今回は、「起業・スタートアップの始め方」をテーマに大阪で開かれたイベントを取材しました!登壇者は、総額4億円以上の資金調達を行った起業家・大山 敏浩氏と当時26歳という国内最年少でベンチャーキャピタル(※以下:VC)を設立した投資家・木下慶彦氏です。

スタートアップに興味がある方や、最前線で活躍されている起業家・投資家の話に関心がある方におすすめの内容になっています。

【登壇者プロフィール】

株式会社 Popshoot CEO 大山 敏浩 氏

友人とのお金の貸し借りを簡単にメモできるアプリ「よろペイ」を開発・運営。「よろペイ」は、貸したお金が返ってこないというユーザーの課題を解決することで、サービスの普及を目指し、将来的な個人間送金市場の独占を目指している。最近は、仮想通貨周辺領域のサービスも開発中。 1991年生京都府出身、同志社大学卒業。在学中に3人で同社を共同創業。

株式会社 Skyland Ventures 代表パートナー 木下 慶彦 氏

U25の創業者によるシードスタートアップへの投資を中心に投資を行なうVCファンドSkyland Ventures 代表パートナー。 Skyland Venturesの投資先は40社超、ファンド規模は累計約14億円を運営している。 投資先には、八面六臂(生鮮食品EC)、トランスリミット(ゲーム)、クラスター(VRコミュニティ)、SCOUTER(HR)などがある。 1985年生まれ横浜出身、早稲田大学理工学部卒業。

「今すぐ起業しろ!」その真意とは?

司会:今回のテーマでもあるのですが、スタートアップの始め方を教えてください。

木下:スタートアップの始め方は簡単で、「起業すること」です。

会社を作ると、僕みたいな“若い意欲のある人”に投資をしてくれる人が見つかります。

また、会社を作ると起業家の友達ができるので、それによって「どのようなことがビジネスに繋がるのか」を考える機会にもなりますよね。

あとは、会社を創ると名刺を作って配る機会があります。

そこで何をやっているのかを聞かれたときに「何もやっていないです」と言うと気まずいので(笑)、「そろそろなにかやらなければいけない」となる、と。

スタートアップ業界に飛びこんだときには、このように「まずはやってみて、そこから経験を重ねていくこと」が重要です。

司会:では次に大山さんお願いします。

大山:スタートアップでは、大きな会社が10年でやるようなことを、外部からお金を貰って2〜3年でやらないといけません。

2〜3年で一気に大きくして、上場するか会社を売ることで、リターンを返していきます。

なので、スタートアップを始める際は「投資家にお金を入れてもらうこと」が、まずは一番大事だと思っています。

司会:大山さんが起業するきっかけや、どのような思いで起業されたのかについて教えて下さい。

大山:実は、“思い”や“きっかけ”というのが無いんですよね。僕の場合は、太河さん(=East Venturesパートナー・松山 太河 氏)からお金を貰えることになってしまって、断れなかったというのが事実です(笑)。

ただ東京はやっぱり、関西よりも刺激を受ける機会が圧倒的に多いです。東京に行ったら、自分はまだまだだな、と気づかされる機会も圧倒的に多かったですね。

なので思いやきっかけはありませんでしたが、東京に行って面白い人たちと関わっていくことは自分にとって刺激的で、そこが起業や自分の成長に対するモチベーションに繋がったというのはあるかもしれません。

Q.大山さんは投資を受けた際、最初に何をしましたか? 大山:まず仲間を集めました。

中学からの同級生が「Tech Kids School」というプログラミングスクールの立ち上げに関わっていたのですが、その仲間に「会社を立ち上げるので、今の会社を辞めて手伝ってほしい」と伝えたのが最初です。

自分に対する評価にリスクを取ってくれる人は信頼できる

Q.大山さんは現在、計10数名の株主がいると思うのですが、調達先はどのような人あいいと思いますか?

大山:僕が今起業するなら、「エンジェル投資家」(※起業家のスタートアップを助ける、個人投資家のこと)を選びます。

エンジェル投資家というのは、1回事業を成功されてお金を持っている方のことで、この方たちは個人の投資でVC(ベンチャーキャピタル)と同じくらいのお金を出してくれるんです。

それか、木下さんを選ぶと思います。木下さんは、僕を「東証一部の偉い社長さんに会わせてくれる」方なんです。もし僕が失礼なことをしても、「木下さん紹介だから仕方がない」と許される。そのように、自分に対する評価にリスクをとってくれるんですよね。

「全然大したことない人が東証一部の社長さんに会いに行く」という意味不明なイベントを起こしてくれる方なので(笑)、とてもおすすめです。

司会:木下さんはVCとして、「このような起業家とやりたい」というのはありますか?

木下:若くてやる気のある人が良いです。

最近、「友達からお金を預かる感覚」がとても重要だと感じています。

身近な人や、今こうしてここに座っている人が5年後に上場しているという話が実際にあるんですよ。

投資家を探すときに、意外とみんな身近な人を選択肢から消そうとするのですが、身近な人ほどアプローチしたほうが良いと思います。

大山:資金調達については、特に関西では気をつけて欲しいことがあって。

「資本金をこれだけ出すので、その分売りの50%を下さい」という方がたくさんいるのですが、みんな騙されないように。

起業する時には「1,000万円を貰ったら、50%ではなく10%を株に出す」ぐらいのイメージの方が良いと思います。

起業に必要な資金はどのように調達する?

Q.VCからお金を預かった場合、返さなければいけないと思うのですが、実際はどうなのでしょうか。

大山: 成功すれば返済しなくていいです。でも、今は失敗したときの話だと思うので、もし失敗したらどうなっていくのかという話をします。

まず、投資してもらったぐらいの額でどこかの会社に買ってもらって、そのリターンを株主に返します。

それでも足りない事が多いので、その後自分の3年間を犠牲にして働いて、株主に返すというケースが多いですね。

その責任感がある人は出資を受けて良いと思います。

あとは、起業する時は「日本政策金融公庫」(※政府が株主である会社。中小企業や小規模企業の経営成長・安定を支援するなど、多くの金融支援を行っている。)というところなら、だいたい300万〜3,000万くらい貸してくれるので、お試しでやるにはそれが一番お得だと思います。

いざ飛び込んでみたら、いいことしかなかった

Q.起業して良かったことと悪かったことを教えてください。

大山:悪かったことはないですね。

僕は26歳なのですが、中学の時からホリエモン(=実業家・堀江貴文氏)に憧れていました。そして起業して、今は一緒に飲めるくらいの関係になりました。

いざ自分の憧れてたフィールドに来てみたら、みんなとても優しいんです。

ITという世界は日本では割と小さくて、そこの人たちは年齢に関係なく良くしてくれるので、とても良かったと思います。

木下:全部いいよね。今日ここでみんなにも会えたし。

大山:悪かったこと、ないですよね。

木下:はっきり言って、上手くいっていなくてもやりたいことをやっている人が多いしね。僕自身、VCで25歳以下に投資するということが楽しくてしょうがないし、やりたいことなんですよ。

自分の好きなことをするのが人生

Q.起業するときに難しかったことはありますか?

大山:書類がとても多いんですよ。それを読むのが本当に大変でした。

投資の資料も分厚くて読む気無くすんですけど、キーワードを理解する必要があるので人に読んでもらって理解するみたいな感じでした(笑)

Q.学生が起業する上での一番の障害として「親の反対」が考えられると思うのですが、起業するときに親の反対はありましたか?あった場合は、どのように口説き落としたのか教えてください。

大山:僕は親の反対が無くて、「自分の好きなことをするのが人生」だと言われていました。

「好きなことをしなさい」と言う親はそんなにいないと思うのですが、親を口説き落とす文句としては、こっそりやって上手くいってから伝えるのでも良いかなと思っています。

実際、起業したいと子供に言われてもお母さんは理解していないことの方が多いと思います。

木下:それはそうだと思います。

年齢を重ねても親から見たら子供なので、基本のスタンスは反対になります。それを押し切っても自分のやりたいことを貫ける人はやっぱり強いと思います。

大山:親は子供が自信を持って言ったことは最終的に見守ってくれるのではないでしょうか。

人を巻き込むには、まず自分が手足を動かすこと

Q.起業をする上で「人を巻き込む力」が必要だと思うのですが、巻き込むコツを教えてください。

大山:僕がスタートアップに入ってから思っていたのが、「エンジニアいない問題」です。周りの会社さんとかでも、「エンジニアが足りない」という声はよく耳にします。

でも、僕のチームはエンジニアで困ることが全然ないんですよね。

それは何故なのかというと、僕自身がエンジニアのことをある程度理解できているからなのではないかと思っています。

そのようにな状態になるためにおそらく一番早いのは、まず自分で軽く触れて、その後インターンに行くことです。

僕はリクルートのインターンに行っていたのですが、そこでエンジニアの方とたくさん話す事ができました。

そのような人と知り合っておけば、コミュニティに入って勉強することが出来ますし、実際エンジニアの方がどのような事を考えているのかもわかります。

1番巻き込むのが困難なのはエンジニアなので、彼らのことを理解する為には、まず自分が最初に軽く触って理解するのが大切だと思います。

学生さんから多かった質問

・起業をする領域や分野は?

Q.どのような領域で事業をすれば良いのでしょうか?

木下:大事なのは「自分のやりたいこと」で起業するのか、「上手くいきそうなところ」で起業するのかを選ぶことです。

そして、「自分のやりたいこと」を選ぶ人は自分で考えれば良いし、「上手くいきそうなところ」を選ぶ人はそのような領域が何であるかを、VCや先輩経営者に聞きまくればいいと思います。

大山:僕は分野を挙げるとしたら、今だったらAIか仮想通貨だと思います。

AIは最近株価が上がっていますし、仮想通貨の可能性はまだあると思うので、僕だったらこの2つを狙いますね。

・起業で成功するためには?

Q.成功させるために1番必要なことは何でしょうか?

大山:個人的には「すごくお金持ちになる」か、「大きい会社にする」の2つのどちらかだと思っています。

「金持ちになる」方は、トレンドを完全に掴んで、2年くらいで成功しているイメージです。領域を間違えずに選んで、一気にやりきるという意気込みが必要ですね。

「大きい会社にする」方で見ると、好きなことをしている方が多いと思います。最近成功しているところには技術系が多いと思っています。今ならAIの分野とかですね。

木下:ピーター・ティールという「Paypal」の創業者で、Facebookの最初の大型投資として有名な方がいるのですが、彼は「誰も狙っていない狭いターゲットを深く切り取れ」という話をよくするんですよ。

僕は、その領域を見つけるのが良い思います。

・最高の仲間はどのように見つける?

Q.仲間の見つけ方を教えてください。

木下:これに関しては“隣の子を口説く”のが一番だと思うので、隣が女の子だった人はラッキーですね(笑)。

大山:間違いないですね。

現実、僕は仲の良い友達と起業したので、何とも言えないですけど。あとは、テクノロジーが好きで、自由な人と一緒にいるのが大事だと思っています。

はじめに、「まずエンジニアが必要だ」と思う方が多いと思うのですが、それよりも一緒にやっていける仲間が大事です。

スタートアップはなかなかうまくいきません。そんなときに、一緒にやっていく仲間がいると心が折れない。そこが重要だと思います。

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