたいな印象でした。体験だけじゃなく実際に働いてみたいし、居酒屋バイトは辞めちゃってお金にも困りそうだったので、「有給 インターン」でGoogleで検索してみたんですよ。検索1位にヒットしたサイトがインターン検索サイト「JEEK」でした。
すぐに登録してみてJEEKさんが開催している「インターン説明会」に参加してみました。2016年の年始め、肌寒い冬に渋谷の道玄坂を登って、古びた雑居ビルの一室に足を踏み入れました。私以外の参加者は大学3年生の就活組ばかりでした。
JEEKさんは何も知らない私に懇切丁寧に指導してくれました。荒削りだったエントリーシートを添削してもらって、レバレジーズさんやイトクロさんなど、5社ほど応募して、最初に面接を受けた2社で早々に内定が出ました。当時は本当に無知で企業や事業のこともよく理解できていなかったのですが、大学1年生からインターンを始めようという気概を買っていただいたのかもしれません。
綺麗なオフィスで働きたいというミーハー心で、渋谷ヒカリエに入居していたレバレジーズさんでインターンを始めました。多分、当時見ていたドラマの影響で綺麗なオフィスに憧れていたんだと思います。普通の女子大生のありがちな意思決定です(笑)。
「ヤリタイコト」
ーオシャレなオフィスで新規事業
本業は人材派遣の会社だったのですが、私が配属されたのは新規美容メディア事業の立ち上げでした。ホットペッパービューティさんのような、美容室や美容サロンの予約サイトメディアの立ち上げです。社員さんが5人、インターン生が5人ほどの小さなチームで新規事業の立ち上げに携わることができました。少人数だったので、美容室店舗さんへの営業や社員さんの事務サポートなど仕事は多種に及びましたね。毎日状況が変わるのでスピーディーでとても刺激的な日々でした。インターンを良い意味でインターン扱いせず社員さんと対等に扱ってくれたのが感動的で、早い段階からビジネスマンとしての基礎的なスキルも学ぶことができました。
半年ほど勤務していたのですが、残念ながらその新規事業自体がクローズすることになってしまいました。上司からメイン事業である人材派遣事業部への異動のお話もいただいたのですが、自分のヤリタイコトには合わなそうだったので辞めることになりました。季節はもう夏でしたね、大学2年生の夏です。
ー「ヤリタイコト」を見つめ直す
改めて「自分のヤリタイコトって何だろう?」って考えました。小さい頃からテレビが大好きで、中高の学生時代は好きなテレビ番組を片っ端から録画して、1.5倍~2倍速で観るというのが習慣でした。ノートに自分で番組の企画書みたいなのを書き溜めたりしていて、テレビオタクでしたね(笑)。
なので、次はテレビ局でアルバイトをすることにしました。日本テレビの子会社で、制作アシスタントディレクター補助みたいな仕事です。簡単に言うと「雑用全般」でしたね。実際に働くまでは「憧れの職場」だったんですけど、その環境に飛び込んでみないと実態は分からないものですよね。頑張って1年ぐらいは働いていたんですけど、「うーん、何かココは違うかも」って思いました。気づくと大学3年生になり、就活の時期が近づいてきてしまいました。
いざ、就職活動
ーインターンで知り合った先輩のSNSキッカケで
そんなとき、facebookで先輩の「インターン募集」を偶然みかけました。その先輩は私が大学1年の頃にJEEKさん経由で入ったレバレジーズインターン時代の先輩です。先輩はその後、「ユーザベース」という会社に就職していました。2016年の秋に株式上場し、伸びていて面白そうだと感じて応募しました。インターン期間は3ヶ月と短期だったのですが、会社のメインプロダクトである経済情報プラットフォーム「SPEEDA」のインサイドセールス業務に携わらせて頂きました。
そして大学3年生の夏休みに入り、本格的な就職活動が始まりました。大学1年の頃からインターンを通じての社会経験を多く積んでいたことで、ホント自分でもびっくりするぐらい、予想以上に就活は順調に進みました。早い段階でサイバーエージェントさんをはじめ、IT系メガベンチャーさん数社から内定をいただけました。そこから約1年間サイバーエージェントの内定者インターンとして、インフルエンサータイアップ事業の営業に携わりました。仕事が好きだったので、社員さんと変わらないぐらいの熱量で働いていたと思います。
(サイバーエージェントさんの「選抜型インターンDRAFT」三期生に選ばれたことも。 https://www.cyberagent.co.jp/careers/students/draft/list/detail/id=22263 )
そんな中、ユーザベース社の当時インターンでお世話になっていた(現)執行役員の田口さんから新規事業である「FORCAS」で「一緒にやろう!」とお誘いを頂きました。両社とも魅力的な企業だったので、とても悩みました。
ー新卒入社の意思決定は果たしてどちらに?
就職活動における鉄則は「自己分析」と「企業分析」。つまり、自分自身のことを理解し、また、就職先の環境も理解した上で、最適な判断をすることだと思います。最終選択にあたっては原則に立ち返って、「自分はどういう人間なのか?」「それぞれの企業はどういう会社なのか?」を深く考えました。
私は仕事においては早く一人前になれる「成長スピード」を求めていました。主体性を持ちながら「自由と責任のバランス」をとって仕事ができたらいいなと思っていました。私は同期が200人いる大きな組織よりも、役員の直下で働ける環境の方が自分は向いているかもしれない。
悩みの最後は「誰か」が肩を押してくれるものなんですね。ユーザベース社の年末パーティに参加して、代表の梅田さんや、現在NewsPicks代表の坂本さんとお話させてもらったんです。その時、坂本さんから「うちの会社はこれからもっと成長するよ。5年後にうちの会社に誘われてたと自慢するのか、自分が入社して成長させたんだって自慢するの、どっちがいい?」って囁かれて、頭の中がワクワクで一杯になってしまい、その場で入社を決意しました。数ヶ月悩んでいたのが嘘のような即断でした。
今、振り返って
ーコンプレックスからの反骨精神
いま思い返すと「優秀な兄にコンプレックスを持っていた」ことが、大学1年生からの早い行動に繋がったんだと思っています。大学受験も浪人して第一志望校に入ることも出来なかったので「自分の努力不足が原因で就活では失敗したくない」という思いが人一倍強かったです。
社会人2年目になりますが、学生時代を振り返ると大学1年から企業インターンを経験したことが本当に良かったと感じています。大学1年生の時に抱いた危機感から、「行きたいと思った会社からオファーいただけるような人材になる」という目標は一定達成できたと思います。現在ユーザベースで日々楽しく働けているのも、インターンの先輩がキッカケなので、まさに最初のインターンがなければ今の私は無かったわけですし。なので今でもJEEKさんには本当に感謝しています!