就活が始まりコンサルタント業界(コンサル業界)に興味のある方も多いかと思います。
コンサルタント業界はサービス業に含まれます。企業経営の中心に関わるもの、人事戦略、ITシステムの導入など業務範囲は広いです。
今までのコンサルタント企業は、経営戦略をサポートする企業、人事をサポートする企業、ITなどのサポートをする企業など、それぞれの分野に特化していました。
しかし近年は様々な分野に対応できる総合コンサルタントが増え始めています。
仕事内容
コンサルティングファームのビジネスは顧客企業が抱える問題を解決に導くために業務改革の支援を行うことです。短期で3ヶ月ほどの契約を目安としています。
依頼されたら顧客企業のあらゆる役職の人にインタビューをして問題点を洗い出します。
それによってはじめに見つけた問題が実はとても根深く幅広い分野に広がっていることがあるので、それを一つずつ見つけ出して解決に導きます。
業務領域はとても広く、総合系、戦略系、シンクタンク系、企業・事業再生系、IT・システム系、経営・マーケティング系、人材系など多種多様です。さらにその領域の中にも職位があります。
業務領域
総合系
企業や事業の戦略決め、会社の業務システムの構築など顧客企業の中心部分をメインに会社全体にあらゆるサービスを提供します。
戦略系
経営上の問題を解決するために経営戦略策定のアドバイスなどのサービスを提供します。
シンクタンク系
think tank、考えを貯蓄する容器というように、調査、研究、分析をもとに将来や企業や社会の今後を展望します。
企業・事業再生系
経営状況があまり良くない企業の再建をサポートします。
IT・システム系
プログラミングなどのITを使用して新しいシステムを導入するためのプロセスや企画作成のサポートなどをします。
マーケティング系
顧客のブランドを確立し、マーケティング戦略の策定や、ロゴ・映像・パッケージデザインの作成のサポートをします。
人材系
M&A(企業合併・企業買収)を行った時や人事制度を変えた時など、人事に関わる問題の解決をサポートします。
職位
経験や能力に応じて昇格するか否か決まります。職位が上の人からご紹介します。
パートナー
平均年収1200万
オフィスマネジメント、人材育成などの内部管理に加え、顧客開拓などを行います。
マネージャー(マネージコンサルタント、プロジェクトマネージャー)
平均年収1000万
パートナーが取ってきたプロジェクトの全体を管理し、実行をします。
顧客との日程調整や、プロジェクトの仮説設定や大枠作り、仕事の割り振り決め、報告書などの作成、予算管理などをします。
仕事の技量に加え、マネジメントスキルも求められます。
アソシエイト(コンサルタント、シニアアソシエイト)
平均年収700万
マネージャーから受けたプロジェクト実行において大半の作業を行います。アナリストに集めて欲しい情報や資料の内容を決めたり、インタビューする人の選定をします。
部下にアナリストがいるので、アナリストのマネジメントも行います。
アナリスト(アソシエイト、リサーチャー)
平均年収400万
アナリストとはコンサルタント業界に初めて入った人の職位です。仕事内容としては情報収集とその分析です。
集めた情報とその分析結果をもとにアソシエイトが仮説構築や検証を行います。先輩社員がインタビューなどに行く時の同伴もします。
年収
平均年収.jpと年収ラボを参考にして年収ランキングを作成しました。企業選びの1つの参考にしてみてください。
国内型
1ドリームインキュベータ 1,129万
2船井総研ホールディングス 683万
3タナベ経営 672万
シンクタンク系
1野村総合研究所 1,112万
2三菱総合研究所 965万
日本総合研究所 800ー850万
人事系
リンクアンドモチベーション 631万
IT
1アクセンチュア 1,012万
2アビームコンサルティング 500−700万
戦略系
1マッキンゼー・アンド・カンパニー2,300万
ボストンコンサルティンググループ 1,390万ー1,700万
ローランド・ベルガー1,430万
A.T. カーニー886万
会計事務所系
デロイト トーマツコンサルティング550ー1,300万
プライスウォーターハウスクーパース(PwC) 997万
向いている人
コンサルタント業界の適性として求められる能力があります。それは、主に以下の4つだと考えられます。
1問題に対し前向きに解決法を探そうと思える人
コンサルタントの主な仕事内容は顧客企業の状況を改善することです。なので問題を見つけ、その問題を解決する意欲が高いことが求められます。
2経営に興味がある人
顧客の経営状況を改善するので経営に興味があると有利でしょう。
3相手の気持ちに寄り添える人
経営課題など、顧客が抱える問題を相手の気持ちを汲んで課題解決に導くため。
4要領よくできる人
計画をうまく立てたりマネジメントをし、丁寧にそして漏れがないようにプロジェクトを遂行する能力はとても役に立ちます。
ランキング
日経業界地図2017年(日本経済新聞出版社)を参考に、業界内の売上高をランキングにしました。
国内型
1船井総研ホールディングス 147億
2ドリームインキュベータ 126億
3タナベ経営 82億
その他:日本能率協会コンサルティング
シンクタンク系
1野村総合研究所 4,214億
2三菱総合研究所 853億
その他:三菱UFJリサーチ&コンサルティング、日本総合研究所
人事系
リンクアンドモチベーション319億
その他:マーサージャパン、ウイリス・タワーズワトソン、コーン・フェリー・ヘイグループ、リクルートマネジメントソリューションズ
IT
アクセンチュア、日本IBM、アビームコンサルティング
戦略系
マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストンコンサルティンググループ、ベイン・アンド・カンパニー、A.T. カーニー、ローランド・ベルガー、アーサー・D・リトル
会計事務所系
デロイト トーマツコンサルティング、EYアドバイザリー、KPMGコンサルティング、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)
動向
日経業界地図2017年(日本経済新聞出版社)を参考にしています。今後のコンサル業界の動向を知り、業界研究に役立てていきましょう。
調査会社のIDCジャパンによると、日本の2015年のコンサルティング市場は6,463億円と、前年に比べ6.3%増加しました。
M&Aや人事制度改革といったテーマを課題とする企業は多く、コンサル需要は引き続き増えると見られています。
IoTの普及を見据え、今後業務改善やリスク管理と行った従来のコンサル分野に加え、IT系支援でも高い成長が続くと見られています。
課題
コンサルタント市場はある程度のビジネスモデルが構築され、安定しているようです。ここから業界を拡大させるために課されている課題をご紹介します。
1コンサルタントのスキルアップや優秀な人材の確保
2グローバル化
外資系コンサルティングファームが日本に上陸しています。海外企業とどのように関係を築いていくかが課題となっています。
3ビッグデータ処理
ビッグデータを使用する企業が増えてきているので、それらを使いこなせる人材を育成する必要があります。
この業界は安定してきていますが、まだまだ伸びる業界と言えます。
選考対策
企業研究
とても人気のある業界で、倍率も高いためきちんと企業研究をすることをおすすめします。その一つの方法としてインターンシップが挙げられます。
インターンシップに参加すると、実際の職場を見ながら企業方針だけでなく、自分と企業の相性を知ることができます。
インターンシップ以外でも本やネット・ホームページでたくさんの情報が出ているので、あくまでインターンシップは一つの選択肢です。
志望動機
次にコンサルタント業界でよく見かける志望動機をご紹介します。
よく見かけるから良い志望動機、よく見かけるからありふれていて良くない志望動機とは一概には言えません。
志望動機に行き詰まった方のための一例ですので、これに限らず自分オリジナルの志望動機があることに越したことはありません。
さらにこれらの一例も自分の経歴に結びつけて自分のオリジナルにできる可能性が高いので、自己分析とともに考えてみてください。
1成長できる
「コンサルタント業界は若いうちに成長できる」と良く聞きますが、それははじめは先輩の指示で動きますが、それでも仕事の裁量が大きく、さらにその結果がプロジェクトの成功に直結するため結果が厳しく求められます。
そして先輩の指示を待っていては仕事が進まないので自分で考えて仕事をするようになります。それにより短い間で成長できると言われるのです。
2グローバルに働ける
近年外資系や海外のコンサルタント企業の多くが日本に上陸しています。
日系の企業であれ、外資系であれ相手にする顧客が海外の企業である可能性があるのは変わりません。
しかしこれらの外資系企業であれば、自社の海外オフィスと関わる機会が多く日本の企業の考え方や仕事の仕方だけでなく、各国の仕事の仕方を実践できる機会があるからです。
3社会に大きな影響を与えることができる
企業の課題や問題を解決することによって、その企業の状態を変えることができます。それによって間接的にあらゆる面で社会に影響を与えることができます。
筆記試験
1判断推理分野・数的推理分野
コンサルタント業界の筆記試験は判断推理分野や数的推理分野を特に徹底的に勉強しておくことをおすすめします。
試験直前に問題を見るだけでは突破できない問題が多いようです。参考書以外にもインターネットなどに対策方法や例題があるので調べてみてください。
2GMAT
GMATとはGraduate Management Admission Testの略で、外資系コンサルタント企業では就職活動時に受けることを課されます。
もともと経済大学院の入学適性テストで、分析能力・論述能力、言語能力、数学能力などを見られます。
他にもSPI、玉手箱、CABなどのテストを受けることもあります。
テストを受ける方法は主に3つあります。
1テストセンター
テストセンターは全国にあり、SPIのテストなど入社前テストの実施場です。
2webテスト
ウェブでテストを受けることを勧める企業もあります。パソコン操作など事前に問題出題形式に慣れておくと有利です。
3ペーパーテスト
紙媒体で受けるテストです。
面接対策
面接には2つ種類があります。
1普通面接
一般的な企業でも聞かれる一般的な質問がメインの面接です。志望動機など自己分析をしっかりとして自分を良く売り込みできるように準備しておきましょう。
2ケース面接
志望者の分析能力や対応力などを、コンサルタントファームによる独自の質問を介して測る面接です。過去問や良く出るタイプの問題が対策本などで見ることができます。解説を読んで答えを覚えるだけでなく、実際に自分で考えて、思考する方法を頭に入れましょう。
終わりに
コンサルタント業界はとても人気で倍率が高いです。
自分に合っているのか、本当にこの仕事をしたいのか、きちんと分析をした上でしっかり対策をとる必要があります。
サービス業にはコンサルタント以外にも様々な業界があるので、ぜひ他の記事も参考にしてください。
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