Profile

王 冉(オウ ゼン)さん

・中国上海市出身

・早稲田大学 創造理工学部

→在学中に早稲田ビジネスコンテスト優勝

・現在、株式会社「SO-ZO」代表 →部屋をアニメのキャラクターでコーティングする「痛部屋」は大ヒットサービス

大学だけの生活からビジコン挑戦へ

Q.王さんは中国出身でいらっしゃいますね。日本に留学に来られたのはなぜですか?

王冉さん(以下、王さん):もともと日本のモノづくりに興味があったので日本に留学しました。

Q.早稲田大学の創造理工学部に進学されたのですね。入学されてからはどのように過ごされていたのですか?

王さん:理系の学部ですのでレポートも多くて、日本で朝九時から夜九時まで学校にいました。学校のことばっかりで、他のことができませんでしたね。

大学の課題とかやっていると何のために自分はこれをやっているのだろうかと。なんで自分は学校に通っているのかとか思っていました。

――入学された当初はビジネスとは関係なく普通の大学生活を送ってらっしゃったのですね。

王さん:はい。大学の課題ばかりやっているうちにやっぱり自分の好きなことをやった方がいいと考えました。空いた時間に簡単な貿易とか中国から輸入したものを売ることを、少しづつやり始めました。そうするうちにビジネスの方が面白いなと思うようになりました。

しかし当時は自分の考えていること、やりたいことを実現するまでのステップがわかっていませんでした。そこで「早稲田のビジネスコンテストに参加したら?」と先輩に言われてチームを作って出ました。

――優勝されているのですよね。

王さん:そうですね。優勝してからほかの先輩にも「起業を支援するから頑張って」と言われました。それで、チームメンバーとやりたいことをブラッシュアップしていきました。

3年からは単位がほとんど取れていて余裕があり、大学には行かなくてもよかったのです。本当に自分のやりたいことは何だろうと考えました。留学に来ただけじゃなくて、起業するという選択肢もでてきました。ただ起業するかで当時は迷い、親にも相談しましたね。


「人の想像を創造する」株式会社SO-ZO代表!王さんインタビュー前編

ブラッシュアップにこそ価値がある

Q.起業したくても踏み出せない人も多いのですが、その一歩を踏み出せた理由は何でしょうか?

王さん:日本に折角来たのだから大きなことがしたいと考えました。せっかくここまで来たのだから変化とかアクションを起こしたいと考え、思い切って会社を興して起業することになりました。

自分の場合、留学生で一人暮らしというのもあり、一人でいる時間も多いですからね。自分の人生とかこれからどうするかっていうのをいろいろ考えた結果、起業に踏み切りました。

Q.サービスを作れる人と作れない人の違いってなんだと考えられますか?

王さん:よく言われることですが、ブラッシュアップを繰り返して実行につなげることですね。

普通は最初の考えだけじゃ上手くいかないのです。だからアドバイスも「これじゃダメ、これでもだめ、」と言われるわけですよね。その後に「じゃあ駄目なのかな」と思って別のことに移ってしまう人が多い。

――なるほど、最初の案からいかに練り直していくかが大事だと。

王さん:はい。アドバイスは否定じゃなくて問題点を指摘してもらっているのですけれど、それをブラッシュアップしていけける人は少ないですよね。周りの人に反対されて「じゃあ違うことをしよう」となってしまう人が多いです。

ブラッシュアップしていくことが大事なのに、最初に考えた案そのものに価値がないと考えてしまう。これはもったいないことです。

「人の想像を創造する」株式会社SO-ZO代表!王さんインタビュー前編

好きなことをすることと、好きなことをビジネスにすることは違う。

Q.株式会社SO-ZOを立ち上げる前から貿易事業としてコスプレなどを扱っておられますよね。王さんご自身、アニメが好きだからこの事業を始めたのですか?

王さん:それは違いますね(笑) このビジネスを始めたのは、自分が誘われて参加したイベントで自分自身がコスプレをしたのがきっかけですが、好きだから事業を始めたわけではありません。

好きなことをすることと、好きなことをビジネスにすることはけっこう違いますね。自分の好きなことをビジネスにするのは意外と難しいのです。冷静に判断ができなくなるからです。自分はこれが好きだから「これは絶対に売れる」と思い込んでしまうのですね。

Q.ではコスプレのどの点がビジネスになると感じられたのでしょうか?

王さん:ビジネスの試しとして、リスクがなく、コストもほとんどかからない点です。 日本のコスプレのオーダーメイドは高いので、中国で作ったものを輸入したらいいのではないかと考えました。

日本だと材料とか人件費とか結構高いですが、中国だとオーダーメイドでもあまり高くないです。しかもお金が入ってから衣装を作るので、在庫が残るとか、リスクやコストがかからずに済むのでやってみようと考えました。

ビジネスにつながるリソースはいくらでも転がっている。

Q.貿易ビジネスの経験は株式会社SO-ZOを立ち上げるにあたってやはり役に立ちましたか?

王さん:そうですね。ECサイトの運営方法とか貿易で海外とのやり取りというのは少しずつできるようになりましたね。 中国の人件費の安いところのデータベースやリソースをどんどん自分のものにしていって、創れるものも増やしていきました。ある意味で自分の強みの部分を拡大していったということですね。

Q.王さんは中国語も日本語も堪能で、日本と中国の懸け橋として働けるということが強みなのですよね?

王さん:日本語が堪能ということはないです(笑) 僕の場合はそれが強みにはなりますが、どんな人もそれぞれ強みやリソースはありますよね。周りを見ているとそれを使わずにいるのはもったいないなと思います。

―それぞれのリソースですか?

王さん:はい。 僕自身は日本に小学校、中学校、高校の友達もいないし、親戚といったリソースがないです。それに比べて日本人は例えば親戚に不動産をやっている人がいるなど、リソースがいっぱいあります。周りの人はそれを活用していないと感じますね。 自分の周りがやっていることを価値として考えて、やりたいこととマッチングさせればビジネスが成り立ちます。

まずは日本で足固め

Q.これからは中国で展開していかれるのですか?

王さん:中国で今のビジネスやったら絶対売れると周りからも言われますね。中国はターゲットも多いし、市場も大きいのです。一方、リスクもすごく大きいのですよ。

――どういったリスクですか?

王さん:普通のスタートアップはどこも同じなのですが、これが上手くいくって自分たちが考えていることは他の企業も考えていて、他の企業も同じようなことをしてくるでしょうね。 自分たちが一番恐ろしいのは大手企業が参入してくることですね。資金も規模も大きいですから、どんなにいいアイディアを考えても駄目なのですね。アイディアで勝負できないのです。

Q.中国の大手企業は日本に比べ同質化戦略が速いのですか?

王さん:そうですね。海外で同じものがあればすぐに同じものを中国国内で作ります。 あと中国の政府機関だと、海外のサービスには制限がかかっているので、なかなか許可が下りません。

――政治的な意味でのリスクもあると。

王さん:その通りです。

Q.では株式会社SO-ZOとしては中国も市場として魅力的ですが、まずは日本をベースとしてやっていこうとされているのですね?

王さん:はい。まずは日本からです。日本でライセンスを取り、公式という形でやっていければ、真似されることはないです。日本はライセンスの制度が整っていますので。

次回は、経営者としての王さんが大切にしている考えから、代表として直面した苦労、同世代の学生へのメッセージまでお伺いします!ご期待ください!!

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