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“未定義を定義する”のは19歳のCEO  人を惹きつける彼らのルーツ、そして応援される理由とは

小野菜々子
2018/04/01

スタートアップ界隈のTwitterを覗くと、「今一番頑張っているチーム」「期待の若手」「応援しています」など、次々と応援や期待の言葉が寄せられるチームがあります。

それが、若干19歳の若月氏がCEOを務める株式会社Undefinedです。

平均年齢21.6歳の彼らはいつ、どうやって出会い、なぜ共に起業したのか。VCや同世代の仲間たちが応援したくなる、彼等の魅力とはなんなのか。

創業後初となるアプリ『NYAGO(ニャゴ)』をリリースし、ますます勢いに乗っている彼らを、JEEK NEWSがどこよりも早く、みなさんにお伝えいたします!

【プロフィール】

若月佑樹

1998年生まれ。山梨県出身。

高校卒業後、ドローンのスタートアップであるFLIGHTSでフルコミインターンに従事。その中で、デザイン、開発、企画をやらせてもらっていた。その後、カリフォルニアのカレッジに入学するも、3日で退学。帰国後に株式会社UNDEFINED共同設立。

渡邉健嗣

1997年生まれ。山梨県出身。

キャッチ、海の家で住み込みバイト、飲食店バイト、不動産会社などで働いていた。その後、株式会社UNDEFINED共同設立。

金井一馬

1994年生まれ。群馬県出身。

高校卒業後、日本大学法学部に入学。在学中はNHKでのインターンをはじめとした、メディア制作に従事。また、雑誌や映像を個人で制作、発表する。その後は株式会社FLIGHTSにフルコミインターン。映像制作、撮影を担当する。2017年9月に株式会社UNDEFINED共同設立。

現代の若者に向けた、“淡くエモい”サービス

――『NYAGO(ニャゴ)』というアプリがリリースされ既に話題になっていますね。どのような背景でこのようなアプリのリリースに至ったのですか?

若月:

NYAGOは今まで連絡できなかった人に連絡できるようになる最もインスタントなチャットアプリです。

Instagramでは繋がっているけど実際には話したことがない憧れの先輩だったり、音信不通になった元カノだったり、仲が良かったクラスメイトに突然連絡をするのはハードルが高いという原体験がありました。

ただ好意を伝えたり、遊びに誘ったり、もっとくだらない内容を気軽に届けたいだけなのに、相手からネガティブな印象を持たれることを恐れていることに気づきました。

そこで僕らは、『送る人だけ匿名』の新しいチャットのかたちを考えました。

送る人は送りたい相手に対してなんのリスクも負わず気軽にチャットできる。いつもは言えないことを気軽に伝えることができる。

メッセージが来る人は自分宛の匿名のメッセージを見て、それが誰からのメッセージなのか頭の中で想像してドキドキしたり、好意を寄せてくれた人とチャットを楽しむことができるようになります。

匿名によるネガティブな発言も考えられたので、ブロック機能はもちろん、毎朝チャットが消えるというなんとも淡くエモーい機能も実装しています。

ーーなるほど。今回は、そんなお三方が現在に至るまでを伺っていければと思います!

18歳で起業した若きCEOが、“イマ”に至るまでのルーツとは

ーー若月さんは起業時は18歳でした。どういったルーツを通して現在に至るのですか?

若月:

小学校の時から人間関係がうまく行かず、高校生のときには先輩ともめて部活に行かなくなりました。行かなくなったというか、ほぼ辞めさせられたも同然だったのですが…(笑)

でも、高校生とかって、部活がないとものすごく暇なんですよね。

そこで、同じように暇だった友だちと、中古のプリンターを売ったり、自分たちでスマートニュースみたいなアプリを作ろうとしてみたり。地元の甲府駅前の広場を貸し切ってイベントをやったこともありました。

結局全部うまくいかなかったのですが、本当に色々なことをやって、日々模索しながら挑戦していました。

ーー当時はアルバイトみたいな感覚だったのでしょうか。

それでいうと、結局、全部金銭的には損をしているので、お金の問題ではなかったと思います。単純にやることがなくて楽しそうだと思ったのでやっていた感じですね。

今考えると、こういった活動が今の「起業」という選択にも繋がっているのかもしれません。

この3人でだからこそ何かをしてみたい。共通点は『行動力』

――お二人からみた若月さんはどんな方ですか?

金井:

出会った当初若月は18歳でしたが、彼ほど物事を深く色々考えている高校生を見たことがありませんでした。

僕は若月と同じ会社でインターンをしていたのですが、最初から自分でばりばりサイトを作って、呑み込みも早くて、ずば抜けていましたね。

なかでも特に印象に残っているエピソードがあって。

会社のカメラが壊れたことがあったのですが、その際に若月が近くのカフェの3Dプリンターで部品を作ってきたんです。

普通だったら、新しいものを買うとか、そういう選択になると思うのですが…そのときは驚きましたね。頭の回転と行動力がすごいな、と(笑)

渡邉:

若月は、野心家で反骨心があり、「自分ならできる」と信じて疑わない点はもちろん、リスクを恐れずすぐに行動できる人間です。

それまで自分と似た考え方をしている人が周りにいませんでしたが、初めて自分と同じ感覚で話すことが出来る、と思わせてくれたのも若月でした。

出会ったときから「彼と一緒に働いたら面白くなりそうだ」とフィーリングで感じていたんです。

ーー若月さんは、お二人と一緒に起業しようと思ったのはどうしてだったのですか?

若月:

実は、金井と渡邉はもともと知り合い同士ではなく、僕が共通の知人で引き合わせたんです。

2人が一緒にやったら面白くなるだろうと思っていたので、すぐに「会社を作るなら、この2人だ」と自分の中で決めていました

僕と金井が仕事終わりに「こんなことやりたいね」と話している中で、渡邉を紹介しようと思いつき、当時金井が住んでいた代々木の家で集まったのが一番最初です。

――お2人のどのようなところに惹かれて一緒に働きたいと思うようになったのですか?

若月:

大前提、人間として尊敬できたからです。

例えば渡邉のように、「人間力がとても高いのにおもしろい」とか、「大胆かつ冷静」だとか。もちろん、巻き込み力があるところもそうです。

金井は、前衛的な考え方を持っていて、さらに自分の好きなことを深く追求して、それを活かして生きていこうとしている姿を尊敬しています。

あと、とても周りに気を配ることができるというところも。二人に共通して言えることは、「エモい」ってことです。

――ここまでお話を聞いていて、持ち前の行動力でどんどん前進してきた、という印象がありますが、起業してから今までで「あれは辛かった」という時期はありますか?

若月:

創業して1ヶ月ほどで、最初のプロダクトをピボットすることを決意してからは辛かったですね。

代々木の六畳間で、資金調達もしておらず、ビジネスモデルも定まっていなくて…未来が見えなくなりそうな期間がありました。

――しかし、そのような経験があるからこそ今のUndefinedがあるということですね。

若月:そうですね。

そもそも、僕たちの企業のきっかけは「何かを作りたい」「この業界で成功したい」という事よりも、「“この3人で”何かをやりたい」というところにありましたから。

「大きな組織に入ることが自分にとってはリスク」自分の進む道は自分で決める

ーー高校卒業後、大学進学を選択することがマジョリティーになっていますよね。そんな中、若月さん・渡邉さんは「進学」ではなく「起業」という選択をされました。リスクなどは考えませんでしたか?

若月:

失うものがないので、リスクというものは感じませんでした。

普通に大学にいっても同じことだと思うんですよね。事故にあったりするリスクも変わらないと思いますし…。

学歴がないので「自分でやっていかなくてはならない」という焦りは少なからず感じていますが、それよりも、自分にとっては大企業に所属することの方がリスクでした。

先ほども話しましたが、小学生の頃から、どういうわけか先生と仲良くなれなかったんです。「自分がこう思う」ということを伝えた結果、トラブルになったりしてしまって。

なので、その頃から、大学もそうですし、会社などの大きい組織に入るのは自分にとってかえってリスクのある行為だと考えていました。

渡邉:

僕は、大学に行かない選択をしたからこそ、Undefinedはもちろん、今の自分があるのではないかと思っています。

やりたいことを全部やることはリスクも伴いますが、思い切って挑戦するとそれ以上に得るものは大きいのかなと思いますね。

起業に年齢が関係ない現代。その中で若くして起業することのメリットとは 

――お三方の平均年齢は21.6歳と、すごく若いですよね。若いからこその強みや、若いうちに起業して良かったと思うことはありますか?

若月:

そうですね。ただ、大前提 “好きなことを一生懸命にやっている”ということ自体が良いことだと考えているので、起業に限らず何かに打ち込んでいればそれで良いと思います。

その中であえていうならば、若いということの強みは、「大胆にいろいろな事に挑戦できるところ」ではないでしょうか。大人になると今よりもプライドが出てやりづらくなることもあると思うので。

…まだ、大人になったことないので分からないですけど(笑)

プライドが邪魔をすると、年下の人に意見を求めることは今よりも難しくなる気がしています。

しかし、自分が若手という立場だと、色々な人から色々なことを教えてもらえるので有利だな、と。

また、手数が打てるということもあります。

年齢を重ねると、自分の家庭や子供のことなど考えなくてはならないものが増えますが、今の自分たちは体力やリソースをすべてやりたいと思ったことに投入できます。

それは、若さゆえの強みなのではないかと考えています。

――たしかに、それだけの時間や体力を1つのことにつぎ込めるのは今だけかもしれませんね。

そういった意味でも、お三方は、やりたいことを良い仲間とできているという点で恵まれているかもしれません。その秘訣として何か思い当たることはありますか?

若月:

やろうと思いたった時に、すぐに行動したのが良かったと思います。

渡邉とバックパックをしたことがあったのですが、その時も、「行こう」と決めたらすぐにチケットを取って出発したり、その行動力ですね。

「やろうと考えたことを本当に実行するかそうでないか」が重要であるのではないかと考えています。

――なるほど。そんなお三方ですが、今や多くの人々から応援され、期待される存在ですよね。ご自身でもそれを実感されることはありますか?

若月:

応援されているのかどうかはわかりませんが、そう言っていただけて嬉しいです。

でも、応援したいと思ってもらえるようなチームになるために意識していることは、いくつかあります。

たとえば、僕たちは『HiveShibuya』というシェアオフィスにいるので、来る人にはきちんと挨拶をすること。

あとはTwitterなどで意識的に情報発信を行なうことです。人が当たり前にやっていることを当たり前にやって、人がやらないようなこともどんどんやっていきたいですね。

――最後に、これからについて一言お願いいたします。

全員:

今回創業後初めてのアプリリリースとなり、まだ正直不安もありますがとてもワクワクしています。

リリースがゴールではないのでこれからもユーザーの声に耳を傾けながらユーザーが欲しがるもの、ワクワクするものを作っていきたいです。

また、僕たちは既存の枠組みにとらわれず、新しい、まだ定義されていないものを世の中に送り出すという気持ちを持ちながら、3人でこの会社を大きくしていきたいです!

ーー本日はありがとうございました!

日々成長を続けるUndefinedからこれからも目が離せません!

ぜひ、あなたも気になるアイツにニャゴしてみてください!

キャリア選択にヒントを!

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