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Yahooや楽天、カカクコムなどが激しいシェア争いを繰り広げているEC業界。スマートフォンの普及に伴い、その市場規模は約10兆円に拡大し、今後も巨大化することが見込まれる。 そんな成長著しい市場で『メンバーの95%が学生』というベンチャー企業が挑戦を続けている。ショッピングアプリ『melo』を運営する株式会社ゴローである。 「結果をだせば、大人と一緒です。」と語る代表取締役の花房氏。今回はサービスの紹介も兼ねて、花房氏に起業するまでの話を伺った。
インタビューされる人の紹介
株式会社ゴロー CEO 花房 弘也 (はなふさ ひろや)
厳しさを学んだインターン時代
-----どうして学業などをやめて週5でインターンで働く決心をしたのですか?
花房さん:私がインターンを始めたのは春休みでした。1か月間はフルタイムで働くことができたのですが、大学が始まったので時間がなくなり処理スピードが落ちました。2か月程度は良かったのですが、少しずつ業務に支障がでてきて、任されている仕事が増えてきた時に、苦しくなってきたのを覚えています。
言ってしまえば追い込まれて、このままだったら会社にも迷惑かけるし、よろしくないなと感じました。大学にいるときも会社の人から電話かかってきて。大学にも集中できなかったので、どちらかだなと思っていました。
インターンを諦めて、大学に専念するか、大学を一度諦めて、インターンに専念するか。
どっちだろうと考えた時に、そもそも「起業をしたい。でもどうやってするかもわからない。だから、起業とはなんたるかを、PIXTA代表の古俣さんから学びたい」というモチベーションがあり、それが「大学に行きたい」というモチベーションに勝ったことが一番の理由です。やはり自分にとって半年後に後悔しない選択がインターンへのフルコミットだったということです。
-----ここで起業するぞという決断はいつでしたか?
花房さん:2013年の9月です。基本的には、9月にインターンをやめるという契約でしたので、延期して自分が関わったプロジェクトを最後まで見ようという話もありましたが、きっぱりやめました。独立してすぐに起業した理由としては、タイミングとして今しかないなと考えたからです。
インターンが終わったのが3年生の終わりでしたので、就活か起業かをしっかり考えないといけないなと思いました。また実際に投資家の方にも投資するよと言っていただいていました。このタイミングでというか、そもそも起業のために多くのことを学んで、準備が整ってきていました。やるなら今しかないと思いました。
タイミングが良かったのもあるのですが最終的には後悔するかしないかが決め手になりました。就活ならきっと後悔する、起業なら自分では納得できるキャリアとなるのではないかと。インターンをやめる前の8月から起業に関してのアイデアをインターン先の社員に相談していました。
------インターンでどんなスキルが身につきましたか?
花房さん:基本的な営業スキルを身につけました。 インターン経験がなかったら、もっとあたふたしていたなと実際に起業してから実感しています。それ以外のところは、これからさらに生かしていきます。結果がでたら言います(笑)。
------実際に起業してみて、起業に対するイメージなど変わったことはありますか?
花房さん:すべて変わりましたが、ずっと思っていたのがリリース1か月2か月で結果がでないと死ぬと思っていました。そんなもんだと。
しかし多くの事業やサービス、スタートアップが実はそうではなくて、試行錯誤していく中で、結局は粘り強さが大きな成功への要因となるのを一つ感じました。
起業する前は、「超イケてる企業がイケてるサービスを出してそれが多くのユーザーを獲得してまた資金調達する」、自分の企業もそうなればいいなぐらいの甘い考えでした。そうなれば別なんですけど、ならない時にどうモチベーションを維持していくか、粘り強く粘り強くやっていかないと成功しないんです。

若い子がネットで手にいられるサービスを
-----meloについて、男性でありながら、女性向けショッピングアプリ作りはじめた経緯は?
花房さん:異なっているのは性別だけだと思っています。つまり特徴的に、若い、お金ない、でもおしゃれしたい、まだ確固たる自分が見えていない、スマホをよく使う、そういうセグメントを見れば基本的に一緒だと考えています。
やはり最終的に女性か、男性かを考えた時に絞らないといけないなと考えました。誰に対してのサービスかを確実にするために。男性だけに絞ろうとも勿論考えたのですが、マーケットが小さいなというのがありまして。
やはり女性のほうが販売したい側もいるし、買いたい側もいる。そこでまずは女性向けのサービスにしようと思いました。
女の子のかわいいワンピース見るとテンションあがりますね。雑誌を見るとその感性がこの半年間でくっきり変わりました。本当にわくわくします。だいたい売れるものがわかってきます。最近では私がピックアップしたものはたいてい売れるし、「この商品売れるな」とか「もう少し値段さがったらな」とかだいたいわかってきました。その目はもっと養っていかないとと思います。
-----となると起業する前と起業してみて成長度も違うのでは?
花房さん:そうですね。女の子の気持ちをわかるという面では、自分で言うのもなんですが女の子よりもわかっている気持ちはあります。
------将来的には男性のほうもやっていくのですか?
花房さん:今のところはやらない方向でいます。なぜなら、どちらかというと基本的には縦に展開するつもりはあまりないです。問題意識があるかないかというところで、若い子がスマホで買い物する場所がないということが問題であり、その中で私が作る。
15歳から22歳の子たちがなにかネットでアクションを起こす若しくは手に入るようにしていきたいです。そういうプラットホームになりたいなというのがありまして、今私はアパレルのほうでやっていますが、ネイルでしたり、ヘアサロン予約など女性のサービス全体をmeloで全部完結するようなサービスを作っていきたいと思っています。
あとは、世界に進出したいという考えがあります。
eコマースが世界展開を促進するツールやそういうカスタムが結構充実してきています。販売・流通を一括して提供する会社がぽつぽつ出てきてています。 その中で日本のファッション業界において需要人口が減ってきているため、マーケットを海外に求めることは必須です。 肌感でもやはり世界から見てジャパニーズの女の子のかわいいという文化はウケていることがもちろんありますし。
「シャネルやエルメスなどのアパレルブランドがアジアにない、でもお金を結構持ってる、かわいい文化が大好き、だからここで売れる」などそういう地域に提供したいとおもっています。やはり売り手から考えても日本というマーケットだけでなくて、アジアやさらには世界にも販売チャネルがmelo一括で持てるというのをイメージしています。
結果にこだわれ!
-----募集中のインターンについて一言お願いします!
花房さん:ファッションが好き、営業も好きという学生を募集しているという点で他の営業のインターンとは違うのかなと思います。商材としても自信を持って提供できるものだと私は思っているので。
「本当に商材が良くないのに営業で頑張って売る」というのは絶対にいやなので、自分が納得したものをやっていただきたいです。今まではmeloも売上としてはまだまだ小規模であるのが前提ですがこれからだと考えています。
------これからインターン・起業をする人にメッセージをお願いします!
花房さん:一言で言うと、結果にこだわれです。結果を出さないと、学生は相手にしてもらえないし、逆に言えば、結果をだせば、大人と一緒です。
人気のアプリを作っていることは大人と学生関係ないので。やはりそれを見失うと、インターンした、充実した、就活頑張ろうだったりと。とりあえず起業した、失敗してるけど私チャレンジしたし、内定もらったしと。本当にしょうもない時間になってしまうと思うので、とにかく結果にこだわって欲しいです。
インターンにしろ、起業するにしろ、とにかく数値とか、事業の進捗が一番わかるKPI(目標指数)にとにかくこだわってください。それだけですね。結果がだせれば優秀な経営者ですし、結果だせなければどんな人格者でもダメな経営者です。
私は結果を出せる学生はすばらしい学生だと思うし、結果を出せない学生はビジネスの面からいうとやはりお付き合いできないので、それは大学生、社会人関係ないと思っています。なので、とにかく結果に早いうちからこだわってください。
-----ありがとうございました!
