「世界一楽しい企画は、自分が世界一楽しむことから」東大生起業家のこだわり【後編】

「世界一楽しい企画は、自分が世界一楽しむことから」東大生起業家のこだわり【後編】

プロフィール

古川渉一さん(東京大学4年)
鹿児島県出身
2011年 東京大学に進学
2012年 月20以上のイベントに参加し、毎月様々なジャンルのイベント主催する
2014年 MUW代表
     日本最大級学生向けイベント情報まとめサイトfacevent 代表兼エンジニア

自由度の高い組織づくり

Q:現在faceventはコンテンツであるイベントがかなり充実しているようですが、イベント集めの胆となるキュレーター(サイトに情報を発信する人)はどのようにして集められたのですか?

古川さん:自分は「得意なことは得意な人に任せるのがいい」と考えています。
そこで最初は、人脈が広くキュレーターの中心となる人に自分が何を目指しているのか、自分が何をしたいのか、ということをしっかりと説明をすることを大事にしました。最初にネットワークを持った1人の方に話を持っていって、そこから10人集めるという流れです。

キーになる人は誰で、その人は何を考えていて、その人にとってこの企画はどのようなメリットがあるのかを踏まえた上で話をし、その人をしっかりと納得をしてもらい、協力してもらうことを重視しました。
闇雲に声をかけることは好きではないため、リサーチを徹底して、断られる理由がない人を選んで、声をかけていくという方針を大切にしました。

Q:キュレーターを集めた後はどのように組織を運営しているのですか?

古川さん:基本的には自由に活動してもらっています。キュレーターの方はそれぞれ得意なイベントのジャンルがあるので、特にこちらの方で管理はしておりません。

Q:自由に活動してもらっても組織が保てている背景には何があるとお考えですか?

古川さん:faceventの運営組織自体は、デザイナー、エンジニア、キュレーターがいます。
キュレーターにはアカウントを発行して、サイト上で発信するイベントを自由に登録してもらっています。月1程度は連絡するものの、特に活動の報告義務などはありません。普段からSNS上で情報を発信されている方達なので、同じような感覚でfaceventに情報を提供してくれています。

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軸を定めること

Q:組織の運営上、何か苦労されたことはありますか?

古川さん:昨年の秋頃にサイトの流入数が頭打ちになってしまいました。そのとき、新企画立案にあたり、軸を決めきれなかったことです。
faceventは他のイベントプラットフォームが主催者に対する価値を重視しているのに対して、イベントの参加者に対する価値に重きを置いていました。しかし、キュレーターのブログ、イベントスペースの紹介、インタビュー記事など企画を乱立させてしまい、学生のためのイベントという軸がぶれてしまいました。代表として、自分がしっかり軸を決めないといけないと感じました。

Q:数値上のデータを見て頭打ちになったと判断されたのですか?

古川さん:そうですね。訪問者数やPV数などの絶対数ばかりを見ていました。
しかし、そればかりでなく、実際に何人がイベントに参加しようと思ったか、アクションを起こしたかが大事だと気付いたのです。
データと直感をごちゃごちゃにしてしまっていました。今振り返ってみると、仮説を感情と混ぜていて、きちんと実証出来ていなかった未熟さを痛感しますね。

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自分が経験することで参加者目線を磨く

Q:普段から仮説をよく立てられるのですか?

古川さん:はい。もう仮説が全てだと思っています。企画においても仮説を重視しています。例えば、イベントに行くモチベーションの仮説として、主催者よりも身近な人に誘われた方が反応がいいと考え、それを踏まえた機能を企画したりもしました。

――内容より誰に紹介されるかが大事だと考えられたのですね。

古川さん:「主催者に誘われるより、自分にとって身近な人に誘われた方が参加しやすいのではないか」などの仮説を立て、検証を常に行っています。あとは、利用者やキュレーターの方に話を聞いたり、自分自身がイベントに行ったりすることも仮説・検証の根幹として大切にしています。

Q:参加者に重きを置くという視点に気付いたきっかけはありますか?

古川さん:自分がイベント参加者目線のサイトがあれば便利だと感じたからです。
自分は2年生の夏頃、イベントの主催と平行して、毎日どこかのイベントに参加する生活を送っていました。その時に、イベント参加者としての視点がすごく育ちましたね。

世界一楽しくてワクワクするものを作ろうと思ったら、まず自分が世界一楽しくてワクワクしていなければいけません。一番面白いイベントを作ろうと思ったら、一番楽しめるイベントに自分が参加しているべきだと考えています。
イベントに参加して反面教師的に学ぶ部分や、真似したらいい部分を自分の中に蓄積してきたのはサービスの企画に生きていると思います。

Q:イベントの参加経験が主催者側で生きた例はありますか?

古川さん:例えば参加費のおつりを準備したり、洗面所、自動販売機、喫煙所の位置をスタッフ全員が完璧に把握しておいたりするなど、細かい気配りをマニュアルとして徹底できたことですね。

想像力をはたらかせる

Q:細部にこだわるのには何か理由がありますか?

古川さん:どんなに過程で頑張っていても最後の最後で些細なミスでもあるともったいないと考えているからです。
物事は基本的にアウトプットが全てだという考え方をしています。過程はどうであれ、その結果何が出来たのか、イベントであれば参加する人、サービスであれば、ユーザーにどういう価値を提供できたのかが全てです。
あくまで良い結果を作るために、細部までのこだわりを積み重ねています。
また、失敗をしたとしても、次に必ず活かすことが大切ですね。

Q:フィードバックはかなり重視していらっしゃるのですか?

古川さん:はい。そもそも、まずはやってみようという考えが根底にあり、Webについても取り敢えず形にしてダメだったら作り直す、というやり方をしています。だからこそ、取り敢えずやってみて、ダメなところはすぐにフィードバックすることを重視しています。これは自分の飽きっぽく、サイクルを早くしたい性分にあっていたのかもしれません。

――イベントを主催する学生は多くいますが、古川さんのように細部まで考えている学生は少ないですよね。凄いです。

古川さん:細部までこだわるには、想像力が不可欠です。イベントでは来場者がどういう気持ちで来て、どういう様子で帰るのかを想像することが大事です。
例えばイベントの会場に向かう駅に着いた時、駅に誰もいないより、誰かが看板をもって待っていてくれた方が安心します。
また、その看板持ちスタッフがスタッフが携帯をいじっているより、笑顔で迎えてくれた方が嬉しいですよね。そのために、看板持ちのスタッフに「携帯は我慢してね」と言っておく。その一言だけで、来場者のワクワクの気持ちが増大されていくだろうなと想像します。

そして、会場について名札を書くとき、ただ紙とペンが置いてあるより、ひとつでも書き方の例があったほうが書きやすいですよね。
このように想像するのは、Webサイト上でも同じです。利用者がたどる一連の流れを常に想像し、「こんなコンテンツあった方がいいのでは」と考えています。参加者目線での演出を自分の中で大切にしています。

――なるほど。その想像力がイベントやWEBサイトの成功を支えているのですね。

やってみること

Q:最後に、同世代で一歩を踏み出せていない学生に向けてメッセージをお願いします。

古川さん:やってみるしかないですね。悩んでいる時間があったら、とりあえずやってみることが大事です。自分の好きなものを素直にやればいいと思います。確かに学生だからこそできることもあるの、というのは間違いないですが、変に意識する必要はないと思います。口だけなら誰にでもできるから、そこから一歩踏み出すには、やってみることが大切です。

――古川さんの作るサイトはある意味学生が一歩を踏み出すためのハードルを下げるのに役に立っていますね。

古川さん:そうですね。Faceventを見て、まずは、様々なイベントを知ってもらいたいです。そして、参加に踏み出せないのにはそれなりの理由が少なからずあります。
自分が世界一楽しいものを作りたいと思うなら、まずは自分が世界一面白い経験をすること。想像力を養うためには、どれだけ自分が幅広い経験をするかが大切だと思っています。

――本日はありがとうございました!!

↓FaceventのHPはこちら
http://facevent.jp