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【政治×学生】 今どきの大学生がインターネットの力で政治にイノベーションを起こす 政治をエンターテインするPoliPoliに注目

小野菜々子
2018/06/13

日本では若者の政治離れが問題になっています。しかし、現段階ではその課題に対して革新的なアプローチはされてきていませんでした。

そこに現れたのが学生起業家・PoliPoli。

彼らの政治に対する見事なアプローチは各方面から注目を集めています。そんな彼らは何を思い何を考えているのか。日本における次の伝説になるであろうPoliPoliの今後に注目です。

今回は、CEO 伊藤和真さんとCDO 山田仁太さんにゆるっと対談していただきました。

【プロフィール】

伊藤和真(いとうかずま) 株式会社PoliPoli代表取締役CEO。東海中高出身、慶應義塾大学商学部2年。F Venturesでアソシエイトを経験後、19歳で株式会社PoliPoliを設立。トークンエコノミーを用いた政治プラットフォームサービスPoliPoliを運営している。

山田仁太(やまだじんた)

株式会社PoliPoli最高デザイン責任者。灘中高出身、慶應義塾大学商学部2年。複数のベンチャーでインターンを経験後、伊藤らと共に株式会社PoliPoliを設立。独学でデザインを学び、PoliPoliのデザインを全て手がける。

PoliPoliとは何か?政治の世界にイノベーションを起こす

伊藤:

テクノロジーで国家システムを再構築することを目指しているスタートアップ企業です。そのプロダクトの一つがPoliPoliで、政治家と市民が良いことをいったら独自通貨がもらえるというシステムを導入しています。

政治家側は、良い発言をすることで新しい形で個人献金を受け取る事ができ、ユーザー側は良いこと言ったらトークン(貨幣の代わりとして使える価値のあるもの)が貰えるのでゲーム感覚で政治に参加できるようになります。

政治コミュニティは荒れやすい特性を持っていますが、トークンというインセンティブを設け誹謗中傷をしたらトークンが減らされ、信頼が下がるというシステムを入れて荒れないコミュニティを作っています。

――なるほど。

伊藤:

トークンエコノミーは新しいビジネスモデルで、これまではビジネス化が難しいとされてきました。

僕らのビジネスモデルは誰からもお金をとらず、そのコミュニティが盛り上がりトークンの価値が上がると僕らにお金が入ってくるという流れになっています。

――トークンエコノミーを使おうというアイディアはどちらから発案されたのですか?

山田:

もう一人の倉田(PoliPoliCOO・CTO 倉田隆成氏)が「閃いた!」ってアイディアを持ってきました。

伊藤:

急に「俺はこの世界を変えられる」って言ってましたね(笑)

山田:

その提案が原案となって現在の形に至っています。

――学生が政治に興味がないと言われているように、政治と学生の間には大きいスペースがあります。なぜ、政治に着目したのですか?

伊藤:

元は、スキャンダルが多く不透明な政治の世界にと漠然と不安を抱えている世代でもあり、政治に興味をそこまで持っていませんでした。

しかし、だからこそストレスが多く、大金が動いている分野である「政治」に対してテクノロジーの力を使ってベンチャーらしく課題解決をしようと思いました。

これまで、この分野に踏み出した人はいなかったので政治サイドからもベンチャーサイドからも驚かれることが多いです。

2人の出会いのきっかけは慶應、ではない

――そんな2人の出会いは?

山田:

実は、慶應生だから出会って一緒に起業したわけではないんです。1年生の9月にTech in Asia(アジア最大級のベンチャーコミュニティ)のイベントにボランティアとして参加したときに出会いました。

伊藤:

そうそう、初めて会った時からお互い「なんかおかしいやついる」って思ったよね(笑)

山田:

一緒に働いている倉田と伊藤が一緒にヒッチハイクをしていたらしく、「こいつすごいんすよ!」って伊藤についてプレゼンしているのを聞いて「ふーん、変わってるなぁ」と思いました(笑)

伊藤:

倉田が僕のプレゼンしているところ、聞いたことないんだよな。

山田:

君がいないとこで話してるからね(笑)

その時はそれで終わりなんですけど、お互いのめり込んでいたらスタートアップ・ベンチャー界隈のイベントで「あ、あいつまたいる」と何度か会う様になって今に至っています。

――では、お二人は出会うまでは何をしていたんですか?

伊藤:

高校の時は、東海地方のイキってる進学校でダンスしていました(笑)

高3で俳句にはまったのですが、投稿する場所がないと思い俳句アプリを開発をしようと決めていました。

そして、大学に入ったあたりからプログラミングを初めてアプリを開発していました。これが、結構人気のあるプロダクトになり毎日新聞に売却しました。この時に、新しいものを作ることの楽しさに気付きました。

また、山田と出会ったTech in Asiaに参加した後は、VCとしてひたすら働いていました。FVenturesは福岡のベンチャーキャピタルですが、東京の拠点にかなり投資をしています。それを自分1人に任せてもらえ、裁量権をすごい大きく持たせてもらえていたので楽しかったです。

――山田さんは?

山田:

高校時代は、ずっとツイッターをして、放課後は友達とずっとおしゃべりしていました。

でも、これ普通の高校生みたいですが、普通の灘生ではないんですよ。灘生はみんな授業が終わったら、東進の自習室に駆け込んでいくのが普通なので。

大学に入学してからは学術系のサークルに入ったのですが、学校内だけにとどまるのも嫌だなと思って、外に出てみようと思いインターンを初めてみました。

そして、Tech in Asiaに参加した後からこの業界にのめりこんでいきました。それまでは、テニサーでテニスもしていましたよ。

伊藤:

僕も、どうせ慶應にきたなら、慶應生っぽいことをしてみようと思いダンスサークルに入りました。ダンスは好きなのですがサークル自体にはいかなくなりましたね。

山田:

それで、気付いたらこうなっていました。

――二人とも、とりあえず慶應生を味わってみたんですね(笑)

PoliPoliの成長は彼らのコミュニティの拡大

――起業しようと決めてからはまず何をしましたか?

伊藤:

ちょうど市川市で選挙があったので、そのために簡単にアプリを出してみました。ノリでビラ入れまくろうぜって思って配りに行きましたが、そのビラはかなり余りました。

伊藤:

実はあれまだ残ってるよ。

なんもわからなかったので、とりあえずチラシじゃない?入れまくろうよ、みたいな。

山田:

みんな貰ってくれないので、最後はほぼばら撒いて歩いていましたね。

――なんで市川の選挙に目を付けたのですか?

山田:

KBCのビジコンの最終発表の1週間前に、ちょうど市川で選挙があったので、そこで数値を図ればいいんじゃない?と思ってはじめました。

伊藤:

その後ちょっとずつ動き出そうとなり、徐々に資金調達をはじめました。

ビットバレーを作った西川さん(株式会社ネットエイジバレー代表取締役・西川潔氏)という伝説の人がいるんですけど、僕はそのことを知らないまま最初は会いに行きました。

それで、ピッチをさせてもらって、投資していただくことが決定しました。それを他の人に話したら「よく会ってもらえたね」と言われました。

――伊藤さんはどういう経緯で会うことになったんですか?

伊藤:

ヒッチハイクしたときに、乗せてくれた人がスタートアップ界隈の関係者の方でその人に紹介してもらいました。

ーーそんな偶然があるんですね。

伊藤:

僕、強運なんですよね。

――そんな伊藤さんが起業してから一番苦労したことはなんですか?

伊藤:

これはもう、倉田とのコミュニケーションですね。

山田:

わかる。何を考えているのか、とか全く分からないので。

伊藤:

ヒッチハイクに行ってから、僕とずっと過ごしていくうちにで変になったんじゃないかと思ています。僕は割と器用な方なので、それをみて不器用な彼が頑張って独自路線にいっちゃてるんじゃないかと思います。

――そんな話を聞いていても、3人の仲の良さが伝わってきますね。

山田:

3人の役割が分かれているのがいいところです。もちろん業務の面においてもきちんと分業できているということがありますが、それよりも3人の性格がうまいことあっているんですよね。

伊藤:

学生の起業の醍醐味は利害関係ではなく、こうやって気の合う仲間と会えるというところがにあると思います。そういった感覚を持てていることが、自分たちのプロダクトにも合っているのではないかと思います。

山田:

学生がこのような活動しているということは印象が良く、応援されやすいんです。

伊藤:

そうそう、特にトークンエコノミーのように共感性の高いプロダクトと相性がいいと思います。

山田:

PoliPoli自体が、プラットフォーム型のコミュニティなので色んな人が入ってこないと意味がありません。なので、僕たちのような学生が周囲を巻き込んで、僕らのコミュニティを拡大させていくというイメージを持っています。

世界が変わる革命の中心にいるのが自分たち

――事業としては今後どう進めていく予定ですか?

伊藤:

toG(政府向け)に展開し、国家システムを作り変えたいです。

日本で政府向けに展開しているベンチャー企業は本当に一握りです。しかし、アメリカやエストニアを見てみると、スタートアップ企業が国と絡んでサービスを出している事例が多く存在しています。僕らはそういった展開をしていきたいです。

また、現在ポジションの取り合いが起こっている仮想通貨業界で一番のポジションを狙っていきます。

山田:

国を作り変えている、元からあるものが全く違うことに塗り替えられていく過程の中心にいるのが僕らだという事実にわくわくします。

伊藤:

シンプルに革命を起こしたいんですよね。革命起こしたくないですか?

――そんな質問人生で初めてされました(笑)でも、革命を起こすことのできる可能性があるというのはいいですね。

伊藤:

そうなんですよ!

コミュニティなので、ビジョンとかサービスの上で広げていくことはもちろんですが、会社の人間がいけてないコミュニティなら広まっていかないと思うので頑張ります。

――3人の中で良い基盤を作れていたら、自然とうまく進んでいきそうですね。

PoliPoliをどんな存在にしていきたいですか?

伊藤:

革命を起こした会社になりたいですし、伝説になりたいです。自分たちの価値観で自由に駆け抜けていきたいです。現代では、若くてもそういうことが可能なので、謙虚さを持ちながら、理想像を形にしていきたいです。

――お話ありがとうございました!

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