プロフィール

熊本大樹(くまもと・だいき)

特定非営利活動法人アイセック・ジャパン 事務局長 兼 専務理事。イギリス生まれ、アメリカ・香港育ち。慶應義塾湘南藤沢中・高等部出身。2014年よりアイセック慶應湘南藤沢委員会へ入会。シンガポールのコンサルティング会社で海外インターンシップ参加。その他多数の国際会議などに参加し、慶應湘南藤沢委員会の委員長を経験。2017年度慶應義塾大学総合政策学部を休学して、1600人の若者を代表するアイセック・ジャパン 事務局長 兼 専務理事として活動中。

“次世代の社会を率いるリーダー”を輩出する組織、アイセック

ーー初めにアイセックの活動内容を簡単に教えてください。 

僕たちアイセックは、自分自身、そして日本中の若者が、どのような環境下でも自らが発揮したいと思えるリーダーシップを身につけるために活動しています。その結果として、目まぐるしく変化していくであろう次世代の社会を率いるリーダーを輩出するような組織を目指し、日本で55年間、海外では70年間活動してきました。

その主な方法が海外インターンシップを開発する、参加する、運営する経験の中にあります。

海外インターンシップという事業を通して、世の中にある様々な社会問題を解決していく仕組みを作っていき、その中で持続的、多角的に社会課題解決に取り組んでいく人財が輩出されていくことを願って活動しています。

・アイセックで実際に海外インターン事業を運営するメンバー、参加したメンバーのインタビューはこちら

・アイセック各大学委員長のディスカッションはこちら 

僕自身も、大学1年時から選んできた経験を通して、大きなチームのリーダーを任されたり、多様な企業さんやNPOさんと協働する中で、少しずつ”社会を率いたい”と思う感覚を身につけていくことができたと思っています。

こうしたLeadership Movementを起こしていくことが僕たちの活動の根幹です。

ーー「持続的、多角的に課題にアプローチしていけるような学生を輩出していきたい」ということですが、実際にそのような動きはありますか?

実際はかなり難しいのが現状です。

学生団体という組織体で活動する際、一番ネックとなるものは「持続可能性」だと思うんですよね。

結局1年間経てば、やりたいこともやるべきことも変わってくる中で、どう持続的に組織発展とメンバー1人ひとりのインセンティブを合わせていけるかは、永遠の問いのように感じます。

今も少しずつ組織を”引き継ぐ”フェーズに入ってきているのですが、些細なことでぶつかることはたくさんありますから。

その中でも大事なことは2つかなと思っています。

一つ目は「共通のミッションを持ち続けていくこと」だと思っています。

仮説、行動、結果、検証、修正仮説の流れはどの組織体でも存在すると思うのですが、単年度経営を行う立場としては、結果だけを取り上げて引き継いでいくことが多いかな、と思ってます。

本来は初期段階に立てた仮説から綿密に共有し、共に行動する期間を長く作っていくことにより、結果の検証を共に行い、新しい仮説を立てることができると思っています。そうやって少しずつ、持続的に商品を作る、組織を運営する仕組みが成立していくのかなと思っています。

二つ目は、「ロードマップを描き切る」ことです。

自分たちが5年先10年先に、直接的にその商品や組織に関わっていなかったとしても、どのような道筋に基づいて発展させていきたいのか、という意志表示を常にしていくことが大切だと思っています。

そうすれば少しずつ、商品レベルや組織レベルでの中長期方針に共通見解を生まれると思っているし、その中で仮説を修正していくことができれば、結果として持続性が担保されるようになっていくと思っています。 

“自分の欲求を掻き立てる機会”に出会うことが大切

ーー国際的な学生団体の代表ということで、他の国の学生と関わる機会も多いのではないかと思うのですが、日本の学生と世界の学生の違いはどのようなところだと思いますか?

僕はイギリスで生まれてその後アメリカや香港で暮らす期間が長かったこともあって、”世界の学生"という括り方をしたことはあまりなかったです。しかし、年に5回ほど海外の会議に参加し、日々各国の代表たちとコミュニケーションを測る中で、違いを実感する瞬間は多岐に渡るような気がしています。

その中で、一番シンプルに思うことは日本で生活するの学生の多くは、平和ボケしているように思います。自分が心から許せない、変えたいと願う“欲求”を掻き立てる機会やそのフックとなるヒト・コトに出会う確率がすごい少ないと思います。

だからこそ、僕は、いかに「質的・量的な多様性」のある空間に飛び込み、協働する、という経験を踏めるかが大切だと思っています。自分の当たり前と別軸にいる人たちと、より多く一緒に過ごすことによって、自分の周りに起きているコトを少しずつ変えたいという欲求が生まれると思います。

大学生活とは「自分のポテンシャルを最大化させる時間」

ーー熊本さんにとって、大学生活とはどのようなものですか?

守られた環境の中で、描ける最大値に向けて目一杯ストレッチを効かせられる時間かなと思います。

僕も普段から偉そうなことばかり言うかもしれないけど、結局今はまだ親が作ってくれた土台や組織の先代の肩に乗っかっているだけですごく守られているなと思うんですよ。

(アイセック・ジャパン事務局員)

だけど、守られていることに感謝し、その状況を生かすことができれば、可能性は無限大だとも思っています。

今は休学してアイセックの代表という立場をやらせてもらっていますが、大学生活において自分のやりたい方向性を定め、定めた方向性に向けて限界値を決めずに突っ走ることができる有意義な毎日を過ごさせてもらっています。

こうして、少しずつ自分が一個人として発揮できる力を明確にし、それをとことん伸ばすことのできる重要な期間だと思っています。

なので、一言でいえば、大学生活とは「自分のポテンシャルを見定め、最大化させる時間」だと思います。

ーー熊本さんがアイセックに入ることや専務理事になるという、「大学生活を左右するような」決断が出来たのはなぜですか?

もともとアイセックに入りたいと思った理由は、自分だけの生き方をしたいと思ったからだと思います。

僕は中学校から大学までずっと慶應SFCなのですが、受験戦争にのめりこむ必要もなく、平凡な高校球児としての生活だけずっとしていました。その中で、主将やクラスのリーダーを務める中で、少しずつ「周りと違う人生を生きたい」、「希少性のある人材でいたい」というのが芽生えてきて、それが根本にありながら物事を選択してきた気がしています。

みんなが三田キャンパスや日吉に行って楽しむくらいなら、僕はSFCという辺鄙な場所で「絶対に勝てないな」と思う人たちに揉まれよう、と。(笑)そのような捻くれ心も大事かもしれないですね。

大学3年時でSFCの委員長をやるとなった時も、50人の大学生の人生を背負うことが一番希少だと思ってたし、彼らの人生を変える経験が出来るのは今しかないと思いました。

何より今それをすることが、「結果として僕の10年後20年後に活きてくる」と、盲目的にも信じきれたからだと思います。

ーーご自身が相対的に周りと違う選択肢を選ぶ傾向にあることはいつ気づいたのですか? 

気づくのは、色々な人に選択する理由を聞かれて、改めて振り返りながら言語化したときですね。

僕はもともと直感的、感覚的に物事を判断するタイプなので、ビビッと感じたものの方向に向かっていくことが多いです。なのでほとんど自分の行動特性や感覚的に行う判断を言語化する時間を取らないのですが、誰かと話をして整理されていくと、明確になっていった気がします。

他にも、自分なりにロールモデルを見つけて、その人の選択の理由を聞いていくことや、誰かが言語化したものを自分に当てはめていくこともありました。

ーーちなみに熊本さんは今後どのようなことをしていきたいと考えていますか?

(アジア・パシフィック各国代表)

大学入学時から、漠然と「社会を変えるリーダーになりたい」と思っていたのは今でも変わっていません。

しかし、どのようにそれを実現していくのかという手段を自分の中でも整理させられてないのが現状です。

その中で、今直感的に感じている理想的なHowは、例えば、Mission ARM JapanというNPO法人のように、芸術とテクノロジーを、ヒトの低次欲求を満たすために活かせる事業を波及させたい、と思っています。

Mission ARM Japanは上肢に障害を持つ方々に対して、高い技術力を用いて芸術的な義手を作り提供しています。それと同じように、何か自分が「心から助けたい」と思う状況に対して、必要な技術力をもって解決できるようなリーダーでありたいと思っています。

それが結果として、ポテンシャルを十分に活かしきれない人々の”できない理由”にならないようにしたいです。

今はその漠然さで留めておいて、卒業までの時間でビビッとくる何かを探し続けられればと思っています。

「人々の可能性が最大限発揮された社会」を目指して

ーーそれでは最後の質問になるのですが、今後アイセックとしてどのように拡大していきたいですか?

 2020年段階において僕たちは、若者が社会課題に対する志を抱き、セクターや専門領域を超えた様々な領域に橋を架け、個人と組織を巻き込むリーダシップを持ち、社会に出てからもその志が持続的に支援され続けるシステムを作りたいと思っています。

若者という対象にアプローチしているからこそ、まずは海外インターンシップを通して「欲求を駆り立てる」ような強い動機を獲得する機会を多く提供し、そこで抱いた若者の志が社会に出てからも色々な方々に支援してもらえる体制まで作り出せたら、社会にある様々な課題を解決するためのムーブメントを作り出せるのではないかと思うんですよね。

それが結果として、普遍的にアイセックが70年間求めてきた「平和で人々の可能性が最大限発揮された社会」に繋がると信じているし、達成されてないからこそ僕たちが存在する理由があると思っています。

今は組織としてまだまだだと思っているし、1年間という期間で個人ができることは限られていますが、拡大の方向性だけ明確に定めれば、それを一緒に実現してくれる最高の後輩たちがたくさんいます。それを信じて、僕も残りの期間頑張ろうと思っています。

ーーこれからの活躍も期待しています。ありがとうございました!

このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事が気に入ったらJEEKに「いいね!」しよう