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【若手起業家対談】右脳派と左脳派、対称的な2人? 注目の若者向けサービスを司る。 ’96世代 2人の素顔と共通点

三田枝見
2018/03/23

プロフィール

山口翔誠(やまぐち・しょうせい)

株式会社picon CEO 兼 デザイナー。大学は早々に中退し、エンジニアやデザイナーとして広くインターンを経験する。株式会社piconを創業し、2017年11月には「Youtubeを見ながら遊べる通話アプリ - Talkroom」をリリース。

井手康貴(いで・こうき)

Flatt株式会社CEO。東京大学在学中。2016年にはメルカリでエンジニアを経験。サーバーサイドエンジニアとしての経験から、GoCon(Go言語のカンファレンス)の登壇者でGoのコントリビューターも務める。2017年5月よりFlatt株式会社を創業。10月にはライブコマースアプリ『PinQul』をリリース。

目次

  • 「ものづくりをしたい」都会にでてきた青年が描いた夢
  • 日本に危機感を覚え、政治家から起業家を志すように
  • 論理的×感覚的。対照的だがお互いを認め合う関係
  • それぞれの目的を達成するため、立ち上げたサービス
  • 『世界』を感じながら、それぞれの道へ
  • まとめ

Youtubeを見ながら遊べる通話アプリ『Talkroom』を2017年11月にリリースした株式会社piconの山口翔誠氏と、ライブコマースアプリ『PinQul』を同年10月にリリースしたFlatt株式会社の井手康貴氏。

若手起業家の中でも注目度の高いお2人は、共に株式会社Gunosyの福島良典氏や株式会社CandleのCEO・金靖征氏を輩出した、東大起業家サークルTNKの先輩後輩どうしでもあります。

そんなお2人は、どのようなルーツを経て現在に至るのか。これからの展望や目標はどんなものなのか。JEEK NEWSがインタビューしてきました。

「ものづくりをしたい」都会に出てきた青年が描いた夢

ーー早速ですが、どのような経験を経てお二人が現在に至ったのかを教えてください。

山口:まず僕は、大学進学を機に上京してきたのですが、学校は2ヶ月ほどで通わなくなりました。

大学は文系学部だったのですが、アナログな授業を聞くよりも、入学祝いに買ってもらったMacBookをいじるのが楽しくて。

気が付けばインターネットで何か「ものづくり」をしたいと思いながら家に引き篭もるようになっていました。

同じような仲間に出会いたいと思い、東大起業サークルのTNKや慶應の起業支援団体であるKBCのビジネスコンテストに参加したりもしました。

ビジコンに出ていた時は、「プロダクトを作っていないのにアイディアが評価された」のですが、その後、いざ実際にプロダクトを作ろうと思っても全然作れなくて。

それが悔しくて、実際のスキルを身に付けるためにインターンをはじめました。

いざ、ITの世界に入ってみて、自分の携わったプロダクトが実際に使われているところを見て震えたのと、サービス自体は意外と簡単に作れるんだなと思いました。

そこから2年ほどインターンを経験した後に起業し、現在に至ります。

ーー起業に至ったきっかけは何だったのでしょうか?

山口:僕は昔から「ものづくり」が大好きで、小さな頃から「発明家になりたい」という夢がありました。

その中で「インターネット」に出会い、この大きな変化の中で何か新しいモノを作りたいと思うようになりました。

ただ、「ものづくり」が出来るのであれば、事業会社に入っても起業してもどっちでもいいとは思っていて。

あえて起業を選んだのは、自分の入りたかった事業会社に入るには、あと3年も大学を通わないといけなかったのと、ちょうど同じタイミングで、同世代で最も尊敬する渋谷(=株式会社picon COO・渋谷幸人) が「起業する」と言っていたことが1番の理由となりました。

ーー山口さんを突き動かしている、「発明家になりたい」というのはどうして思うようになったのですか?

山口:保育園の頃に「これから先の人生を自分は何のために生きていくのか」という哲学的な問いを漠然と持っていました。

ちょうどその頃に、母親が読み聞かせてくれた「ライト兄弟」や「エジソン」の伝記に触発されて、自分も社会を少しでも前進させるような発明を残す人生を歩みたいと思うようになりました。



あとは、小学校や中学校の図工の時間に作ったものがよく周りの友達や先生に評価されることが多くて、それが嬉しくて。

「自分にしか作れない何かをつくる」という、ものづくりの魅力に惹かれていったのが理由です。

日本に危機感を覚え、政治家から起業家を志すように

井手:僕は高校時代から日本に危機感を持っていて、「政治家になりたい」、「政治から日本を変えていきたい」と思い、実際に政策を作って持っていったりしていました。

その時には18歳選挙権を実現させるための活動が実を結んだり、自分の中で満足の得られる結果になったこともあった一方で、「何か違うな」という違和感も感じるようになったんです。

政治は結局票があることが大切で、自分1人の意見では何も変えることができません。スピード感なども踏まえて、政治はしんどすぎる。

それよりもプロダクトで変えた方が早いな、と。

なので、プロダクトを作るために、大学に入ったら起業しようと決めていました。

1年生の時は東大の起業サークルであるTNKに入り、その後はFiNCとメルカリのインターンを経て、2017年に起業しました。

ーー日本に危機感を持つようになったきっかけはなんだったのでしょうか?

井手:授業で、少子高齢化や農業の国際競争力の減少などを勉強するじゃないですか。

その中で「自分だったらこういう政策を打ちたい」というものを友人とぶつけ合っていたのですが、学校では政治の話がタブー視されていて話しづらかったんです。

なのでそのころから政治家の方に会いに行くなどのアクションを起こすようになりました。

そのなかで、日本の政治やそもそもの世の中の構造の歪みを感じ、それを直していきたいなと思うようになりました。

中でも、学校で政治教育がないために思考停止してしまっている人達に危機感を感じて行っていた「18歳選挙権」の運動をしていたころの経験も大きく影響しています。

論理的×感覚的。対照的だがお互いを認め合う関係

ーーそんなお二人ですが、東大起業サークルのTNK、そして株式会社FiNCでのインターンで一緒に活動した経験があるそうですね。お互いの印象はどうでしたか?

山口:井手君は、優秀さがすごく目立っていましたね。

TNKはある程度の倍率がある選考を突破したメンバーが入ることができます。

その中でもだいたい優秀なメンバーが次の代の代表になるのですが、初期に集まった段階で「彼は次の代表になりそうだな」というメンバーの候補の中に入っていました。

僕自身は後輩が入ってきたタイミングで辞めてしまったのですが、「井手君とはまた会いたい」と思うような後輩でした。

ーーそれは何が要因なんですか?

山口:やっぱり、物事を論理立てて話を進めていけるところですかね。

僕は結構「右脳的」というか、感覚に従って行動することが多いのですが、井手君は論理的に、「最短で」突っ走っているなという感じがしますね。

FiNCのインターンで一緒にエンジニアをやっていた時も、彼は書いたコードで評価されていたのですが、僕のコードはそこまで評価されていないと感じ、社内でフリースタイルラップをして評価を集めていました。

井手:それはそれですごいと思いますけどね?(笑)

翔誠さんは、TNKの時から異彩を放っていましたね。突拍子も無い感じでした(笑)

TNKでビジネスコンテストをやるのですが、前日まで全然違う案で進めていたんですよ。なのに当日全く違うアイディアを持ってきて。

普通は、当日までに少し修正する感じなのですが、テーマごと入れ替えていました。

しかもビジコンではだいたい、固いテーマで課題解決をするようなプロダクトが多いのですが、翔誠さんのところは「エンターテイメント!」みたいな感じでしたし。

そういうところはすごいなと思っていましたね。

あと、先ほどご自身で「右脳的」という話もしていましたが、個人的には感覚派は強いと思いますね。

コミュニティーサービスって、例えばTwitterと同じ機能のものを作っても全然同じ使われ方をしなかったりすると思いますし、再現性がないように思えてしまうので僕にはできないなと思います。

なので、翔誠さんの感覚は単純にすごいなと思います。

それぞれの目的を達成するため、立ち上げたサービス

ーーそこから色々な経験を経て、起業をされました。お二人はなぜ今のサービスをやることにしたのでしょうか。

山口:自分達がやるべき領域でプロダクトを作りたいなという思いがありました。

僕は昔からインターネットが大好きで、2chやmixiといったサービスは僕にとって「第二の居場所」でした。

そんな「コミュニティ」だとか、人との「コミュニケーション」の機会をくれたSNSにすごく感謝していますし、だからこそ、これからの世代にとっての居場所を僕が作ってあげたいという思いもありました。

また、SNSという領域においては、自分達の若さが何よりも武器になると考えています。

サービスを届けたい若者達のとにかく近くに居続け、僕達にしか出来ないやり方で本当に価値のあるプロダクトを作っていきたいと思っています。

井手:僕は、コマースをやりたかったからですね。

日本経済を憂いているのに、数千億円の売り上げの会社で満足していたらだめだと思っているのですが、そうすると目指しているところが明確に見えてくるので、そこから逆算して可能性があるビジネス領域を選定しました。

上位を見ていても「コマース」「決済」「広告」などの領域や、それらを組み合わせたものは展開できる可能性も大きいですし、強いと思います。

ものの購買行動の変化も起こっていますし、別軸ではテキストから写真→動画というように、体験がリッチになっていくというのは不可逆です。

これらのあらゆることが合わさったのが、このサービスに決定した理由です。

『世界』を意識しながら、それぞれの道へ

ーー日本経済を変えるという目的に向かって最短でひた走る井手さんと、発明家の夢を愚直に追いかける山口さん。お2人にとって、お互いはどういった存在なのでしょうか。

山口:僕は井手君より一個年上なので、まずは井手君が僕よりもTwitterのフォロワー数が多いのが気にくわないと思っています。

井手:(笑)

山口:というのは冗談ですが、真面目なことを言うと、僕は日本に1つでも面白いプロダクトが増えればいいなと思っているので、「ライバル」という意識はあまりありません。

海外などを見ていると、日に日に面白いプロダクトが誕生していて、羨ましいなと思う毎日です。

そういう点で言うと、僕らの若い世代がもっともっと面白いプロダクトを作っていかなければいけないという使命感があるので、切磋琢磨しながら一緒に頑張っていきたい存在ですね。

井手:僕も本当に同世代ということを意識しないタイプなので、少し年上ですがクラシルの堀江さんやProgateの加藤さんなど、すでに世界を見据えて活躍されている方を同世代だと思って目標にしていますし、そういった方々に勝てるようになりたいなと思っています。

翔誠さんはまだ友達って感じなので、お互いもっとサービスや会社を大きくしていった時に意識していく存在になるのかなと思っています。

ーー最後に、今後の展望をお願いします。

山口:Talkroomは、人と人とがより簡単に繋がって、より多くの時間を共有できる世界を作りたいと思っています。

家の中のリビングやお茶の間のような、それぞれが好きなことをしながら、ずっと一緒にいたいと思えるような空間をデザインしていきます。

いつかTalkroomで映画を見たり、YouTubeを見るのと同じように、ライブコマースを見るという時代も来るかと思います。

その時は是非PinQulと一緒にやりたいですね(笑)

ただ、会社としてはとにかく「人が欲しがるモノを作る」というのが使命なので、Talkroomが求められていないと感じたら、すぐにでもピボットをして、また新しいサービスを「発明」します。

井手:10年以内に国内No.1コマースになります。

最初から全部うまくいくとは思っていないので、いい失敗をしつつ、最短でそこにいければいいかなと思っています。

人に恵まれているので、できるかなと。

ーーお2人のますますの活躍に期待しています!ありがとうございました!

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