〜人材業界のプロフェッショナルが語るキャリア論〜

須田:そもそものところなのですが、高野さんって転職・中途採用回りのプロフェッショナルでいらっしゃいますけど、大学生・就職活動生と話す機会ってあったりするんですか?

高野:最近は結構話していますよ。JEEKさんが主宰する就活イベントやらなんやらにキャリアアドバイザーとして顔をちょこちょこ出しています。

須田:高野さんから見て学生さんの指向性とか考え方ってどう見えるんですか?僕も結構学生さんとは話すんですけど、まだまだとりあえず『安定』、『大手』、『商社・金融・メーカー』みたいな考え方が主流じゃないですか。

高野:大手VSベンチャーみたいな対立軸で、ベンチャーの方がいい、大手の方がいいとかいう人いますけど、私は、結局その人次第だと思うんですよ。大手が合う人もいれば、ベンチャーが合う人もいる。だから、一番大事なのは「自分の適性を知って、自分に合っている会社・組織を選択する」ことなんじゃないですかね。

須田:例えば高野さん的に、大企業とベンチャーの違いを学生さんに説明するとしたらどんな説明しますか?

高野:大手は人がたくさんいて、その規模で事業を動かしていくわけだから、どうしても仕事は細分化されていきます。対して、ベンチャーは人数も少ないですし、事業をどんどん伸ばしていかないといけない。そうなってくると、そこではいろんなことにチャレンジしていくことが求められます。なので、「いろんなことをやってみたい、挑戦していきたい!」という人にはいいんじゃないですかね。自分の適性が大事ということだと思います。

〜自分の適性を理解したリクルートでのインターン〜

須田:高野さんがご自身の適正に気づいた原体験とかってどんなのですか?

高野:実は、私、学生時代にアルバイトをクビになってるんですよね。

須田:いきなり意外なエピソードがでてきたね。笑 

高野:本屋でバイトしてたんですけど、そこでずっと「どうしたら売り上げが上がるんだろう」て考えてたんですよね。だって、経済の授業でそう習ったんですよ。笑 だから、本屋のバイトではどうしたら売り上げが上がるか、もっと言えばお客さんはどうすれば本を買ってくれるかを考えてました。

須田:へー。それで何しでかしたんですか?

高野:その本屋のバイトメンバーの中に2人すごくかわいい子がいて、しかも、結構その2人のファンみたいな人もいるんです。だから、そこでこの2人の女の子に本のレビュー書いてもらって、売り場に出してみたらその子たちのファンが買ってくれるんじゃないかと思って、その子たちにお願いして書いてもらってやってみたんですよ。そしたら結構効果はあって、実際に売り上げも伸びたんですよ。ただ、店長に相談せずにやっていて、それがばれたときに「勝手なことをするな」と怒られてそのままクビになりました。

須田:売り上げに貢献したのに、随分な話っすね。

高野:今思えば仕方ないんですけどね。店長には店長の守るべき規定があり、それを侵してしまう不穏分子は取り除かないといけないですからね。それも立派な仕事です。ただ、やはり自分で好き勝手やれる方がいいな、と思うようになりました。さらに、この業界にいく決め手になったのは、リクルートのインターンでお会いした方から言われた言葉ですね。

須田:リクルートのインターンにも行かれたんですね。当時なんてインターンって言葉すらなかったですし、リクルートもまだいかにもベンチャーベンチャーな感じの時ですよね。

高野: そうですね。当時そこで一緒に働いていた学生も社員も、めちゃめちゃ面白い人ばかりでしたね。就活でテレビ局、商社、コンサルとか言った人もいれば、ワークライフバランスに関して後に起業された小室さんとかもいらっしゃいました。 僕がその中でも一番お世話になったのが小笹さんで、「自分の適性を客観視して、いかに能力を最大化していくかを考えろ」という言葉をいただきました。この言葉は未だに覚えてますね。そして、これまでの経験から、自分の適性を考えた時、それがたまたまベンチャーだったんですよね。 現在の僕のキャリアがある理由は小笹さんとの出会いがあったからですね。

須田:その頃人との出会いが非常に重要だったんですね。そして新卒でベンチャーだったインテリジェンスへ入社されたと?

高野:そうです。インテリジェンスはまだ100人くらいの時に入社しました。2個上にはサイバーエージェントの藤田さんとかいましたね。そこから6年間転職支援と人事業務をしていたのですが、学生時代ノートを借りることや笑、優秀な人を見つけること、コミュニケーションで工夫することが得意だった自分にとって、"自分の適性に合ったキャリア選択"ができたなぁと今でも思います。

〜会社って意外とつぶれない〜

須田:僕も高野さんも長らくベンチャー界隈にいるけど、学生からのベンチャーの地位って結構低いですよね。よくわからない、怖い、ブラック。三菱商事ならとりあえず安心みたいな。『ベンチャーとか中小行ってつぶれたらどうするんですか』とか聞かれたことも一度や二度ではないですね。

高野:これ、学生の皆さん意外に思うかもしれないんですが、ベンチャーってなかなか潰れないんですよね。もし仮に潰れたとしても、ヘッドハンターが来て、企業を紹介したりする。厳しい経験をしてきた人、最後まで粘り強く仕事をしていた人って、他の企業さんからも見ても重宝されるんですよ。以前、とある企業が潰れるというニュースを知り、すぐにそこで働かれている方に連絡を取ったのですが、すでに次の企業が決まっていました(笑) それに最近では、大手企業も潰れたり、人を解雇したりしてます。そういった意味でいうと、ベンチャーも大手も大してリスクは変わらないんですよ。

須田:ベンチャーって言葉自体が「冒険」って意味があるから、大手よりもリスクが高いって思ってる学生は多いかもしれないですね。

高野:そうですね。確かに「ベンチャー」だとそういうイメージですよね。昔はそのイメージで正しかったのかもしれませんが、今はどんどん変化してますよね。例えば、お金に関していうと、CFOクラスの人を採用するとき、以前は800万くらいもらえればすごいね、って感じでしたが、今では1200万だしてそこに結構な割合のストックオプション※をつけるとかして優秀な方を引き付けるみたいな企業も増えてきています。 それにどんどんベンチャーも高学歴な人が増えてきていて、学生さんのイメージとは違うと思います。

※ざっくり説明すると、上場した際や、株価が上昇したを際に、その金額の一部を受け取ることのできる権利

須田:あとブラックっていうイメージも結構変わってきましたよね。昔はとにかくとにかく働いていましたけど。

高野:その辺は、ベンチャーも大手も本当に企業次第ですよね。学生さんに人気の大手企業の中にも実は激務なところとかブラックなところたくさんありますし。もし本当にホワイトなところに行きたいと思うのであれば、公務員になるのが一番いいと思います。ただ霞が関は例外です。あそこは激務なので。地方公務員とかがおススメですね、ホワイトがいいなら。

〜自分の適性を見つけるためのインターン〜

須田:結局自分がどういう適性を持っていて、その会社・組織とフィットしているかが大事ですよね。

高野:そうですね。最初にも言いましたが、ベンチャーが素晴らしくて、大手がだめ、というわけではぜんぜんないです。結局はその人自身に合っていればどちらに行かれてもいい。ただ、「周りが行くからなんとなく大手」はよくないと思います。きちんと自分自身と向き合って適性を見ていくことが大事です。

須田:そういう観点でやっぱりインターンっていいですよね。特に長期インターンだと実際に仕事もできるので、自分がどんな適性があるのかも分かりますし、実際に仕事をする中で成長もできますし。昔僕の下でインターンしていた子なんて30歳くらいで上場企業の取締役ですし。

高野:本当その通りだと思います。学生時代は、いろんな会社を見ていくことができる絶好の機会です。この時期から、ぜひいろいろな企業のインターンに参加してみて、その経験から自分の適性をみていけばいいと思います。ベンチャーのインターンは実はけっこうよくて、外資銀行、コンサル、商社、広告代理店出身の人など多様な人がたくさんいます。その人たちと話をしたり、仕事を一緒にする中で、自分は何が合っているのかを考えていけばいいと思います。そこで大手だと思えば大手に行けばいいし、ベンチャーだと思ったならベンチャーに行けばいい、ただそれだけじゃないですかね。

須田:インターンして、遊ぶ時は遊んで、適度に大学行って(笑)。そんな大学生活がいいっすね!

高野:(笑)。ですね!

一番大事なのは「自分の適性を知って、自分に合っている会社・組織を選択する」と語る高野氏。 適性を知るために、学生時代にいろんな会社を見ることができるインターンシップをしてみませんか?

株式会社キープレイヤーズ代表取締役CEO 高野 秀敏 東北大学経済学部出身99年株式会社インテリジェンス入社。2005年人材紹介の株式会社キープレイヤーズ設立。代表取締役に就任その他20社以上の社外役員、アドバイザー。エンジェル投資+ベンチャーファンド(SkylandVetunres)を通じた投資、シリコンバレー(Scrum Ventures)を通じた投資、バングラデシュ進出コンサル、海外投資、バングラデシュ不動産会社にて投資、開発。 経歴 1999年 株式会社インテリジェンス入社 2005年 株式会社キープレイヤーズを設立 2009年 株式会社メドレー、取締役に就任 2011年 株式会社クラウドワークス、取締役に就任 ⇒2015年 退任 2012年 keyplayers bangladesh設立

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