いまさら聞けない!「インターン」って知ってる?
最近、耳にすることが多い「インターン」。本来は学生の就業体験を意味し、学生のうちに実際に企業で働くことで、将来社会で働くということを明確にイメージすることを目的として作られた制度です。
もちろん、企業側にもメリットがあります。学生に入社前に自社の業務内容や雰囲気を体感してもらうことで、入社後のミスマッチによる離職を防ぐことができます。
若者の高離職率が叫ばれる(日本の若者の3年以内の離職率は20%)今日において、学生と企業との双方にメリットのある制度として、インターンは注目を集めています。
しかし、普通に大学生活を送っていても「インターン」という単語を耳にすることはなかなかありません。大学3年時の10月など、就活直前期に初めて耳にしたという方も多いのではないでしょうか。
企業の間では注目されるインターンですが、日本の学生にはなかなか定着していないのが現状です。そこで今回は、学生が将来について考える最良の機会であるインターンについて解説していきます。
短期インターンと長期インターンて何が違うの?
インターンには、短期インターンと長期インターンの2種類あります。両者は大きく性質が異なります。それぞれ企業が開催する理由も、学生が参加する理由も異なります。
「短期インターン」と「長期インターン」、同じインターンと呼ばれますが、それぞれ正しく理解して参加する必要があります。以下では、両者の違いを簡単に説明します。
短期インターン
短期インターンとは?
大学3年生になってからよく耳にするのが、短期インターン。夏休みや冬休みに、1日から数週間に渡って開催されます。開催企業は、大企業からベンチャー企業まで様々ですが、開催の目的は共通しています。新卒採用のためです。
優秀な学生と早期に接触し、自社に入社してほしいという意図で各社開催しています。そのため、対象は大学3年生です。
さらに言うと、学生時点で何かに秀でている優秀な大学3年生です。当然、誰でも参加できるわけではなく、筆記試験や面接により参加学生を厳選します。
インターン参加者のうち特に活躍した学生には、面接が免除されたり、内定が出ることもあります。
短期インターンの内容
短期インターンの内容は様々ですが、 開催期間とある程度相関があります。半日から1日の短期インターンは、企業説明会や社員の方との座談会が中心です。
2日以上のものは、社員の方に面倒を見てもらいながらグループで新規事業を企画したり、社員の方と机を並べて業務を体験するといった内容が用意されていることが多いです。
数日間に渡る、社員の方と交流がある短期インターンのほうが、参加学生の満足度は高く、その分人気になります。
結局、短期インターンは、内容こそ様々ありますが、企業側は「入社してほしい」という思いで開催し、学生は「入社したい」という思いで参加します。
したがって、双方のアピール合戦の色が濃くなります。そのため、短期インターンは、冒頭で説明した「学生に対するキャリア教育の一環」というインターンの本来の主旨が失われ、新卒採用の一環という側面が強くなっているのが現状です。
しかし、業界のことを知ったり、興味のある企業の雰囲気を知るには有意義な機会です。3年生になったら、よく分からない業界や、興味のある業界の短期インターンは積極的に参加するようにしましょう。
長期インターン
長期インターンとは?
インターンの本来の主旨である「学生のキャリア教育の一環」の性格を残すのが、長期インターンです。3ヶ月から数年間、実際に企業で働き、一社員と同じような仕事をします。
長期インターン開催企業は、主にベンチャー企業です。ベンチャー企業が長期インターンを募集する目的は一つです。
会社の戦力となる若い人材に自社で活躍してほしい、さらには早期から育成して最終的には自社に即戦力として入社してほしい、という意図があります。
そのため、大学3年生に限らず、1・2年生も参加対象となります。
むしろ、1・2年生は長期間かけて育成できるため重宝されますし、実際長期インターンに参加する学生の約50%は1・2年生です。
短期インターンと同じく、もちろん誰でも参加できるわけではありません。しかし、選考時点での能力を評価される短期インターンに対し、長期インターンの選考では、その学生の成長可能性を評価します。そのため、能力よりも、熱意・成長意欲・素直さなど人柄がより強く評価されます。
長期インターンに参加し、活躍したり、将来活躍すると思ってもらえれば、そのまま内定をもらい入社するというケースもありますし、養った実力をもって難関企業の選考を突破し、入社することもできます。
長期インターンの内容
長期インターンの内容は、企業によって様々です。しかし、どの企業でも一社員と同等の業務に取り組みます。
また、短期インターンと異なり、長期インターンでは、営業・企画・マーケティング・事務・エンジニア・デザイナーなど企業内の部署に配属されます。その中でより専門的・実践的な知識やスキルを習得することができます。
長期間で様々な業務に挑戦する中で、自身の適性や価値観を実感することができ、「将来こんな仕事がしたい」「こんな仕事なら自分の強みをいかせそうだ」ということを明確にイメージすることができます。
また、長期インターンは、長い人だと数年間継続することができ、その間は大学生活と両立することになります。そのため勤務時間は非常に融通が利く場合が多いです。
週2日勤務から始められたり、授業終了後16時から勤務を開始できたりと、企業側も学生生活に対して寛容です。
さらに、短期インターンは無給なことが多いですが、長期インターンは有給です。時給1000円程度で給与が支払われるため、アルバイトの代わりに始める人もいます。
まとめると、長期インターンは、企業側は「熱意ある学生を育て、最終的に自社に入社してほしい」という思いで募集し、学生側は「成長したい」という思いで挑戦します。
そのような環境下で、学生は様々な業務に挑戦する中で、自身の能力を高めつつ、将来自身がどのように働きたいかを実感することができるなど、様々なメリットがあります。
どうすれば参加できるの?
短期インターンと長期インターンは、大きく性質が異なるため、参加するための方法も異なります。
短期インターンは、就活サイトに募集企業が掲載されています。エントリーシート、筆記試験、個人面接、グループディスカッションなどを通して選抜され、各選考を通過すれば参加が決定します。人気企業になると、倍率は1000倍を超え、選考を通過するだけでも一苦労です。
長期インターンは、JEEKなど長期インターン情報サイトに登録して、企業を探します。一般的には、エントリーシートを提出し、個人面接を通過すれば参加が決定します。
倍率は10倍~50倍程度と、短期インターンに比べると倍率は低いですが、やはり難易度は高いです。何社かにエントリーして複数回面接を経験し、選考に慣れることが必要です。
しかし、特別なスキルを求める企業は少ないので、ご自身の熱意をしっかりとアピールできれば、参加することは難しくはないです。
JEEKでは、選考経験が全くない方でも専属のアドバイザーがついて、エントリーシートの添削、企業選び、面接対策、アフターフォローまで徹底的にサポートします。長期インターンに少しでも興味がある方は、ぜひインターンエントリー会にご参加ください。
インターンで何ができるの?
ここまで、短期インターンと長期インターンの概要と参加方法の違いを見てきましたが、次は内容の違いについて解説していきます。
短期インターン
短期インターンは、業界理解や企業理解、社員との座談会といった簡易的な説明会型のコンテンツから、新規事業立案、業務体験など実務型のコンテンツがあります。
当然多くのことを学ぶことはできますが、短期間であることから、成長は限られています。むしろ、それまでに培ってきた実力を試したり、学生の中での自分の位置を知る、という意味合いが強いです。
長期インターン
一方、長期インターンは、企業内の各部署に配属され、数か月間に渡り実務を行います。
例えば、営業部であれば、社員の方の営業に同行するだけでなく、一人でクライアントのもとへ出向き、提案をするようなインターン生もいます。
エンジニアであれば、社員と同程度の開発を任され、数億円という収益を生むようなWEBサービスを生み出すインターン生もいます。
このように、長期インターンでは、実際の仕事を通して実践的な知識やスキルを習得でき、時に学生レベルを超えるような実績を残すこともできます。
短期インターンで活躍する学生の多くは、長期インターンを経験している場合が多いです。
つまり、普段から長期インターンというビジネスの場で鍛錬を積んでいる学生は、短期インターンの選考はものともせず通過することができますし、短期インターンで用意された課題でも存在感を発揮することができます。
したがって、短期インターン、長期インターンどちらかのみ参加すればよいというわけではなく、1・2年時から長期インターンで実力を養い、3年時に短期インターンの選考や本番を腕試しの機会として活用するのが、おススメです。
最後に
インターンの概要について簡単に解説してきましたが、いかがでしたか。少しでもインターンについて理解いただければ幸いです。
確かに、インターンは業界のことを知ったり、将来について考える良い機会ですが、必ずしも全員がインターンをしなければならないわけではありません。
授業・サークル・アルバイト・趣味・留学など、インターンのほかにも大学生活の過ごし方は無数にあります。その中から、あなた自身が将来についてしっかりと考えたうえで、納得のいく意思決定をするようにしましょう。
何をするうえでも重要なことは、目的意識を持つことです。周囲が始めているからという理由でインターンを始めてしまうと、インターンに参加することが目的になってしまい、得られるものも得られなくなります。
例えばインターンに参加する前に、インターンのメリットや、インターンのデメリットを考え、常に自分の行動に対して「なぜ」の視点を持つことが、その時の感情に流されずに、自分の将来にとって本当に価値ある行動をするために必要です。
もし、「自分が将来何をしたいかわからない」、「熱中できることがない」、「就活が不安」といった思いを持っているならば、ぜひJEEKにご相談ください。長期インターンに限らず、あなたの学生生活や将来についてアドバイスをさせていただきます。