「ブラック企業」 この言葉を聞いたことのない大学生は、今やほとんどいないでしょう。では、いったいどのような企業が「ブラック企業」に当たるのか理解できていますか? なんとなく「ブラック企業は良くない企業だ」と知っているだけでは、いざ就職活動をするときに、ブラック企業とそうでない企業を見分けられません。 今回は、ブラック企業とはどのような企業なのかという基本から、見分け方までをご紹介します。
ブラック企業とは?
一般的に、利益を追求するあまり従業員に劣悪な環境での労働を強いる企業を、「ブラック企業」と呼びます。 従業員を使い捨ての駒のように扱い過酷な労働をさせ、従業員が辞めると新たな人員を雇うと言われています。 他にも、「法令に抵触する条件での労働を強いる」、「サービス残業・長時間労働を強いる」、「パワーハラスメントが蔓延している」などがブラック企業の特徴です。 辞めようとしても、「労働契約書を書かせてもらっていない」、「退職届が受理されず自己都合退職や懲戒免職になる」などの理由でなかなか辞められない場合もあります。

厚生労働省の基準
近年では、ブラック企業従業員の過労死や自殺が社会問題として広く認識されるようになりました。 これを受け、2015年5月より厚生労働省が定めた基準を満たす企業は「ブラック企業」として社名を公表される方針が実施されています。 条件は、 (1)残業代不払いなど労働基準法違反があり、1か月あたりの残業、休日労働が100時間を超えている (2)1事業所で10人以上の労働者、または事業所労働者の4分の1以上に違法な長時間労働がある (3)概ね1年間に3か所以上の事業所で違法な長時間労働がある の3つで、従業員300人以下などの中小企業は対象から除かれます。 http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000085321.pdf
ブラック企業の見分け方
大手のブラック企業に関しては、上記の通り厚生労働省の発表でも知ることができます。しかし、厚生労働省の基準に満たずとも劣悪な雇用環境の企業は存在します。 そういった企業には、「離職率が高い」、「1年中求人を出している」、「給与が相場より異常に高い」などの特徴があります。 ただし、これらの特徴に当てはまったからと言って必ずブラック企業だというわけではありません。情報を集め、比較・分析することが大切です。 手軽に情報を集める手段としてはインターネットの口コミサイトや掲示板があります。必ずしも正確な情報とは限らないので、情報をよく吟味する必要があります。 その他には、OB訪問などで実際に社員の方にお話を聞くという方法があります。 「お休みのときは何をしていますか?」、「一番最近のお休みはいつでしたか?」などと尋ねれば、婉曲的にその企業の勤務状況を把握できます。実際に企業に足を運び、雰囲気を感じることも大切です。
いかがでしたか? 就職は人生を左右する大事なイベントです。せっかく志望して入社したのに、体を壊してしまうほど働かされるのはもってのほかですよね。 入社してから後悔しないために、優良な企業をしっかり見分けておきましょう。