大学生の多くの人が長期留学という選択肢を一度は考えたことがあるのではないでしょうか。中には、大学選びの段階で留学制度が充実したところを選んだ、という方もいるかもしれません。
今回は、意外に知らない長期留学についての知識を書いていきます。
短期留学と長期留学の違い
短期留学と長期留学の違いを、あらゆる項目で紹介していきます。
期間
長期留学・・・3ヶ月以上
短期留学・・・3ヶ月以内(観光ビザでOK)
一般的に、短期留学は2週間〜3ヶ月、長期留学は3ヶ月〜1年とされています。長期留学の場合、学生ビザやワーキングホリデービザを取得する必要があります。
一方、短期留学の場合はそれらを取得する必要はなく、観光ビザの取得のみで構いません。
費用
短期留学(3ヶ月)・・・40万〜80万
長期留学(1年)・・・140万〜300万
※留学費用は、行く国によっても大きく異なります。今回はアメリカ、オーストラリア、イギリスの3カ国の大体の金額を書いておりますが、もう少し安価で済む国もあります。
ご覧のように長期留学ともなると相当の金額を用意する必要があります。
これだけのお金がかかったとしても自分のやりたいことは長期留学の中にある、という方はしっかりとした意識と目的を持って臨みましょう。
目的
短期留学の目的は「何かを始めるきっかけを作る」ことだと言えるでしょう。
新たな環境で自分を試したい。自分の幅を広げたい。といった「自分改革」の手段として、短期留学は大変有効だと言えます。
その一方で、長期留学の目的は「何かを身につける」ことにあると思います。
例えば、
・専門スキルアップ
・真の語学力習得
・異文化間の友人を作る
・将来、海外で働くための足がかりにする
・異文化圏に住む人たちの考え方を知る
などです。
長く滞在することで、短期留学の時よりもいろいろなことを多く体験することができます。そのため短期留学の時の「知る」という感覚ではなく、「学ぶ」「得る」という感覚になります。
長期留学に行く目的は人それぞれですが、短期留学では体験できない、もう一歩深い学びをしたい、という方に長期留学は向いています。
長期留学のメリット
ここまで、短期留学と長期留学を比較しながら話を進めてきました。
ここで長期留学に焦点を絞って、そのメリット・デメリットを紹介します。
長期留学のメリットは、
・見識が広がる
・真の語学力習得が可能
・異文化圏の深い友人ができる・異文化を深く知れる
・「英語を学ぶ」経験ではなく「英語で学ぶ」経験ができる
・慣れてきたらアルバイトにも挑戦可能
・旅行をする余裕もある
などが挙げられるでしょう。
見識が広がる
長期留学をする際には、現地の大学で学生とともに講義に参加するパターンが一般的です。
日本で学んできたことをアウトプットするいい機会にもなりますし、何よりも他国の考え方を知ることができます。
日本の常識が世界的に見たら異なっているかもしれませんし、学生自体も全く違う意見を持っているかもしれません。そのような多様な考えのなかで学ぶことはとてもいい刺激になり、見識も大きく広がります。
真の語学力習得が可能
語学を習得するには、その言語に囲まれて生活することが一番の近道だと言われています。
そういった点で、長期留学は語学習得に最適だと言えます。短期留学でもある程度の語学力は培うことができるのですが、あくまで日常会話程度です。
本当の「語学力」は、現地の人と議論をしたり、意見をぶつけ合ったりできてこそです。長期留学では、そのレベルまで語学力を持っていくことができる大きなチャンスです。
異文化圏の深い友人ができる・異文化を深く知れる
先ほども述べたように、現地の学生と一緒に学び、生活することができる長期留学では、短期留学の時よりも深い仲の友人ができることが必然的に多くなります。
彼らの根本的な考え方、生活習慣を知ることで真にその国の文化を知ることができると言えるでしょう。
「英語を学ぶ」経験ではなく「英語で学ぶ」経験ができる
短期留学は、語学学校に通いながら生活するというのが一般的です。ですので、メインは「語学習得」と言ってもいいでしょう。
しかし長期留学では、英語を学ぶ期間にプラスして、英語で様々なことを学ぶ期間が残されています。
「英語で」学べるということは、直で現地の学生や教授の考えを知れるということです。その経験は、自分が元から持っている知識を深めることにもなります。
慣れてきたらアルバイトにも挑戦可能
アメリカやカナダでは、基本的に留学生の就労は禁止されていますが、大学に通っている(語学学校の生徒は認められていない)学生で、週20時間以内であればアルバイトをしても良い、という規制があります(アメリカは、キャンパス内の図書館や購買のみアルバイトが可能)。
また、オーストラリアでは学生ビザのみの取得でもアルバイトをすることができます。
外国での就業体験は語学力はもちろん、様々なスキルが必要になるので大変ですが、その分の成長も大きいので、挑戦する価値はあると思います。
旅行をする余裕もある
長期留学の期間内にはもちろん学校が休みの日があります。そういった日にはその国の観光地を回る時間的な余裕もあります。
また、現地の大学の友達からオススメのスポットを聞いたりすると、普通のガイドマップじゃしれないような情報を得ることができるかもしれません。
長期留学のデメリット
ここまで長期留学のメリットを書いてきましたが、もちろんデメリットもあります。
長期留学で考えられるデメリットは
・費用が高い
・休学しなければならない場合がある
・行く前後で生活スタイルが大きく変わってしまう
などが考えられます。
費用が高い
上記にもあるように、長期留学は最大300万円ものお金がかかります。
最近では留学の際の奨学金制度も増えてきていますが、奨学金は、優秀な選ばれし人しかもらえない場合が多く、多くの人がその費用のために留学を諦めてしまうのが現状です。
休学しなければならない場合がある
1年間の留学で単位がもらえ、進級できる場合は良いのですが、そうではない場合は、大学を休学して留学に行かなくてはなりません。
1年社会に出るのが遅れることは、大きなリスクでもあります。それを踏まえても留学に行ったほうがいいのか
しっかりと考えてから決断することが大切になります。
行く前後で生活スタイルが大きく変わってしまう
例えば、アメリカでは自動車が右側通行で、日本とは逆ですよね。1年生活していたらその習慣が身についてしまい、元に戻すのが大変になるかもしれません。
時間感覚など、留学に行く前と行った後で変わっていることもあるので、注意が必要です。
学べる学校例
ここでは、実際に長期留学で学べる大学を上げていきます。あくまでこちらにある大学は代表的なものにすぎないので、もっとたくさん知りたい、という方はご自身でも調べてみてください。
国で選ぶ
・アメリカ
インディアナ大学ブルーミントン校
NPOマネジメント、環境政策、公共政策、ビジネス、社会心理学など数多くの分野でランキング上位に名を連ねており、ジェイコブズ音楽院も全米屈指の音楽学校として知られている。学部の留学生数が全米トップ10に入っており、海外との交流にも積極的な名門州立大学。
オハイオ大学
オハイオで最も歴史ある大学。研究大学としての評価が高く、中でもMBAのスポーツアドミニストレーションや哲学などが有名。1、2年生のほとんどが寮に住んでおり、40以上ある寮は大学生活の中核の1つとなっている。100ヵ国以上からの留学生が学ぶ国際色豊かな大学で、19世紀末に卒業した最初の留学生が日本人という興味深い歴史もある。留学生の受け入れも盛ん。
・カナダ
ティル大学
ルーテル教会系の私立リベラルアーツ大学。キャンパスは静かで落ち着いた環境にある。ビジネスや心理学など人気の専攻に加え、ニーズの高まりを捉えた新しい分野への取り組みにも積極的。教授陣はフレンドリーで、交流の場も多く、学生のキャリアを拓く指導を行っている。
・イギリス
エディンバラ大学
4世紀に及ぶ長い歴史を持つ大学。世界137ヵ国からの留学生が学んでいる。ビジネス、コンピュータ、建築学、言語学、社会学、生物学など高い評価を受けている学科が多い。アン王女が総長を務めるなど、ロイヤルファミリーとの関わりも深い。
目的で選ぶ
・専門スキルアップをしたい
ビジネス、アート&デザイン、コンピュータ、グラフィック、映像、など専門学校で学ぶことができる。
例 ビジネス
カナディアン大学
国際貿易の基礎を学ぶコースや、ビジネスプランの作成能力、効果的なマネジメント手法を身につける講義を受けられる
例 コンピュータ、グラフィック、映像
ニューヨーク・フィルム・アカデミー
実際に映画製作をして必要な技術を身につける講義や、脚本をメンターにアドバイスをもらいながら作成する講義など、実践的に技術を磨くことができる
例 航空業界
ノース ダコタ大学
航空業界ではトップクラスの大学で、航空学、航空管理、航空管制や目的別のパイロット養成など、航空関連の多岐にわたる専攻を提供している。
例 観光業界
ナイアガラ カレッジ カナダ
ホテル業界を志す学生にオススメの大学。100以上にもおよぶプログラムと最先端の施設を提供し、その多くのプログラムはCo-opプログラム(授業+インターン)で実践的な技術が学べる。特にホテルや旅行学専攻の学生はカナダ国内の観光地で就業体験を積むチャンスがある。
また、留学には行きたいけど、自分に合った留学プランがわからない、実際に現地に行った方の声を知りたい、という方は、こちらのサイトを参照してください。
最後に
長期留学のことが少しでもわかっていただけましたか?
メリットもデメリットもありますが、自分にとって最適な挑戦はなんなのかをしっかりと考える習慣をつけるといいでしょう。
短期留学についての記事もありますのでこちらも合わせてご覧ください。