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頭の中がパンツで一杯の2人が”世界でいちばん透明なパンツ”を通して世の中に伝えたいこと

小野菜々子
2018/06/01

「パンツ」と聞くと、クスっと笑ってしまったり、なんだか恥ずかしい気持ちになる人が多いのではないでしょうか。しかし、このパンツはふつうのパンツとは一味も二味も違うんです。

なぜなら”透明なパンツ”だから。

そんなパンツというアイテムに注目し大真面目に考える2人から、彼らが透明なパンツに込めた思いやそこから連想される豊かな生活についてお話を伺いました。

クラウドファンディング開始からわずか3日で目標金額を達成した”透明なパンツ”とは何なのか?真摯に取り組む2人に迫りました。

【プロフィール】

高山 泰歌(たかやま たいが)

慶應義塾大学環境情報学部に在学中。19歳で株式会社ONE NOVAを設立してメンズアンダーウェアブランド「One Nova」を運営している。

金丸 百合花(かなまる りりあん)

慶應義塾大学総合政策学部に在学中。高校生の頃、バランゴンバナナに関する活動をしていた。現在高山と共に株式会社ONE NOVAを設立してメンズアンダーウェアブランド「One Nova」を運営している。

2人の思いをやわらかく届ける”パンツ”

――なぜお二人は”パンツ”で起業しようと思ったのですか?

高山:

自分自身は、中学生の時から起業したいと思っていたのでそのための環境の整ったSFCを目指し、その時に通っていた塾で同じくSFCを目指していた金丸と出会いました。

大学受験終了後に、その塾で二人とも合格者アルバイトとして働いていました。金丸とは仲が良かったので、たまたまシフトがかぶった時にラーメンを食べに行こうと誘いました。

金丸:

「ラーメン奢るから一緒に起業しない?」と誘われて、ラーメンおごってくれるならいっか、と思い一緒にラーメンを食べに行き、起業することになりました。

私は、高校生の時からフェアトレードのバナナに関する活動をしていたこともあり大学に入るタイミングで何かよりインパクトのある事をしたいという漠然と考えていました。

しかし、具体的に何がやりたいかは決まっておらず、もやもやしていたところに誘われたので二つ返事でOKしました。

――そこから2人で起業することになったのですね。

高山:

はい、そうです。自分は、高校時代からエシカルファッションに興味を持っていました。エシカルファッションのエシカルとは”倫理的な”という意味です。つまり、良識にかなって生産、流通しているファッションのことを指します。

エシカルなブランドを立ち上げたいと思いアイテムを考える際に、Tシャツなどのアイテムだとありきたり感が生まれたり、エシカルファッションが持っているまじめな感じが生まれてしまうのが嫌だ、と思っていた時にぱっと「パンツ」が浮かびました。

パンツ自体がユニークでポップなアイテムなので、良い意味で”エシカルっぽくない”な、と。

金丸:

エシカルファッションを主張しすぎると、「ああ、そういう系ね」と一括りにされてしまい、真面目なことやってるな~と思われてしまう可能性がありました。

その点、パンツはそのアイテムだけで、人の興味を引くことが出来るんです。そして、パンツを通すことで丁度良く私たちの考えや思いを伝えることが出来るんです。

高山:

あと、SFCには「誰誰と言えば〇〇」といったアイデンティティを持っている人が多かったので、自分もそのアイデンティティが欲しいと思いました。今は、高山と言えばパンツ、となってるのかな(笑)

金丸:

なので、初めから「パンツで起業しよう」と思っていたわけではなく、二人で起業することにしてから”パンツ”というアイテムに私達自身惹かれていったという感じですね。

全てを赤裸々に伝える”透明なパンツ”

――パンツを作るうえで”透明なパンツ”をキーワードにされていますよね。お二人の考える”透明なパンツ”とはなんですか?

金丸:

通常、衣服は完成されたものが自分の手元に届き、その裏にどのような工程があるのか明らかになっていない部分が多いです。どうやって作られているのか、どうしてこの値段になるのか、などを素直に伝えることでパンツの見え方が変わってくると思います。

高山:

誰が、どこで、どのようにという製造工程まで全て明らかに透明にすることで、お客さんが自発的に色んなことを考え、学ぶきっかけになってほしいなと思います。

――製造工程を明らかにすることは新しい発想ですね。だから、”透明”なんですね。

高山:

日本全国色々なところにお願いして、服作りに協力してもらっています。自分たちも、それぞれの工場や関わってくれている人に会いに行ったのですが皆さんとても暖かく迎えてくれました。

そういうところも自分たちがちゃんとパンツを買ってくれる人に伝えていかなくてはと思っています。

金丸:

そうですね。実際の製造工程を見て、本当に人が作っているんだなというあたり前の事実に気が付きました。ものづくりには色んな人が関わっているという現場を実際に見ることが出来てよかったです。

――これまで、見えていないところを見えるようにするということですね。

金丸:

そうです。ALL YOURS(株式会社オールユアーズ 高山さんと金丸さんのインターン先)の方から最初から最後まで徹底的に”透明”にこだわった方がいいと言うアドバイスを頂いて、クラウドファンディングのページの作成過程から公開することにしました。

クラウドファンディングで成功するコツとは?

――クラウドファンディング、大成功ですね。

高山:

クラウドファンディングは自分たちにぴったりのプラットフォームでした。ある程度の資金は既に調達していたので、とにかく自分たちのことを知ってもらうために開始しました。

金丸:

クラウドファンディングを通して、私たちが思っている以上に私たち自身について興味を持ってくれる人がいるということに気が付くことができました。

―――これからクラウドファンディングをしたいと考えている人にアドバイスするとしたら?

高山:

とにかく根回しが大事です。いちばんの成功要因は、いかに始める前に認知してもらうかというところにあります。

自分たちは、500人分のリストを作り個人的にメッセージを送って「クラウドファンディングを利用してこんなことをします」と始める前から情報を流していました。

そして、作成中のプロジェクトページもSNSを通して公開し、多くの方々からフィードバックを頂きながら共にプロジェクトページを作成していくことができました。

きちんと自分たちのしていることを伝え、知ってもらい、興味を持ってもらうことに力を注ぎました。

金丸:

公開の日にはオフィスでイベントを行い、バナナジュースを振る舞い、公開までのカウントダウンをしました。

そのかいもあって、3日で目標金額を達成することが出来ました!

――お二人とも周りを巻き込むパワーがありますね。

金丸:

高山は、良いことも悪いことも思ったことをすぐ口に出すんです。本当に素直で、そういうところが信頼を生み、安心感をみんなにもたらしているんだろうなと思います。

足りない部分は補い合う お互いに信頼しているからできること

――男女ペアで起業しているところはあまり多くないですよね。お二人で働いてみて感じることはありますか?

金丸:

私は、感情が豊かというか、他の人の気持ちによく気づき共感する事が多いです。だからこそ、商品に込めたストーリーを伝えたりすることは自分の方が得意だと思っています。

しかし、論理的に考えることは苦手なのでそこに関しては高山に任せています。

高山:

自分たちは上手く分業できていると思います。

金丸にそういった面は任せて、バックオフィス関係の仕事は自分がやるようにしていますね。

また、自分たちが扱っている商品は男性のインナーアイテムでデリケートな物なので普通だったら女性は敬遠するというか、関わる機会もない馴染みがないものです。

そこで、金丸と協力して女性でも親しみやすいようなブランドにしたいと考えています。もし、自分が男同士で組んでいたら変に男っぽさが出てしまいこの色やデザインにはならなかったと思います。

商品の写真を撮影する際、金丸の知り合いのモデルに協力してもらったのですが、上裸の写真は一枚もありません。上裸にするとどうしても男っぽさが出て、女性は見づらいと思うので気を遣いましたね。

金丸:

自分が女性であるからこそ、男性には見えない部分や気づくことのできない本質などに気付くことが出来るように、男女が一緒に何かを作るからこそ足りない部分を補うことが出来るんだと思います。

――なるほど。

高山:

今日どんな下着を身につけているか答えられる男性はほとんどいないんじゃないかな。

金丸:

先ほど述べたように、パンツは一番肌に長く触れているものなのにこだわって選んでいる人が本当に少ないんです。

けれど、私は自分にしか見えないもの部分をちゃんと自分のために選ぶことや、生活の中にそのような時間があることはとても素敵で、生活が豊かになるきっかけになると思っています。

だからこそ、どんなに忙しくても自分のためにものを選ぶ時間を持ってもらいたいなと思います。

――いまの時代に大切なことですね。お二人の熱い思いがパンツを通してより多くの人に伝わるといいなと思います!

キャリア選択にヒントを!

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