「トップを目指す“志”と、泥臭く挑戦する“根気”」 早大サッカー部からシリコンバレーへ渡った、 CEO 伊藤氏の勝負強さの秘密とは?
2月に資金調達が発表され、運営中の『EveEveチャンネル』は月間3,000万回の再生数を誇るなど、Youtubeマーケティングでも話題を集めるMarket Drive。
完全審査制の恋活アプリ『イヴイヴ』を中心にスマートフォン市場を軸とした事業を展開しています。
今回は、そんな注目のMarket DriveでCEOを務める伊藤氏にインタビュー。 イヴイヴが日本最大級の完全審査制恋活アプリになるまでの苦労や道のり、伊藤さん自身のルーツを聞いてきました。
プロフィール
伊藤 太 氏
愛媛県松山北高校出身。早稲田大学ア式蹴球部OB(サッカー部)。早稲田大学在学中にシリコンバレーのVCでのインターン後、スポーツ系のスタートアップを株式会社ookamiを創業。スポーツメディ ア”Player!”を手がけ、App Store 2015 ベストアプリに選出。
事業がシリー ズAの投資を受けたタイミングで退き、2016年株式会社Market Driveを創業。
社会課題を解決するために生まれた『イヴイヴ』
ーー伊藤さんは『イヴイヴ』という完全審査制の恋活アプリを運営されていますが、なぜこのサービスをやられているのでしょうか。
社会の課題を解決するのが起業家の仕事だという風に考えているのですが、「一番大きな課題は何か」と考えた時に、『少子高齢化』がとても大きな課題だと考えました。
そこで、私たちは『少子化』に絞って解決策を考えた時に最終的な成果、つまりゴールは子どもが生まれることだと思いました。
私は「成果=量×質」だと思っていて、「質」を良くしていくことは、政府側が力を入れて取り組んでいます。例えば、「助成金を出す」「保育所の増設」などを行っていて子どもを育てやすい環境を整えることに注力しています。
であれば、私たち起業家は「量」つまり、出会いの数を増やす、出会いの場の提供をしていこうと思い、この領域に参入することに決めました。
ーーそして現在は、国内最大の審査制、婚活・恋活アプリとしてユーザーに価値を提供していらっしゃいます。今日はイヴイヴが立ち上がるまでのエピソードや、伊藤代表ご自身のルーツについて伺っていきます。
大学サッカーで挫折。起業に最適な環境を求めてシリコンバレーへ
ーーMarket Driveは2社目の起業ですが、伊藤代表は就職せずに起業していますよね。学生時代は何をされていたのですか?
まず大学に入る前のルーツから話すと、兄の影響で物心ついた頃からサッカーをやっていました。
私は愛媛県松山市の出身なのですが、サッカーをする環境は整っておらず、「やるかやらないかは自分次第」という、どちらかというとゆるい環境だったんです。
ーーでは、大学時代まで日本代表を目指しサッカーを続けていた伊藤代表が、なぜ起業の道を選択されたのでしょうか?
日本代表を目指し練習に励んできたので、インターハイにも出場する事が出来、早稲田大学進学後もサッカー部に入りました。しかし、結局花開かず大学時代に挫折してしまいました。
そんな中、2008年にリーマンショックが起こり、当時IBMの最高顧問だった方が「今、日本に10兆の会社が3社くらい出来たら、このリーマンショックはなくなる」とおっしゃっていて。
その言葉にすごく影響され、「私も10兆の会社を作りたい」と思ったのがきっかけです。
ーーそうだったのですね。
その言葉に影響を受けて、今までのサッカー経験をもとに起業について考えてみました。
まず考えたのは「もしサッカー人生をやり直せるとしたら、自分は“どこで生まれていれば”プロサッカー選手になれたのだろう」と考えました。
結果、「スペインのバルセロナで生まれて、サッカーをするのに最適な環境でずっと練習をしていたら、トップクラスではなくとも、プロサッカー選手くらいにはなれたのではないか」と思いました。
なので、自分が起業をする時にはどの環境で学ぶのが最適なのかというのを考えて、“起業でいうバルセロナ”を求めて、大学生のときに起業のトップと言われていたシリコンバレーに行き、インターンを経験しました。
ーー具体的にシリコンバレーでは何をされたのですか?
VC(ベンチャーキャピタル)でインターンをしていました。
VCは起業家に投資することが仕事なので、多くのスタートアップが生まれる瞬間に関わる事ができ、その時に見たスタートアップがほとんどIT関係だったので、「これからITがくるんだ」と思いました。
特にITの“スケールの大きさ”を知った時には驚きました。
大学時代、スポーツイベントを運営していたのですが、イベント系だとスケールを大きくさせるのが難しいと感じていました。
しかし、IT技術を使えば一気にスケールを大きくさせることが出来ると知り、これは面白いと思いました。
そして帰国後、まずはエンジニアリングの勉強をしなければいけないと思い、最初は独学で勉強した後、スタートアップ企業でエンジニアのインターンを経て、株式会社ookamiを立ち上げました。
株式会社ookamiで開発した“Player!”は自分が好きなスポーツのアプリで、App Store2015のベストアプリに選出されました。その後、現在の株式会社Market Driveを立ち上げ、今に至ります。
幾つもの困難と、それを乗り越えた“仲間”の存在
ーー会社を立ち上げてみて、ぶつかった壁はありましたか?
多々ありますね(笑)
アプリリリース前に大変だったのが、エンジニアの方をなかなか見つけられなかったり、リリース日に間に合わせるために何日も徹夜をしてサービスを作ったり。
あとは当時つくっていたアプリが相席アプリだったので、「安心かつ安全に」アプリを使えるようにインターン生と一緒に飲食店にアポをとっていたんですね。
その時は1日100件のテレアポをしていたので、1か月で120店舗くらい決まって、そのおかげで屈強なテレアポチームが出来上がりました。
正直その時は「この営業部なら何でも売れる」と思いましたね(笑)
しかし、相席アプリは多くの母数が必要だからやめようということになり、テレアポを頑張ってくれたインターン生に対して「ごめん、間違った!」と謝り、すぐに方向転換しました。
他にも、今でこそYoutubeのマーケティングなどに注目していただいていますが、実はマーケティングでもたくさん失敗しています。当時は「アルフォート戦略」という施策も実行したことがあります。
アプリリリース当初、男性は想像以上のダウンロード数があったのに対し、女性のダウンロード数が伴いませんでした。
そこで「ダウンロードしてくれた人にお菓子を配る」という戦略をたて、色々なお菓子を試したのですが、アルフォートの効果が絶大でした。
今考えると稚拙なマーケティングだったなと思いますが、そのぐらい泥臭くやっていました。
ーーそのような数々の困難を乗り越えられたのはなぜでしょうか。
結果的に壁を乗り越えられたのには2つのポイントがあると思っています。
1つ目は“戦略と戦術が決まったら、絶対にやり切ることができた”ということ。そして2つ目は“屈強なインターン生がたくさん残って、今、社員になってくれた”ということです。
同じ方向を向いて一緒に戦ってくれるインターン生はもう「仲間」ですよね。
ーーなるほど。その仲間と一緒に目指している目標はありますか?
今後はデーティングの領域で、世界でトップをとっていきたいと思っていて、時価総額100兆円規模の会社をつくりたいと考えています。
世界でトップをとるということは、多くの人々が喜んでくれた結果だと思うので、そのような多くの人々が喜んでくれるサービスをつくりたいです。
トップを目指し続ける“原動力”
ーーサッカーでは日本代表を目指し、起業でも世界でトップを目指していらっしゃいますが、伊藤代表がトップにこだわり続けることができるのはどうしてなのでしょうか。
振り返ってみると、物心ついたときからそうだったかもしれません。
実は大学受験の時も、高校3年生の夏までほとんど勉強したことが無く、当時偏差値が39.2でした。
部活ではインターハイに出場し、学校行事も大好きなのでそれらが全て終わる9月末にやっと勉強し始めたのですが、「どうせやるなら日本一やりたい」と思いました。
日本一やるなら、24時間のうち6時間は睡眠で、残り使える時間は18時間。
「その18時間をいかにして使うか」というのもタスクを全部切り分けて、ひもで縛って椅子から動けないようにして(笑)4か月間頑張った結果、早稲田大学に合格しました。
高校の先生方から「合格は無理」と言われていましたが、合格後は「君は学校始まって一のミラクルだ。」と言われました。
なので「やり切る」ことであったり、「どうせやるんだったら全力で頑張る」という精神はずっとあったと思います。
現在でも、その精神は大切にしています。
迷っているならやらない方がいい。やるなら早い方がいい。
ーー最後に起業やスタートアップに興味がある学生さんにメッセージをお願いします。
私は「やるかやらないかで迷っているんだったら、やらない方が良い」と思っています。
なぜなら、勝負というものはやっている人達だけの戦いだからです。
どちらかというと「迷っているならやった方が良い」とよく言われると思いますが、私はそのくらいの中途半端な志で始めてしまったら、ほとんどの人たちが途中で諦めてしまうと思います。
なぜなら、起業は簡単ではなし、甘い世界ではないからです。
でも、本当にやるんだったら、本気の覚悟でやるべきだと思います。
ちなみに付け加えると「やるかやらないかで迷うんだったらやらない方が良い」というのは、つまり「やった方が良い」ということです。
それはどういう意味かというと、その迷っている時間がもったいないので、覚悟を決めて早く始めたほうがいいんですよね。
学生の時にやるかやらないかをずっと迷っている人は、大人になっても「起業したいんだよね」と口にするだけです。
先ほども話したように、甘くはないですが、その迷っている時間はとてももったいないので、学生だったらやった方が良いと思います。
ーー素敵なお話、ありがとうございました!
素敵なサービスを更新し続ける株式会社Market Driveの各リンクはこちら
◇会社HP◇
◇事業内容◇
アプリケーション事業部
アフィリエイト事業部
https://matchapp-navi.com/matching-app-matome/
https://gekkan-ma.jp/matching-apps-formen/
プログラミングスクール事業