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メルカリ元執行役員と、注目を集める4社のCEOが語る 「スタートアップのリアル」

三田枝見
2018/03/06

前回大盛況だった、スタートアップ企業4社が登壇し「求める人材」や「サービスの作り方」などをディスカッションしたイベントの第2弾が開催されました。

今回は、メルカリの元執行役員である柄沢氏をモデレーターに迎え、アプリケーション分野で今後さらに市場を開拓していこうという段階にあるスタートアップ企業4社のCEOがディスカッションを行いました。

本稿では、そのイベントの様子をお伝えいたします。

(登壇者プロフィールは後述)

メルカリ柄沢氏が語る、「今、スタートアップにジョインする理由」

イベントでは、本イベントのゲスト/モデレーターであるメルカリの柄沢氏が、「今スタートアップにジョインすべき理由」というテーマで登壇されました。

柄沢:メルカリの柄沢と申します。よろしくお願いいたします。

今日は、「今スタートアップにジョインすべき理由」について話をさせていただきます。

今日来ていただいている方はみなさんエンジニアということなので、エンジニアの方寄りのお話をできたらと思っています。

3つ簡単にお話させていただきたいのですが、まず初めに、スタートアップで自分たちがプロダクトを作るにあたって、「もっとも楽しい部分はどこか」というのを2つあげました。

1.お客さまとの「距離」

1つ目は、開発者とお客さまとの「距離」です。

スタートアップは、お客さまとの距離がすごく近いです。

『クロコス』という会社を立ち上げた当時 (2011年2月創業、2012年8月にヤフー株式会社に売却) 、Facebookのソーシャルマーケティングアプリをやっていたのですが、最初の数十名のお客さまにはFacebookグループに入ってもらい、リリースのたびにコメントをもらって改善していました。

お客さまが自分たちのサービスをどのように思うのかを直接活かすことができるのは、小さい会社、小さいチームでやるからこその醍醐味だと思っています。

2.「ケツまで責任を持つ」経験

2つ目が、『頭からケツまでの責任』が自分たちに降りかかってくることです。

プロダクト作りの意思決定のサイクルはもちろん、小さい会社だとコーポレートの機能も全く備わっていない状況が多いと思います。

なので、採用も面接調整もオンボーディング(自分たちの会社にキャッチアップしてもらうまでのプロセス)もします。

「何もない状態」で仕組みを作るところから自分たちで始めることは、成長という観点から見てもエキサイティングなことではないでしょうか。

『ケツまで責任を持つ』というところでいうと、昔、開発のメンバーでテーマパークに行ったことがあったのですが、アトラクションの行列に並びながら障害対応をしたことがありまして。

会場:(笑)

あのときは一番「自分たちでサービスを運用しているな」っていう感じがありましたね。

並んでいる時にアラートが飛んで来て、「やばい!」って言いながら、なんとかやりました。

大きい会社にいても、もちろん自分が責任を持ってやらなければいけないこともありますが、色々と職務が分かれているので、最悪誰かがやってくれる、ということもあると思います。

でも、スタートアップだとそれが全部降りかかって来る。で、その時の原因がだいたい自分のスキル不足なんですね(笑)

自分でバグを直しながら学んでいって、成長しながらサービスを運用していくのは面白いかなと思いますね。

3.お金持ちになることで、自分の選択肢を増やす

3つ目、これが一番大事な話かなと思うんですけれども、「お金持ちになる」ということです。

会場:(笑)

ここでの「お金持ちになる」というのは、華やかな生活をするとか、豪華な車を買うという話ではなくて、挑戦の幅や、自分のこの先の可能性をつくっていくための一つの手段だと思っています。

スタートアップで創業者であれば当然株がありますし、ある程度成長した会社であればストックオプション(=株式会社の経営者や従業員が自社株を一定の行使価格で購入できる権利)のような仕組みもあります。

単に自分で働いたお金が給与として入ってくるだけではなく、会社の成長にコミットすることで会社自体の株式の価値があがり、それだけのお金が得られるんです。

先ほど、『自分でケツを持つ』という話もしましたが、そういったことを通して自分自身が成長しながら、プロダクトも成長する。うまくいけばイグジットで買収される。

それによってインセンティブは「価値」に変わるということも起こります。

そうなれば、次の挑戦の際に選択肢が増えますし、今までの成功体験を活かすということもできるのではないかと思っています。

例えば、自分で作りたいWebサービスやアプリやデバイスがあったときに、普通のプロセスであれば、何もない状態から、親や親戚や、あるいはエンジェル投資家からお金を借りるなどして、運営資金を集める必要があります。

しかし一度成功してお金が入っていれば、2年くらい収益がなくても会社が運営できる状態を作ることができますし、成功したときに、他の社員に返せるインセンティブもさらに大きくなります。

投資家の方からお金を入れてもらった時は、投資家の方に渡した株式のパーセンテージが高くなればなるほど、自分たちが成功した時の持分は減ってしまいます。

なので、「いかに自己資金で続けられるか」というところはすごく重要なところで、次の挑戦の選択肢を増やすことにも繋がると思います。

また、別に会社を作らずに他の会社に転職するというときでも、1からやった経験を持っているエンジニアは、他の会社でも潰しがきくことが多いです。

まあ、今の話はある程度成功バイアスはかかっていて、「成功しなければダメじゃないか」という意見もあると思いますが、それも自分で活躍の幅も決められるので、得られるものはかなり大きいのではないかと思っています。

まとめると、

スタートアップにジョインして、実際に自分で意思決定をしながら開発する環境で、エンジニアとして圧倒的に成長する

→チームとして、プロダクトを成長させる

→お金持ちになって、様々な選択肢が生まれて、さらに次のチャレンジができる

という感じです。

各社のサービス内容と、それぞれの「今」

そして、イベントでは4社のスタートアップ企業のCEOが登壇。現在行なっているサービスの説明・そのサービスをやることになったきっかけなどをお話いただきました。

金村:まず初めに、各社紹介をしていただきます。まず、App Brew(アップブリュー)さんお願いします。

深澤:App Brewの深澤と申します。App Brewはコスメのコミュニティアプリの『LIPS(リップス)』というサービスをやっています。

LIPSというサービスは、コスメの口コミサービスなので、@cosme(アットコスメ)さんが大きくいる業界なんですけれども、データベースというよりは人を軸にして、「コスメのコミュニティー」という形をとっています。

なので、コスメに特化したInstagramのようなものを作ってアプリとして出しています。

リリースから約1年たちまして、ダウンロードは約60万、口コミ数もそれなりに溜まってきています。チームもちょうど大きくなり、積極的に採用しているフェーズになっています。

金村:続いて、FOWDさんお願いします。

久保田:FOWDの久保田です。弊社は去年の6月に創業しまして、7月から『Balloon(バルーン)』というチャットフィクションのアプリを提供しています。

昔でいうと、『魔法のiらんど』やDeNAの子会社の『エブリスタ』に近いような、ユーザー投稿型の携帯小説をやっています。

ここで色々なITを作ったり、他社さんと一緒にシナリオを作っているのですが、それをメインに、ゲームや映像など、他の分野もやっていけたらなと思っています。

僕がもともと前職でコロプラの人事をやっていたということもあり、採用を結構頑張っている会社です。

新卒も今年の4月に入ってきますし、委託のエンジニアを入れると20名〜25名くらいの規模になります。

金村:ありがとうございます。LOGICA(ロジカ)さんお願いします。

松永:初めまして。株式会社LOGICAの松永と申します。LOGICAは今、仮想通貨のポートフォリオ管理ツール、Coinboard(コインボード)を提供しています。

この中で仮想通貨を買ったことがあるという方はどれくらいいらっしゃいますか?

仮想通貨を買うのにハマると、色々な取引所を使うようになるのですが、いちいちログインして確認するのは面倒ですよね。

そこで自動でうちのサービス上に集めて、いつでも簡単にチェックできる、というようなサービスをやっています。

基本的には、僕個人が面倒くさいことが嫌いなので、「色々な面倒くさいことを楽にする」という軸でサービスを作ってきました。

今は投資向けなのですが、今後は仮想通貨を使う上で今後面倒くさくなるだろうなというところに対して課題を解決するプロダクトを作っていきたいと思っていて、Coinboardはその第一段、という位置づけです。

今は、委託を含めると結構いるのですが、フルタイムでやっている社員のメンバーは僕しかいません。

CEO(最高経営責任者)はChief Executive Officerの略ですが、僕はChief Everything Officerみたいな感じで、大変で死にかけているところです(笑)

金村:弊社はフラミンゴという会社をやっています。

サービス名もフラミンゴで、簡単にいうと、外国人の方に英会話のレッスンをやってもらうサービスをやっています。

僕自身も生い立ちが海外にあり生活に苦労しましたし、外国の人の暮らしは過酷だと思っているので、そこを解決していこうとしています。

サービスのリリースは2016年10月10日で、講師数は約2,800人いるようなサービスになっています。

今、スタートアップの企業が求めるエンジニアの姿

エンジニア向けのイベントだったということもあり、当日は各社の開発責任者が登壇し、「チームの開発環境」「各社が求めるエンジニア」というテーマでもお話いただきました。

柄沢:それでは各社の開発責任者を交えてディスカッションしていきたいと思います。

まず、各社自己紹介をお願いいたします。

深澤:先ほども話をさせていただいた、AppBrew代表兼リードエンジニアの深澤です。

うちの開発チームはユーザーに刺さるプロダクトを再現性を持って作れるように、データドリブンなチームにしていきたいなと思っています。

現在は、僕がインフラをメインで触っていて明らかに単一障害点になってしまっているので、それをできる人が入ってくれたら「攻めの開発」をさらにできるようになるなと思っています。

高橋:FOWDの高橋です。よろしくお願いいたします。この4つの会社の中では、メンバーの数はかなり多いチームで、プロダクトに関わるメンバー70%のうち30%がエンジニアです。

見ていただくとわかるように、アンドロイドの開発が1人しかいなくて、かなり欲しています。

アンドロイドといってもKotlin(=オブジェクト指向プログラミング言語)をかけたりする人はかなり少なめなので、Kotlinをかけるエンジニアはかなり欲しいです。

最新の技術をキャッチアップさせて成長しているアプリを作っているので、技術が好きな人、最新技術に興味がある人がいいですね。

あとはそもそもFOWDはエンタメのサービスなので、エンタメが好きな人はいいですね。

松永:コインボードはアプリを開発している途中なのですが、サーバーサイドではスタートアップでは珍しくRailsではなくPythonで書いています。

理由は単純で、僕がPythonでずっと書いていたからなのですが、今後アプリのAPIもPythonではなくGoに変えていこうかなと思っています。ただ、基本的にPythonをメインで書いています。

働き方としては、現状業務委託の人には、フィードバックや難しそうなところだけお願いしているという感じで、残りは僕が手を動かして実装しています。

柄沢さんがフラミンゴの技術顧問に就任されましたが、弊社も技術のある人にアドバイスをもらいにいきやすい状況にはあるので、そういう方にお願いしながら学びつつ、新しい技術をガンガン習得する気合いがある方と、今後一緒にやっていきたいという思いはあります。

あとは、仮想通貨・ブロックチェーン系は動きが早く、3〜4ヶ月経つと全くわからないという状態になってしまうことも大いにあるので、Webサービスやアプリ開発の面でも情報のキャッチアップをすることも大事な分野かなと思っています。

まとめると、今から一緒に開発チームを作っていきましょう、という感じですね。

濱田:みなさんこんばんは。フラミンゴのCTOの濱田といいます。

フラミンゴに入ったのは、金村と同じ立命館大学の時ですね。

最初はビジネスサイドとしてユーザーを集めたり、CSとかをしていたのですが、エンジニアがいなくなるという状況になった時に、代表がSwift書くというので、「じゃあ私はサーバーサイドっていうやつやりますね」みたいな感じで今まで来ています(笑)

で、去年の4月くらいに立命館大学の大学院に通っていたのですが、辞めてこっちに来てやっています。代表はまだ自分だけ休学継続してて、同じ大学で私は辞めて来たのに、「あれ」って感じなんですけど。

金村:伝達ミスですね。

会場:(笑)

濱田:それから、自分も修行をしないといけないということフラミンゴの開発と並行しながらで何社かインターンをして、今ここにいるという感じです。

もう1人、去年の11月にジョインしたアプリエンジニアの加島という者が、iOSとアンドロイドの両方を書いてくれていて、自分がAPIやインフラを担当しています。

あとはアルバイトや業務委託の方が約8名いて、副業で平日夜などに働いてくださっています。

求める人材としては、「エンジニアリングを通して、外国人のために優しい世界を作りたい」という思いを持った方に来て欲しいと思っています。

紹介させてもらった通り、サーバーサイドとアプリを2人でやっている状態の中でプラットフォームを3つ出しているので、ものすごくエンジニアさんを募集しています。

デザイナーさんも募集しているので、よろしくお願いします。

最後に

イベントの様子を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

当日は、スタートアップへの就職/転職を考えている方が集まり、熱心に話を聞いていました。

一つの会社で定年まで勤め上げるのは難しいと言われている昨今、自分でスキルを身につけ、社会における価値を生み出すスタートアップは、今やキャリア選択における一つの選択肢として、珍しいものではなくなってきているのかもしれません。

登壇社プロフィール

株式会社メルカリ Corporate Engineering マネージャー, 株式会社フラミンゴ 技術顧問 柄沢聡太郎

在学中である2007年末からエンジニアグループnequal を立ち上げ、サービスなどを運営。2010年中央大学大学院卒業後、グリー株式会社に入社。退社後2011年2月株式会社クロコスを立ち上げ、CTO就任。2012年8月、クロコスをヤフー株式会社へ売却。その後もヤフーのグループ会社としてクロコスの事業成長と平行して、ヤフー自身のソーシャルの展開、新規事業を担当。強い開発組織のためのマネージメントを経験した後、2015年5月、株式会社メルカリに参画しCTO、VP of Engineering経て、現在は Corporate Engineering チームマネージャー。2018年2月(株)フラミンゴ技術顧問に就任。

株式会社LOGICA CEO 松永大

1992年生まれ。香川高専から東京大学工学部へ編入し、在学中に約2年間Gunosyでエンジニアインターンを経験した後にLOGICAを設立。複数のピボットを経て2017年10月に仮想通貨の自動ポートフォリオ管理ツールCoinboardをリリース。

株式会社AppBrew CEO 深澤雄太

株式会社AppBrew代表取締役。東京大学工学部休学中。2014年から2015年にかけ株式会社freeeにてソフトウェアエンジニア フリーランスを経て2016年に株式会社AppBrewを設立。2017年にコスメのコミュニティアプリLIPSをリリース。

株式会社FOWD CEO 久保田涼矢

1995年愛知県名古屋市生まれ。中学校在学時よりHPの制作を行う。高校卒業後、数社のインターンを経験した後、ベンチャー企業に入社。SEOや広告運用などWEBマーケティング全般におけるコンサルティング業務に従事。2015年、株式会社コロプラに転職。子会社のコロプラネクストを中心に、国内外のシード〜シリーズBステージの企業を対象に投資を実行。インキュベーションオフィスの運営など投資後のサポート業務にも従事。2017年、株式会社FOWDを創業。

株式会社フラミンゴ CEO 金村容典

株式会社フラミンゴ代表取締役CEO、立命館大学大学院法学研究科に在学中。2013年~2014年にVC、2015年春には文科省EDGEプログラムの一環でシリコンバレーを訪問しチャットワーク株式会社でインターンを経験。2015年夏には、インターンとして株式会社ディー・エヌ・エーの新規事業である"Anyca"のマーケティングに従事したのち、株式会社フラミンゴを立ち上げた。多文化共生社会の実現に貢献するため、カフェに外国人を呼んで、外国語のレッスンを受ける事ができるアプリ「フラミンゴ」をリリース。

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