インターンシップや就職活動におけるエントリーシートで、必ずと言っていいほど書かされるのが「自己PR」です。今回は具体例を用いて、自己PRの書き方について、ご説明します。
自己PRでは何をPRするべきなのか?
自己PRは文字通り「あなたをPRしてください」ということです。ただし、PRならば何でもいいわけではありません。
例えばIT企業の選考のエントリーシートに、「私は100種類の料理を作ることができます。」と書いても、ただ面接官のお腹を空かせるだけでしょう。
必要なことは、「私にはこういう能力があり、御社にこう貢献できます。」という自分を売る点まで落としこんで内容を書くことです。
相手に響く自己PRのために必要なことは?
せっかく自分の事を相手に紹介する機会を与えられても独りよがりなものでは意味がありません。相手に響く自己PRを心がけましょう。
①企業の事業概要や仕事内容、社風から、その企業が求める強み(適正)を導き出す
②自分にあるいくつかある強みの中から、その企業が求めている強みを選ぶ
③過去の客観的事実をもとにその強みを ロジカルに説明する
この3つを抑えることが重要です。
自己PRの文章の流れとしては
私の強みは〇〇です
→私は過去の△△の経験から自分に□□な強みが備わっていると自覚しています。
→御社の仕事は☆☆であると認識しており、そのような環境で私の強みは最大限発揮できると考えております。
と書くと、論理的で分かりやすいです。

自己PR実例
では実際に、ある学生さん通過した外資系投資銀行の自己PRを例に考えてみます。
私の強みは「複雑な作業を最後までやり遂げる精神的・肉体的なタフさ」です。これはM&Aコンサルティングファームでの長期インターンで身につきました。私は社員の一人として、ピッチの作成やデューデリジェンスのサポートなど、自ら積極的に手を挙げて幅広い仕事を担当しておりました。 半年にわたる社内プロジェクトを任された際も、最終成果物の決定→各コンテンツに細分化→タスク・アクティビティの決定、と作業を視覚的にまとめ、納期や人的資源、予算を考慮した計画を立て、プロジェクトに取り組みました。複数の部署を巻き込むプロジェクトであったため、何度も問題が起こりましたが、その都度スケジュールを立て直し、最終的な納品まで責任を持って行いました。 このようにインターン期間中、自身のキャパシティの範囲を少し上回る量の仕事を昼夜問わず楽しみながらこなしていました。投資銀行業務は、徹夜が数日続くこともある、ハードな仕事であると認識しております。私はそのような環境に適応できるタイプの人間であると自負しております。
上記文章を作成するまでのプロセス
まずこの文章を作成するのにあたり、
企業の特徴を考えます。
①海外に本社がある企業であり、英語力が必要である。
②激務であるため、体力と精神力がないとやっていけない。
③単年~数年での収益の最大化が求められるため、新卒でも即戦力が求められる。
④当部門はチームプレイである。
⑤狩猟民族的な企業(業界)である。
⑥変化の激しい業界なので適応能力が求められる。
⑦数字を扱う業界なので、数字に対するセンスが必要。
……などがこの企業では挙げられました。
次に、自己PRの洗い出し→その中から企業にあったものの選択を行います。
自己PRの候補
・一定レベルでの専門的知識やスキル
→学部レベルなので大したPRにはならないと判断
<M&Aコンサルでのインターン>
・ピッチ作成やデューデリのサポートなどの実務経験あり、即戦力となること
・激務であったため、体力・精神力があること
・0から物事を作り上げる力(社内プロジェクトを担当したことがあったため)
・チームマネジメント力 などなど
→他の応募者が経験してなさそうなエピソード、かつ効果的なPRができる
・英語力があること
→自己PRとしては弱い。
・チームマネジメント力 ・0から物事を作り上げる力
→インターンの経験とPRポイントは似ているが、インパクトが弱い。
ということで、M&Aコンサルでの経験を書を用いて、②と③についての文章を作成しました。 ある程度の優秀さと社風へのマッチングが証明できればエントリーシートは通過します。
その他のことについては面接で話すようにすればよいでしょう。 あまりESに詰め込みすぎると、何を伝えたいのかが分からなくなってしまいます。
どの文章を書く際にもロジカルに書くことは忘れないようにしましょう。
しかし、今までロジカルに文章を書く訓練をしていない学生が突然、論理的なESを書くことは不可能です。
ESの参考書を購入して記入するのも一つの手ですが、時間もお金もかかってしまいます。 効率的かつ秀逸なESを作成するためにはプロの添削をしてもらうことが最も効率的でしょう。
自己PRのネタになるような経験がない場合
今からネタを作ることをお勧めします。 アルバイトやサークル、研究の経験などからも作成することは可能です。
しかし、多くの就職活動生がそれらの経験をもとにESの作成や面接に臨みます。 そのため、『印象に残りづらい』との人事担当者からの声をよく耳にします。
内定を勝ち取るための経験としては、長期インターンをお勧めします。 私は、3年時の7月から5カ月ほど長期インターンに取り組み、12月から就職活動を始めました。
面接では長期インターンの話が中心でした。 面接官の反応はかなり良かったという印象があります。 結果として、第一志望を含む複数の企業からオファーを頂きました。
多くの就職活動生がサマーインターンを考えていると思いますが、長期のインターンも選択肢として考えても良いのではないでしょうか?
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