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[Candleマフィアの注目株]メディア企業でのインターンを経た2人が生み出す、新しいメディアの“領域”と“あり方”

小野菜々子
2018/04/04

“Candleマフィア”と呼ばれるほど多くの起業家を輩出してきたCandle株式会社で、メディア責任者やディレクターを務めた後に起業した谷川氏と大槻氏に、メディアとの関わり方についてお話を伺いました。

学生時代とデジタル過渡期がぶつかった’95年生まれの二人が肌で感じてきた「メディアと人々の関わりに起こった変化」、そして2人が考える「メディアを通してユーザーに届ける価値や体験」とは何なのか。JEEK NEWSが聞いて来ました!

〈Profile〉

谷川 昌平(たにかわ・しょうへい)

株式会社Wizleap代表取締役CEO、東京大学経済学部に在学中。2014年~2015年に株式会社スペースマーケットでインターンし、2015年~2017年に株式会社Candleで複数メディアの責任者を経験。そして2017年2月に創業、保険の情報サイト「ほけんROOM」を運営中。大学1,2年時には東大起業サークルTNKに所属。

大槻 祐依(おおつき・ゆい)

株式会社FinT代表取締役CEO、早稲田大学文化構想学部に在学中。2014年に起業家養成講座・早稲田大学ビジネスプランコンテストで優勝。2015年にEast Venturesでインターン。2015年〜2016年にシンガポールに交換留学・現地でネイル商材のEC立ち上げの経験。トビタテ留学JAPAN2期生。2016年〜2017年に株式会社Candleで動画メディアMimiTVアプリのプロジェクトマネージャーを担当。そして2017年3月に創業、女子向けファッションメディア「SUCLE (シュクレ)」を運営中。

メディアの移り変わりを肌で感じてきた2人が実現したいこと

――お二人は現在、起業してメディアを運営されていますが、どのようなメディアなのでしょうか。

谷川:

Wizleapでは『ほけんROOM』というメディアを運営し、生命保険から損害保険、共済、少額短期保険、社会保険をはじめとする保険に関するあらゆる情報を掲載しています。

そこでは、保険の見直し相談や保険の比較検討をするユーザーの悩みを解決できるように網羅的に情報を掲載していて、特に取り上げたい記事に関しては専門家に入ってもらったり、ディスカッションをしてもらい特集を組んだりしています。

さらに、保険メディアを通して、保険相談の新しい形や、相談後のセカンドオピニオン的な位置付けのサービスも展開して行こうと考えています。

保険領域は法律も絡んでくるので、その辺りも考えながら運営しているところです。

大槻:

なんで保険のメディアにしたの?

谷川:

保険の領域を選んだ理由としては、保険相談の市場性と課題感に可能性を感じたことに加えて、保険相談の「情報の非対称性」を強く感じたからかな。

また、『ほけんROOM』を立ち上げるにあたって、自分の実際に保険に加入してみたのですが、セカンドオピオニオン的な、細かくコンテンツが揃っているメディアがないということに気づいたからです。

ママの悩みには『ママリ』(「ママの一歩を支える」をテーマにした、妊活・妊娠・出産・子育ての疑問や悩みを解決する情報サイト)があって、髪の悩みには『ヘアラボ』(髪の毛の悩みと向き合う総合研究サイト)があって、そんなサービスを保険領域にも作りたいと思っています。

大槻:

私は、『SUCLE(シュクレ)』という10.20代の女子向けのメディアを運営しています。今は、写真を中心にコンテンツを作成していますが、後々は動画などを通した価値提供も始めるつもりです。

みんながかわいくなれる、女子大生の生活の中心になるようなサービスをしていきたいと思っていて、ゆくゆくは、「SUCLEをみれば、かわいいものに絶対出会える」と思ってもらえるようになりたいですね。

私が女子大生をターゲットにしたメディアを運営しているのは、私自身が同世代の女の子と関わることも多く、身近な人を幸せにするようなサービスを作りたいなと思ったからです。

他にも、以前女子向けのサービスを作った経験があったことと、自分も生活の中で当たり前に見たり使ったりしているものなので、興味があって、且つそれが一番自分を活かせそうだと思いこのメディアを始めました。

コンテンツ消費の場所が分散 これからのメディアに求められるもの

――現在「ほけんROOM」「SUCLE」を運営しているお二人は現在のメディアについてどうお考えですか?

大槻:

若い人たちの間では、Instagramの人気が本当に強いです。しかし、これは過去に『amebaブログ』などのブログや『NAVERまとめ』などのキュレーションサイトが流行っていた時代の流行り方とは違うと思っています。

メディア自体の流行りがどんどん移り変わっていくので、その変化を追うということが醍醐味ですね。

かといって、少し前に流行ったメディアは消えたわけではなくて、そこにも未だにコミュニティがあるというところも面白いなと思っています。

――『SUCLE』は、写真をメインにしている印象を受けます。それも、Instagramが流行ったからなのでしょうか。

大槻:

そうですね。今は、Instagramでも情報が溢れすぎているので、何をチェックしたらいいか分からない人が多いです。

またインフルエンサーの数も増えているので、おしゃれに敏感で調べるのが好きな子を除いて、「この子を見ておけば大丈夫」という指標を持っている子は多くありません。

谷川:

確かに、ソーシャルになってからコンテンツ消費の場所が分散していると思います。

Instagram内、YouTube内での検索を始めとして、メディアにとって同じようなコンテンツをユーザーが違うチャネル(製品を消費者まで届ける流通経路のこと)で消費しています。

それに加え、女性向けメディアなどをはじめとしたアプリも出てきたことで、さらにプラットフォームが切り分けられてきています。

大槻:

それに伴って、ニーズも細分化してきているよね。少し前まではNAVERまとめなど広範囲にわたる情報を1つのサイトが管理するというスタイルで良かったのが、「ファッションはここ」「飲食店情報はこっち」など、より細かく専門的なサイトが増えてきています。

それに伴って、運営側も自サイトの世界観や掲載する情報をより厳選するようになったと感じています。

しかし、これはみんなの情報の受け取り方が受動的になっていることとも関係していると考えていて。

例えば、これまで能動的に情報を受け取りにいっていたのに、今は「検索すらせずただ流れてきた情報を受け取るだけ」、といった感じです。

だから、同世代の女子は、自分に最適化されたInstagramのサジェストにかなり多くの時間を費やしているようです。

このような傾向だからこそ、「そのサイトがどんな情報をくれるかどうか」というメディアの「質」が重要になってきます。

今の22歳と18歳の間に存在するインターネットに対する価値観の違い

谷川:

間違いないですね。若い人は特にそう。中学生・高校生時代をスマホ有り無しで過ごしたかどうかで価値観が大きく違いますね。

僕たちは、部活の連絡はメーリス(メーリングリスト)だったし、友達との連絡もSMSを使っていました。

でも、今の10代の子からしたら、ああいったことは面倒なんだろうなと思います。

大槻:

今の10代の子は、学生時代にスマホを 当たり前に 持っている世代だからね。

わたしたちが中学の時は、スマホを持っている同級生はほとんどいなかった。

でも、たとえばスマホネイティブの若者の中でも、スマホがあることが「当たり前」で、中毒みたいになってしまっている人ばかり、という訳ではなくて。

若者の間でも、スマホに対する考え方は二極化していて、逆に友達と連絡が最低限取れればいいと思っている、ある意味「情報疲れ」しているような子もたくさんいます。

だからこそ、次から次へと自分の元に新しい情報が届くことに疲れている人に対して、情報の取捨選択をするという役割を私たちが「メディア」を通して実現したいと思っています。

「このサイトを見ておけば大丈夫」という安心感が信頼関係をつくる

――では、それらの情報を提供するときにメディアはどうあるべきですかね?

大槻:

大前提、信頼性があることが重要です。そしてユーザーに良い体験をしてもらいたいと考えているので、時代の流れに合わせたサービスを作ることがなによりも大切ですね。

谷川:

その通りですね。

僕がやっている『ほけんROOM』も、保険領域を扱っているのでまさに信頼性が非常に重要です。そのためにも、サイトにきたユーザーが満足できるように、網羅した情報を掲載するようにしています。

――信頼性を勝ち取りながら、ユーザーのもっている課題をいかにうまく解決するか、が重要になるのですね。

谷川:

はい。メディアが与える価値はユーザーの課題解決なので、彼らの抱えている課題を正しく解決してあげる必要があります。

大槻:

課題解決をしていった先に、信頼関係が構築されると思います。「ココを見ておけば間違いないよね」という安心感を生み出していきたいです。

”Candleマフィア”の中に受け継がれる独自の文化

――ところで、お2人はCandleのインターンを経て起業した“Candleマフィア”でもありますよね。やはりインターンの時代の経験がお二人の起業の際にも大きな影響を与えたのでしょうか。

谷川:

そうですね。Candle時代は本当にいろいろな事を学ばせていただきました。

KPI(Key Performance Indicator=目標を達成するための重要指標)の設計の仕方、優先順位の組み方、チームの生産性管理などはもちろん、それらのことを再現性高く、自分の部下が同じように出来るようになるところまで、実務として体系的に学ぶことが出来ました。

動画にしろキュレーションにしろ、メディアはKPIを細分化して、人を割り当てて実行していくということが大事ですからね。

大槻:

そこを仕組みにして、下の人に振っていくっていうのが重要だよね。Candleでそこも含めて、教育してもらえて良かったです。

金さん(株式会社Candle代表取締役 金靖征氏)から週次報告で多くのアドバイスや改善方法を教えていただいたことも良い経験になりました。

谷川:

週次報告は、自分の会社でも行なっています。

大槻:

私の会社でも、月次で目標をおいて、それに関して週次で話すという事をしています。これもCandle時代にもらった文化ですね。

谷川:

あとは、経営陣とフルコミット層、インターンの学生など、役割に合わせて最大限挑戦できる環境を用意することで、組織全体のオペレーションの再現性が上がり、みんなが成長できる環境なのも、1つの文化だと思います。

大槻:

確かに。施策案を出し、その結果がどの数値に現れ、自分の持っているKPIをどう伸ばせるのだろう、という仮説まで考えてもらうなど、基本的にインターンなどの立場に関係なくなんでも任せています。

週次で話したときに、出来ない、分からないところがあったなら一緒に考えながら進め、少しずつでも力をつけていけるようにしています。

谷川:

また、チームで一つの目標に向かって愚直に努力するというのもCandleらしさであり、いまの自分の会社にも活きていることですね。

「仕事する時間は人生の中で1番長いから、楽しまなきゃ損」と言われていたように、楽しめる人間がスタートアップに集まると思います。

大槻:

ゴールに対してみんなで向かっているところが0→1の魅力でもあるよね。

少しづつでも改善しながら進んでいくのが楽しくて、たまに挫折や失敗をしても、それによってステップアップするのが醍醐味だと思います。

0→1だから提供できる、絶対に成長できる環境

ーー最後に、読者の方にメッセージをお願いいたします。

谷川:

大学生で「インターンをしたい」とか「今ある時間を無駄にせず何か行動を起こしたい」と、くすぶっている人がWizleapに来て、起業家やイケてるビジネスマンになって欲しいと思っています。

自分の時間や労力をいとわずに、インターン生の成長にはコミットするので一緒にでかい会社を作りましょう!

大槻:

FinTでは、絶対に成長できる環境を用意できます。

一つのゴールに向かってチームで協力したり、切磋琢磨しながら仲間と一緒に働くスタートアップがとっても好きなので、同じような感覚を楽しめる人と働きたいですね。

また、まだまだ始まったばかりなので、小さいものを大きくしていく過程を感じることが出来ると思います。

裁量権が大きいからこそ、「自分がこの会社を大きくした」といえるチャンスなので、ぜひ一緒に頑張りましょう!

キャリア選択にヒントを!

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