TNK(東大起業家サークル)とEast Ventures様主催のイベントに密着しました。株式会社CAMPFIREの代表取締役社長である家入一真氏と、BASE株式会社の代表取締役CEOである鶴岡裕太氏が登壇されたイベントの後編となっています。

前編では、お二人が作ってきたサービスやインターネットの歴史などについてのお話を掲載いたしました。その続きとなる本稿では、これからのインターネットや起業のお話に加え、学生からのお二人への質問などをご紹介いたします!

起業に対するお二人の考えや、お二人が現在に至る過程で経験してきた様々な悩みなど、ここでしか知ることができない情報となっています。

起業を考える学生はもちろん、インターネット業界を志す方にも必見の内容になっています。

【前編はこちら】

これからのインターネット

インターネットは「超グローバル」or「超ローカル」に

家入:まあ、とりあえず今後はインターネットは閉じていくと思っていて、超グローバルに広がっていくものか、超ローカルなものになっていくかのどちらかだと思う。

ローカルっていうのは「地方」っていう意味でもそうだし、「人のコミュニティー」っていう意味でもそうだと思うんだけど。

で、BASEが作っているものってまさに「小さな経済圏」って言われていると思うんだけど。BASEを使ってくれているお客様って色々な人がいると思うのね。例えば地方で農家の方が、ものすごく売れするわけじゃないけど、三十人くらいのお客様のためにBASEを利用していたりとか。

アクセサリーとかも、趣味で今まで作っていたけど、それを試しに売ってみたら、細々と家計の足しになるくらいには売れている、みたいな。

そういうのがいまめちゃめちゃ増えてるみたいで。

きっとマストドン(=Twitterによく似た短文投稿型のSNS)とかの動きも同じなんだろうなと思う。

インターネットが“当たり前”を変えて行く

鶴岡:ぼくは、「やっぱインターネットすごいな」って最近思っていて。BASEって毎月1〜2万ショップくらい生まれてて、アンケートをとった時に「次にBASEに期待することはなんですか?」って聞いたら、「オフラインショップ(実店舗)したいんです」っていうんですよね。

これってすごくないですか?

仮に10何年前だと実店舗作ってネットショップっていうのが、ネットショップ作って実店舗っていう風に変わっているのが1つすごいし。

あとテナント探す時とかって大変でなかなか探せないじゃないですか。地方で1箇所空いてて、ここ誰が入るんだよっていう時に、「あなたここにお店作ってください」って結構難しいのに、インターネットだとネットショップだけじゃなくて、リアルでショップしたい人も万単位で獲得できるっていう。

なんか、「もう、インターネットだわ」って思いました。

家入:確かに。

鶴岡:やっぱインターネットっすよ。すごいっすよ、インターネット。気づいてました?

家入:…だいぶ前に。

(会場:笑)

鶴岡:そういう風に、全部がひっくり返っていくんだろうなって思いました。ほとんどの産業がネットになっていって、支えていくんだろうなと。

BASEとかだと、「価値の交換を最適化させる」っていうミッションがあって、今後ネットショップとかリアルショップとか、小売ってどうなっていくんだろう。もっと大きい話になると、お金ってどうなっていくんだろう。みたいなのがあって。

それこそ最近だと仮想通貨とかICO(Initial coin offeringの略。暗号通貨の発行によるクラウドファンディングのこと)とか、資金調達の仕方もクラウドファンディングとか、そういうものにどんどんなっていくんだろうなと思うし、お金そのものがおそらくなくなっていくんだろうなあとか。

そういうもののほとんどがインターネットの恩恵じゃないですか。結局インターネット上で生かされているわけですから、悔しくないですか?

家入:うーん、たしかに。じゃあ、次のインターネット作ろう。

鶴岡:いいっすね。まあブロックチェーンだった可能性ありますね。

家入:そうだね。そう言っている人も多いけど、やっぱり、当時のインターネットが出て来た時にとすごい似たような状態だと言っている人はいるよね。

TCP/IP(インターネット・プロトコル・スイート。ネットワーク上での通信に関する規約を定めたもの)とかの仕組みができて、今後その上にアプリケーションメディアで何が乗っかっていくかっていうのがこれからはすごい大事で、だけどまだ技術面とかテクノロジー面ばかりが語られたりしている。

なので、まあブロックチェーンなのかな。なんなんだろうね。

起業をするのは「生きやすいから」

「生きるための選択」としての起業

鶴岡:そろそろ起業の話します?これがメインテーマなんで。

家入:いいね。

鶴岡:ようやくたどり着きましたね(笑)

家入:起業は、超いいと思いますよ。

鶴岡:なんでですか?

家入:なんでだろう。

(会場:笑)

家入:一個明確なものがあって、

鶴岡:わかりますよ。「一番生きていきやすい」んじゃないですか?

家入:そう、なんでわかったの?

鶴岡:いや、だって、繋がっているんで。

家入:すごい、インターネットだね(笑)

家入:いや、そうなんですよ。ぼく、起業する前に何度か就職したことがあって、でも、どこもクビになっているんですよ。

なんか、朝起きれないとか、ちゃんとコミュニケーションとれないとか、いろんな理由で。

で、このままだと本当に生きていけないなと思って。最初に起業する時、あんまりかっこいい理由はなかったんですよ、ぼくにとって。「世界を変えたい」とか。

今でこそ、「どんな世界を作りたいかイメージして起業しろ」とか言ったりするけど、当時自分が考えていたかというと考えていなくて。

ただ一つわかったのは、「自分が世の中のルールの中で、普通に働けないんだ」ということ。こうやっていうと、反発しているみたいなかっこよさがあるけど、全然そういうことでもなくて。

鶴岡:びっくりしました?

家入:びっくりした。未だにびっくりするのが、靴下とか洗濯カゴにちゃんと入れられないんだよね、ぼく。

鶴岡:この前奥さんにTwitterで怒られてましたよね。

家入:でも、最近入れられるようになったの。

鶴岡:すごい。

家入:そう。でも、そしたら今度違うことができなくなったの。

(会場:笑)

家入:だからぼく、結構、何気なくみんながやっていることって実はすごいことなんじゃないかと思っていて。ちゃんと片付けるとか、洗濯物はちゃんと入れるとか、トイレはちゃんと流すとか。

鶴岡:まあでもそれができる人ができないことを家入さんはできていますからね。

家入:や、優しい…まあでも、選択肢として「起業する」っていうのは、ぼくにとってはすごいよかった。結果的にね。

鶴岡:じゃあ、家入さんにとっては「生きるための選択」だったんですね。

家入:そうだね。

「遊びだったことが仕事になる」起業

鶴岡:ぼくとかの世代になると、家入さんの世代より生きるコストが低いと思うんで。遊びの延長線上に近いなっていうイメージはありましたね。昔遊びで没頭していたことが今仕事になっている感じ。多分。わかんないですけど。

ぼくの場合は家入さんが近くにいて、いろんなプロダクトをリリースする環境にいて、それがユーザーさんに使ってもらえて楽しくて、気づいたら起業してたみたいな感じなので、すごくよかったって思いますけど。

でもどうなんですかね。難しいですね。

起業は「やるかやらないか」

鶴岡:この前、うちにインターンに興味がある子の面接をしたんですけど、「起業をしたいから一旦スタートアップとかで働いたほうがいいと思っている。なので鶴岡さんの近くで働けないですか?」って言われて。

家入:まあ、よく聞く言葉だよね。

鶴岡:「無理だよ」って言いました。

家入:なんで無理なの?

鶴岡:教えられるものがないと思ったんです。半年間しかないことがあらかじめ決まっていて、それならその間に起業した方が絶対いいでしょって。

家入:あー、なるほどね。たしかに。

鶴岡:それしないんだったら、普通に就職した方がいいんじゃない?って思って。ぼくは別に起業推奨派ではないけど、「安全策」で起業するっていうのはないんじゃないかなと。「やるかやらないか」しかないと思っています。

家入:かっこいいねえ。

鶴岡:まあ、かっこいいっすよね。(笑)

でも、ぼくの場合は「家入さんがいたじゃん」って言われちゃうと言い返せないですね。

家入:でもぼくは別に何もしてないですからね。確かに、鶴ちゃんはCAMPFIREにインターンに来て、エンジニアって嘘をついて入って来て、そのなかでコードもちょこっと書いたり、マーケもやったり、そのあとLivertyのサービスのお手伝いもしてくれたけど、やっぱり一番変わったなって思うのが、BASEっていう会社を作った直後なんだよね。

鶴岡:嬉しいっすね。

家入:いや、本当に。やっぱり代表という肩書きができた瞬間に、めちゃめちゃ変わった。

鶴岡:多分、他の方々のお金を預かったからですね。学生ながらに。あとは養う人ができてしまったことですね。

家入:あー、社員とかね。

鶴岡:そうですね。

鶴岡:あとは大きなお金を持ったこと。ぼくの場合は最初、家入さんとかEast Venturesさんとかに2500万円くらい投資してもらったのですが、あれは個人的にやばかったですね。「これどうすんだろう?」って思いましたもん。

家入:あ、そう?でもそういうのあんまり表にださなかったよね。

鶴岡:才能っすね、じゃあ。

(会場:笑)

家入:やっぱりそれなりのプレッシャーとか不安とかあるんじゃないかなと思って、「相談して」っていう風には言ったけど、「ないです」みたいな感じだったじゃん。

鶴岡:そうですね。なんか、相談して解決することではないじゃないですか。

家入:確かに。だいたい答えは自分で持ってるもんね。

鶴岡:ぐちぐち言いたいだけの自分が周りに漏れるのが申し訳ないって気持ちでしたね。

でもやっぱり、心安らかにしてくれるメンターの存在はいいですよね。今日、TNKのホームページ見てたら、太河さん(=East Ventures代表パートナー・松山 太河氏)とレオくん(=IF Angel代表パートナー・笠井 レオ氏)がいたので。

家入:いい団体ですね。そこから起業家とかも生まれているんですもんね。金くん(=株式会社Candle代表取締役・金靖征氏)とかもそうですよね。彼も「リバ邸」に出入りしてました。

鶴岡:ぼくがもういない「neoリバ邸」の時代ですね。ぼくのTNKのイメージは「バリバリのリア充」ですね。今見ててもみんな茶髪っすもんね。

家入:茶髪だとリア充なの?(笑)

鶴岡:初期リバ邸は茶髪いなかったっすもん。

家入:確かに。茶髪どころか髪切るお金もなかったもんね。

学生からの質問タイム

お二人が今もっとも注目するサービスとは?

Q.お二人はいままで色々なサービスを作ってこられましたが、今一番注目しているサービスはなんですか?

家入:2週間前に瞬間最大風速できたのはVALUですね。

鶴岡:VALU面白かったですね。

家入:そういえば、鶴岡くんがCAMPFIREでインターンをしていた時は、海外のサービスにめちゃめちゃ詳しかったよね。

「家入さん、このサービスめちゃめちゃすごいっす!」って言って送ってくれるURLがまだ「いいね」が30くらいしかなくて。アメリカ人もまだ気づいてない段階だった。

鶴岡:ぼくからすると、「家入さんにあれをやらないと捨てられる」って感じだったんですよ。

家入:え、そうなんだ。必死だったんだ?

鶴岡:必死ですよ。だってあの頃、ぼく家入さんと1年のうちの400日くらい一緒にいたんじゃないかと思うんですけど、

(会場:笑)

鶴岡:そんなに一緒にいて、1日くらいしかいいこと言わないんですよ。1日で1年分のこというんですよね。

家入:たまーにね。

鶴岡:だいたい1日中2人でパスタ食べて、しょうもない話をして帰るんですけど、こっちからしてみればそこに呼ばれなきゃいけないわけじゃないですか。「今日も家入さんからメッセくるかな」みたいな。…で、なんだっけ?

家入:鶴ちゃんオススメのサービス。

鶴岡:なんだろう。ぼくは、最近色々なところで言っているのはProgate。やっぱ、コードかけるようになるんで。

個人的に一番人生変わったなって思う瞬間はコードかけるようになったタイミングだと思っていて。すごくいいですよね、ああいうプログラム。

家入:たしかに。ゴリゴリの、完璧なものを作れるようにならなくても、ちょこっとしたモックだったりとか。

鶴岡:全然いいと思います。足し算ができるだけでもいいと思いますもん。なんか嬉しくないですか?「1」っていれたら「1」って出てきて。

家入:コントロールしてる感があるもんね。わかる。

鶴岡:Facebook作った人も最初はそんな感じだったと思うんですよね。あの感激が今の何億人を作ったと思うんですよ。

家入:最初の一歩って絶対あるもんね。

鶴岡:今日家に帰ったら、PHPで「Hello,World」って書くべきですよ。

家入:ぼくはいつもそこを「うんこ」に変えるんだよね。

(会場:笑)

家入:まずは文字を変えてみるっていうところから始めるっていうね。

鶴岡:超いいじゃないですか。

家入:そうなのよ。だから全てうんこから始まる。今でも、ぼくもそうだし鶴ちゃんもそうだけど、なんかパッと思いついたものを自分で作っちゃうもんね。

鶴岡:そうですね。だいたい家入さんに「作った」って送って飽きちゃうんですけどね。

家入:そうなのよ。ぼくも鶴ちゃんに送って満足しちゃう。

鶴岡:3時間くらいでだいたいものになるんですけど、やっぱりちゃんとしたものを作ろうと思ったら3時間じゃダメじゃないですか。セキュリティーとか。でもそういうところはもういいんですよ。「動いた」って家入さんに見せられればいいんですよね。

…なんかダメっすね。エンジニアとしては終わってますね。

家入:まあそうだね。

鶴岡:でもやっぱりProgateつかって「Hello,World」書くのは大事ですね。ツイートボタン置いてみるとかね。

喧嘩をすることはある?

Q.お二人はすごく仲がいいですが、喧嘩をすることはあるんですか?

鶴岡:ないですよね。家入さんのいうことはほぼ100%正しいんで。

家入:そうなんですよ。あんまり理不尽なこととか言わないし。

(会場:笑)

家入:でもね、鶴岡くんとか見ていて思うのは、「感情を露わにするのはコスト」みたいなことをいうんですよね。笑うっていうのは楽しいことだからいいんですけど、怒るとか悲しむとか、何かしら「あなたに対してこう思っています」というのを伝えるのはすごく疲れちゃうしコストなんですよね。そういうコストをかけないようにしているよね。

鶴岡:そうですね。いかに楽な空気感を流すかっていう感じですよね。なので、家入さんに限った話ではなく、基本的に誰とも喧嘩しないです。

家入:ぼくもそうですね。

プログラミングを必修化にする必要はあるのか?

Q.先ほどProgateのお話が出てきましたが、今後訪れる「プログラミング必修化」についてはどのようにお考えですか?

鶴岡:要は、自分でやったほうがいいエンジニアになるのではないかっていうお話ですよね?

学生:そうです。あとは「みんながやっていること」にするということについてどのように思うか聞きたいです。

家入:いい質問だね、これは。

例えば、ダンスを必修にしたじゃないですか。あれ本当にはよかったのか、という話なんですよ。ダンスって、ある種のカウンター・カルチャーだったりするわけです。自分たちの思いを表現したりだとか。

あれも、必修になったことによってメジャーになってしまったわけです。それっていいのかね?みたいなのはあるんですよ。

プログラミングでも同じことで、みんなができるようになることはいいことなのか、という話で、あ、でもいいのか。

鶴岡:英語も必修になっているけど、みんな喋れないから、結果プログラミングを必修にしたところで…っていうのはあるんじゃないですか?

家入:確かに。

鶴岡:やりたい人がやればいいんじゃないですかね。これからの仕事がどうなっていくのかというところにもよるんですかね。どうなんでしょう。

家入:Livertyで「青空学校」っていう、無料のプログラミングスクールを合宿でやったことがあったんですけど。あれですごいよかったなと思うのは、無料だけどやる気がある人だけを集めて、その代わりに教えてもらった生徒はそのスキルを生かして、次に繋げるっていうのを新たな教育の形としてやっていましたね。

鶴岡:まあでも、プログラミング必修化に関しては「特に考えなし」ということでいいですか?

(会場:笑)

Web3.0をどのようにみている?

Q.お二人がWeb3.0をどのように見ているのかをお聞きしたいです。家入さんが書いた「さよならインターネット」を読んで、その中にWeb2.0というのが出てきたのですが、Web3.0にはあまり触れられていなかったので。

(Web2.0...送り手と受け手が流動化し誰でもがウェブを通して情報を発信できるように変化したウェブ)

家入:ぼくはインターネットは、1回国境で閉じられると思っていて。だって国にとってインターネットの存在は「害悪」でしかないんですよ。

鶴岡:他国のインターネットが害悪?自国のインターネットも害悪?

家入:他国だね。だから一旦国内にネットを閉じ込めたほうがいいという考えになってきているはず。そうなった時に何が起こるのかを予測する。

鶴岡:そうなるのかはわからないですけど、それは僕らにとってはいいですよね。Twitter作るチャンスがあるということですもんね。

家入:そうだね。で、マストドンとかもそうなんだけど、物理的に閉じられたネットワークが増えていくと思っていて。マストドンって、緩やかに別のインスタンスに繋がると思うんだけど、あれもいらないと思うんだよね。

鶴岡:なるほど。じゃあミニTwitterがたくさんできるのが良いと。

家入:ミニTwitterのようなものだね。やっぱり今回、インターネットが広がって、「分かり合えないこと」がわかったとおもうんだよね。

「肌の色とか言語が違っても人間は分かり合えるよね。それがインターネットの良さだよね」っていうのが、実は違ったんじゃないか、とぼくは思っていて。

話は戻るんですけど、「人は分かり合えないもの」なんだっていうのが今のステータスだとおもっています。

だから分かり合える人たちだけで繋がって、そこで流れる情報とか投稿される絵とか、そういうものが他には一切流れない中にみんな閉じこもっていくんじゃないかなと思います。

ん?これ Web3.0かな?

(会場:笑)

学生:自分は、Web3,0はVRやクラウドAIなど、今まで「便利」というレベルだったものが「より豊かなもの」になって、本当にやりたかったことや表現されるべきだったことを表現できるレベルにやっと技術が追いついたと思っています。

家入さんたちからしてみればWeb3.0は「理想郷」のようなところだと思うのですが、「理想」に近づいているという感覚はありますか?

家入:でも、そうですね、Clusterとかめちゃめちゃ面白いですよね。

ぼくも中2から引きこもりだったので、「引きこもりを加速する」っていうあのキャッチコピーとかもすごくいいなと思います。

物理的には家から一歩も出られないんだけど、実際に集まって会話するとか、すごいよね。

昔、セカンドライフ(=3DCGで構成されたインターネット上の仮想世界)というのがあったんですけど、ご存知ですか?ぼく、セカンドライフでめちゃめちゃ島持ってたんですよ。

要は自分のアバターみたいなものがいて、その空間の中を走ったりできるんですけど、そこで店を作ったりして。

家入:「リンデンドル」という仮想通貨があるんですけど、それで実際に億万長者になった人もいて。これはもう、「これからの新しい世界が生まれる」というようなところまできたんですけど、なんかヒューンと下がって、うまく行かなかったですね。

あれはきっと、みんなの持っているPCのスペックが追いつかないとか、アバターがリアルすぎるとか、そういう問題があったんだと思うんですね。

鶴岡:VRでも同じことが起こっていますね。スペックが追いついていない。

家入:だからもっとその辺が解決されていくと面白くなるなと。

ぼく、実際には4畳半に住んでいたんだけど、セカンドライフの中ではめちゃめちゃ島持っていてちやほやされていたので、その人にとっての「リアル」ってどっちなんだろうっていうのをすごく考えますね。

鶴岡:めっちゃわかります。

家入:たとえば、足が不自由な人が、その世界の中ではめちゃめちゃ走って跳び回れるんだとしたら、その人にとってのリアルってそっちになるんじゃないかなって。

でもそういう世界がやってきている感じはありますよね。今のテクノロジーの進化で。

あとぼくが思うのは、今ってこれだけ時間の取り合いになっている訳じゃないですか。ゲームとか、動画とか、AbemaTVとか。

これだけ起きている時間の取り合いになっていて、唯一手付かずなのが、「睡眠」なんだよね。

鶴岡:家入さんらしい。

家入:本当?人間の1/3は睡眠だよ。だから、90まで生きたとしても30年は睡眠だよ。

鶴岡:やばいですね。先に30年寝ておきたいですね。

(会場:笑)

鶴岡:やっぱ未来見たいじゃないですか。今めっちゃ思うのは、200年後のインターネット見れないのはすごい残念だなって思いますね。

家入:悲しいね。それ。

鶴岡:絶対「だっせ」って言われてますよ、200年後。

家入:それ辛いね。我が子が大きくなって結婚するのを見たいより、200年後のインターネット見たいという気持ちの方が勝ってるもん、今。

だから200年後のインターネットを今作るしかないよ。「これが200年後のインターネットです」って。

鶴岡:でもそれって結構大事かも。だって、インターネット好きは「200年後のインターネット見たい」って思っているわけじゃないですか。だってザッカーバーグの孫がプロダクト作っているんですよ。

家入:たしかに。

現在、モチベーションになっているものは?

Q.質問が家入さんに寄ってしまうかもしれないのですが、「自分に居心地がいい空間をつくるためにインターネットを活用してきた」というような部分で、今は上場した会社も作って、インターネットの楽しさも満喫して、社会的な評価も付いてきて、自分の居心地の良さが一定数保たれていると思うのですが、今、それを作り続けるモチベーションになっているものは何なのでしょうか?

家入:綺麗事のように聞こえてしまうかもしれないんですけど、「自分がどうなりたい」というのは正直なくなりましたね。

鶴岡:昔はあったんですか?

家入:あった。ずっと家が貧しかったので「お金欲しいな」とか。あとは中2から引きこもりで異性と接する機会がなかったので「モテたい」みたいなのもあったし。

鶴岡:でも今はなくなったんですね?

家入:全然なくなったね。どこへいっちゃったんですかね。

鶴岡:今のモチベーションは何なんですか?

家入:日本の行く末、かなあ。

鶴岡:龍馬っすね。

家入:ブッダかな。

鶴岡:あ、そっち側っすか。

家入:それこそ、さっきの「study gift」あたりからずっと意識が変わっていて。「学費が払えない人たちのために学費を集める」って、最初は目の前の人たちが困っていたから何とかしてあげたい、というところから始まったんですけど、ぼくが払ってあげちゃうと1回きりで終わってしまう。

そうじゃなくて、大勢の人たちから集めれば、援助してもらった方がゆくゆくは同じ境遇の人にために援助をして…という風に続いて、「良きメンター」みたいな人が日本中に増えるなと思って、それを仕組みにしたくて始めたんですね。

でも結局炎上してしまって、色々考えることはありまして。「これから先、貧富の差が拡大して学費を払えない人って増えていくなあ」って思いました。

鶴岡:インターネットによって、貧富の差はなくなるんですか?

家入:ぼくは拡大していくと思う。

フィンテックも、「テクノロジーで金融の仕組みをアップデートする」みたいなことを言っているけど、何も考えずにやっちゃうと、お金を持つ人はさらにお金を持って、お金を持っていない人はさらにお金がなくなって、貧富の差が拡大してしまうと思うんだよね。

家入:そういったときに、ぼくは、お金がネックになって声をあげられないだとか、地方に住んでいて情報を得る機会が少ないだとか、そう言った人たちのために何ができるかっていうのをすごく考えたいし、インターネットっていうのはそう言った人たちのためにあるものだと信じたい。

ぼくの家が貧しかったとか、いじめにあっていたとか、引きこもっていたとか、そう言った物語の延長線上にあるのは、「こんな状況の時にこういうものがあればよかったのにな」っていうのを作り続けているだけなんです。

なので、今のモチベーションはそこにありますね。

きっと、長期的な目で見ても日本の経済は小さくなっていくし、経済が小さくなると国が担っていたセーフティーネットのようなものが担えなくなるのは目に見えていて。

そうなったときにこぼれ落ちていく人のための場所を誰が作るのかっていうと、国じゃなくて民間の企業やサービスやプラットフォームなんだろうなあと思っているので、そこは作っていきたいと思っています。

なので今、地方で生きる人たちの中にヒントがあるんじゃないかと思っていて。

スーパーグローバルか超ローカルかの二極化が進んでいくと思っているので、課題が積もっているローカルにフォーカスを当てて活動しています。

今でも「深刻な壁」は存在する?

Q.先ほどの質問の続きになりますが、未だに「深刻な壁」や「深刻な生きづらさ」は存在するのでしょうか?

家入:ぼくもそうだし、世間一般的に見てもそうかもしれないんですけど、人間って戦う相手をすぐ間違えるなと思っていて。

生きていると、例えばライバルみたいなサービスや、クレームを言ってくるユーザーや、社内での揉め事やプライドや、そういうものでいちいち怒ったりして、ムキになって戦ったりするんだけど、間違った敵と戦うと本質からずれちゃうんだよね。

僕らが目指すべき世界があって、CAMPFIREという会社で実現したい世界があって、僕らはそこを目指すためにやるべきことをやればいいはずなのに、なんかみんなすぐに間違った敵を見つけて戦ってしまうというか。

例えばTwitterを見ていても、「反原発」とか色々な思想が飛び交っていると思うのですが、自分の信じる思想を信じて戦えばいいのに、それを叩いてくる人たちに対して戦ってしまったりとか。「それって何のための戦いだったっけ」みたいなことが世の中すごいいっぱいあると思うんですよ。

だから、戦う敵を見誤っちゃいけないなというのはすごく思いますね。戦う敵は自分自身、ということですね。

鶴ちゃんは敵いる?

鶴岡:ぼくは敵いないですね。

家入:鶴ちゃんがいうと無敵っぽいな。

(会場:笑)

起業したい学生はどのようにお金を回せばいい?

Q.先ほど、貧困の格差だったり、ファイナンスというお話が出ましたが、自分で何かサービスを作ったり起業したりしたいという人は、どのようにお金を回せばいいのでしょうか?

家入:一つは、「いかに小さく立ち上げるか」ということだと思います。

戦い方ってあると思うんですよね。DMMができる戦い方もあれば、まだ力のない学生の戦い方もある。お金がないうちはゲリラ的に戦うしかないと思っていて、お金をいかにかけずに物事を立ち上げるかということですかね。

鶴岡:これは結構難しい問題だと思っていて、ぼくはたまたま家入さんに出会えて、サービスを作ったら投資してもらえて、自動的にお金を預かる立場になって。すごく恵まれていたんです。

うちの会社はEast Venturesさんが口座も作ってくれて、気づいたら2000万円振り込まれていましたからね。これは超恵まれているパターンです。

家入:それは鶴ちゃんが頑張っているから期待して入れてくれたんだと思うけどね。

鶴岡:でも、頑張りが見えたから良かっただけで。ビジネスにおいてその人がどれだけ頑張ったかなんて見ないじゃないですか。

家入:そうだね。ぼくは事業の計画書も見ない。だって事業計画通りにいったら、世界中の会社がうまくいっていますからね。だから「何をやるか」というよりは、「目の前にいる人間がどうやるか」っていうことをしっかりヒアリングしないとね。

鶴岡:じゃあ、いい人だったらお金が集まる?

家入:いい人の定義も曖昧だけどね。鶴ちゃんはどうやってファイナンスの勉強したの?

鶴岡:太河さんに、全部任せました(笑)信じてたので、「ぼくが将来困らないようにしてくれればいいです」とだけ言いました。

家入:素晴らしいね。

鶴岡:これは太河さんだったから良かっただけという説もありますよね。巷には怪しいところもありますからね。

家入:でも、「いかにいろんな大人に振り回されないようにするか」っていうのもすごく大事です。特に学生のうちなんて、いろんな大人がいろんなこというと思うんですよ。

でも、結局決めるのは自分自身だし、それこそ鶴ちゃんみたいに「この人」というのを決めるべきなんだけど、不安だからいろんな大人に相談して時間が過ぎていったりとか、「投資するから」という甘いことばに振り回されたりとか、そういうこともいっぱいあるんですよ。

でも最終的に言えるのは、「打席に立ち続けた人」だけが成功できるんじゃないかなあと思うんだよね。みんな打率をあげようとしちゃうんだけど、そうじゃなくて、打席にめちゃめちゃ立ち続ける人間が最終的に勝つんだろうなと思う。

人間ってそんなに強くないから、1回か2回失敗したら「もうダメなんだろうな」って諦めてしまう人が多いんだけど、そこで諦めずに打席に立ちつづけることが大切なんじゃないかなあと思いますね。

ぼくの知り合いのナンパ師も同じようなこと言ってましたよ。

(会場:笑)

鶴岡:結論は、EastVenturesにいくのが良いということで。

あとがき

2週にわたってTNKの勉強会の内容を全文掲載いたしましたが、いかがでしたでしょうか。

TNKは、「日本最大の起業サークル」として、創業以来数々の起業家を輩出してきました。その中にはすでに上場している株式会社Gunosyの福島良典氏や、2016年クルーズ株式会社にM&Aされた株式会社Candleの金靖征氏などがいらっしゃいます。

そのような実績を重ねている背景には、本イベントのように、上場企業経営者などの話を聞き必要なインプットを重ねるなど、たゆまぬ努力があるのです。

また、本イベントの協賛をしているEast Ventures様は、協賛だけではなく、VC(ベンチャーキャピタル)として100社以上のベンチャー企業に投資をし、成功に導いています。その中には「グノシー」や「KURASHIRU」といった多くの学生に馴染みのある会社も名を連ねています。

その裏にはこのような学生への機会提供をはじめとした、多くの活動があるのです。

次回は、TNKのビジネスコンテストの様子を紹介いたします。

ビジネスコンテストはTNK出身の起業家を審査員にお呼びする、TNKのビッグイベントの一つです。「知的生産性・リーダーシップ・チームワーク等、あらゆる力が試される」ビジネスコンテストに密着しました。

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