EVENT

フリークアウト佐藤裕介氏×クラウドワークス成田修造氏 初対談!起業家でエンジェル投資家のお二人が語る ベンチャー投資 【CodeRepublic by East Ventures×YJ Capital】

三田枝見
2017/12/18

本イベントはCodeRepublic主催のイベントで、エンジェル投資家のお二人をお招きしたものです。

今回は、起業家として上場を果たすなど輝かしい経歴を持つ一方で、エンジェル投資家としても活躍の幅を広げるフリークアウト・佐藤裕介氏と、クラウドワークス・成田修造氏が初対談しました。そのイベントの様子をお伝えいたします!

CodeRepublicエントリーページはこちら

プロフィール

株式会社フリークアウト・ホールディングス 代表取締役社長 佐藤  裕介 氏

2010年、フリークアウト、イグニスの創業に参画。両社にて取締役。2014年6月、7月、それぞれ東証マザーズに上場。 2013 年より、M.T.Burn 株式会社 代表取締役 CEO。同社は 2016 年 1 月に LINE 社と資本提携/連結子会社化。2015年よりTokyo Founders Fund LLP代表。起業前はグーグル日本法人にて広告製品を担当。

株式会社クラウドワークス 代表取締役副社長 成田 修造 氏

慶應義塾大学経済学部在学中よりアスタミューゼ株式会社に参画。オープンイノベーション支援サービス「astamuse」の事業企画を手掛ける他、大手人材紹介会社との提携事業を立ち上げ、サイトディレクション、Webマーケティングなどを担当。その後、株式会社アトコレを設立し、代表取締役社長に就任。アート作品の解説まとめサイト「atokore」の立ち上げやiPhoneアプリ開発などを行う。2012年より株式会社クラウドワークスに参画、執行役員に就任。2014年8月、同取締役に就任。2015年4月、同取締役副社長に就任。

気になる企業にはTwitterでメッセージを送ることも

ーーそれではまず簡単に自己紹介をお願いします。

成田:初めまして、株式会社クラウドワークスの成田です。6年前に創業者と取締役1名というタイミングで入社し、そこから経営に携わっています。3年前に上場し、今は副社長・全体のNo.2という立ち位置にいます。

エンジェル投資は最近始めました。

すでに数社投資していたのですが、最近もう1社決まりまして、これからも継続的に投資していきたいと思います。

佐藤:フリークアウト・ホールディングスの佐藤です。

7年前の設立のタイミングから創業者である本田(フリークアウト・ホールディングス代表取締役グローバルCEO 本田 謙氏)と一緒に経営しています。

個人のエンジェル投資家としては2012年頃からやっていて、5年で40社程度投資しています。

あとは、友人 8 人でTokyo Founders Fund というファンドをやっていて、海外のスタートアップを中心に30 社以上出資しています。

ーーエンジェル投資家としても活躍されるお二人ですが、どのように投資をしているのかを教えてください。

成田:基本はシード(事業計画書は作ってあるが、まだ会社という法人にしていなかったり、試作品(プロトタイプ)や見本のレベルまでに到達していない段階)の時に入ることが多いので、数百万単位で少額投資がほとんどです。

また、最近は数名の投資家から合計2,000万集めたいですというケースも多いので、一人で投資するのはほぼありません。

佐藤:僕も基本的にはシードで、大体時価総額 2 億未満の会社に投資します。僕も一人でやることはほぼないですね。

ーーどのように起業家にアプローチすることが多いですか?

佐藤:知り合いに紹介していただくのが8割くらいです。

残りの2割は個別に来たメッセージに対応するケースと、自分から連絡するケースもあります。いいなと思ったら、投資に関わらず話を聞きに行きます。

成田:僕も最近はほとんど紹介ですね。あとは、TwitterやFacebookで突然メッセージをもらうこともあります。僕は投資に関してはまだ初心者なので、全員リプライして大体は会うようにしています。

自分の気になる領域の会社は積極的に声をかけるようにしていて、最近では「POL」という理系学生のためのデータベースや人材斡旋をやっている会社は個人的にアプローチしました。

なので、事業概要がマッチしているときは、「自分から行く」というのも選択肢として持っています。

注目の投資家が語る、投資したい企業の条件

ーーお二人が投資をすると決めている領域はありますか?

成田:投資領域は決めていません。

ただ、どちらかというと、これから伸ばしていく上で僕がアドバイス出来そうな会社で、かつきちんと進化してくれそうな人に投資します。会うたびに学習していて話がアップデートしている人とかがいいですね。

佐藤:僕は10社あるとしたら、7社くらいはあらかじめ興味があって決めているセクターで良い人に投資をします。

残り3つのうち1社はかなりの若手で、プロダクトもなく人として狂ってるな、みたいな社長に、そして残りの2社を「自分が全く見通せていないところに関して、独自のビューを持っている人たち」に投資をする、という感じで、全体のバランスを見てやっています。

ーースピード投資をすることが多いと思うのですが、「最低限ここまでないと投資できない」という条件はありますか?

佐藤:あまり決めていないですね。プロダクトがない状態や社長しかいない状態で投資することもあり、そこで足切りをすることはありません。

成田:僕の場合は、「プランはざっくりとあるがチームはない状態」で相談に来られた場合は、投資は難しいかなと思います。

最低限、チームがないと苦しいかな、と。2.3名集められないのは「その人の能力不足」と見るので、まずはそれが第一関門ですね。そして「流行る可能性のあるプロダクトを作る」が第二関門となります。

話していて余程すごい人が現れたらそれは別ですが…。

ーーお二人が投資するにあたって、好きなビジネスモデルはありますか?

佐藤:特にありませんが、シンプルなほうがいいですね。

成田:逆にいうと、自分としては「ビジネスモデルが分からないもの」は今の限られたお金だと出しにくいです。

そうすると固いビジネスになりやすく、爆発力はなくなってしまうという問題点があるので、徐々にそういったハードルを外していこうかなとは思っていますが、今のところはモデルがはっきりしている領域の企業に投資することが多いです。

ーー最近では「フライングで投資する」というのも聞きますが、初対面で投資が決まるということはあるのでしょうか。

成田:僕は初対面ではなくキャッチボールで決めていきますね。やりとりをしていく中で投資を決めます。

佐藤:僕は会社によって分けています。

基本的には自分での事業モデルを引いてみて、主要 KPI を仮でおいてどの程度の数字だとどれくらいの規模になるのか、という肌感を持つようにしています

しかし、そうでない例もあります。例えば『ヒカカク!』という買取価格の比較をできるサービスをやっているジラフは、朝食を一緒にとった 30 分で投資を決めて、以来一度対面では会っていません。

なので会社によって投資を決めるタイミングは異なりますね。

ベンチャーは「分かっていること」と「分かっていないこと」の境界線を広げていくことが大切

ーー投資をする際、起業家の方に必ず聞く質問はありますか?

成田:KPI(=企業目標の達成度を評価するための主要業績評価指標)は聞きます。

ビジネスモデルが明確な場合は、何を追っていて何が肝だと考えているか、またその理由は何かというところは聞くようにしています。

ディスカッション形式で話す中で、気になる点があれば深掘りしていきます。

佐藤:「マーケットで自分しか知らなさそうな事実があるか」ということと、その事実に基づいた参入アングル、製品開発になっているかを聞くかもしれないです。

例えば最近だと「最初はキュレーション的なメディアから入ってユーザーを集めて、そこからなんとかやっていこう」と考えるパターンとかがすごく多くて...

でもそこに「自分だけが知っている事実」や「独自のアングル」がないと誰がやっても一緒になってしまいますよね。なので、そういったことは聞くようにしています。

成田:佐藤さんの仰る通りで、メディアといっても色々ありますけど、例えばクエリ(=ソフトウェアに対するデータの問い合わせや要求などを一定の形式で文字に表現すること)の情報だったり、独自のユーザーニーズだったり、そのマーケットを知っていて独自の観点を持てる人でないと厳しいのかなと思います。

そのうえで、「ここまでは自分の情報としてマーケットも見えていますが、ここからは見えないのでチャレンジです。」と言ってくれれば、まだ良いです。「じゃあ一緒に考えようか」となるので。でも、そこまでいっていないと、そもそも立ち上がらないですよね。

佐藤:ベンチャーは事実かどうかわからない事業仮説を証明していくことなので、結局「分かっていること」と「分かっていないこと」の境界線をどんどん広げていく作業じゃないですか。

ですので、そのマーケットに独自の見解や仮説がない、もしくはその仮説を製品につなぎこめない人だと、広投資をするのは難しいことが多いですね。

ーーお二人は、起業家がその事業をやる「理由」は気にしますか?

成田:僕は割と気にします。

「ストーリー」というか、その人が事業をやる理由は何かある気がしていて、それは一応聞くようにしています。

別に一生かけてやる理由を理路整然と述べて欲しいわけではなくて、その人の持っている特異なものや人間性、出来ることが事業にフィットしている人は強いと思います。

例えば、「過去にこんなことをやってきて、インターン先でこんなことをやっていて、それを活かしてこの事業を立ち上げました」というストーリーがあるとわかりやすかったりしますよね。

自分としては、そういったものがあると、苦しい時に続けていく原動力にはなると思っているので、意識的にそういう情報を収集するようにはしています。

佐藤:僕はあまり気にしないですね。

投資している会社の社長を見ていて、「人として」「経営者として」確変するタイミングって、結局マーケットと自分の事業が合致して伸びた瞬間だと思うんです。

そして、伸びるときにやめる人はいません。でも、その瞬間が来ないと何にせよ辛くなってしまいます。ストーリーがあると多少は粘れるとは思うのですが、やはり限界があると思います。

なので、どちらかというと、起業家自身がやる理由というよりは「その事業が、なぜ、今このマーケットで必要なのか」という方に興味があります。

情報収集にはお金をかける

ーーエンジェル投資家の方は情報収集が得意なイメージですが、普段どのように情報収集していますか?

佐藤:特別なことはしていませんが、登記簿をすぐとれるようにして、会社の株主の構成や調達状況をすぐに見れるようにしています。

あとは、とても安いので、Elance(※海外クラウドソーシングサイト)をリサーチ目的で使ってます。目安として数十ドルで海外サービスのことを知れます。

現地のSNS認証が出来ないとか、カードと銀行口座が無いと利用すら出来ないこともあると思うのですが、そういったものも頼んで見ています。

そのほかにも色々な手段を使って情報収集をしていますが、そんなにお金はかからないので、リサーチ会社の資料を買うよりは気軽に出来てオススメです。

質疑応答

Q.エンジェル投資家になりたい場合はどうすれば良いでしょうか?

成田:そもそも元手がないと始まらないので、元手を作ることは最低限必要ですよね。

ただ、最近だと良い起業家に対して投資家が多すぎて、逆に起業家が投資家を選ぶケースが多いと思っていて、正直お金があるから筋のいいエンジェル投資ができるかというと、結構厳しい気はしています。

佐藤:よくも悪くも、村のようになってしまっていますよね。

村の外側にいて良い案件を取るには、その村の人が持っていない理由やスコープが無いと、最初は厳しいかと思います。

なので、ベンチャー投資を始めようという人に対しては「とりあえず、独自のソーシングチャネルがなければ村に入るしかないので、ばら撒くしかない。投資してほしいという企業にはとにかく『YES』と言って、ばら撒いた方がいい」と言っています。

もしくは成田さんのようにきちんと実績があって、直接起業家から連絡が来るようにならないと、最初は面倒かもしれませんね。

Q.エンジェル投資をして、うまくいかなかった場合の向き合い方はどのようにすれば良いですか?

佐藤:結局その人のメンタルの問題なので、外部が言う問題ではないと思います。

僕の場合は40社あって1社行方知らず、1社フラットラウンドでの M&A となりました。

他はなんとかサバイブしていて、次のラウンドに進み事業継続しています。

創業者同士の喧嘩とか、株主と揉めるのはよくある話なので「君が思っているより深刻じゃないよ、みんな似たような目に遭っているから」という話をしたりします。

成田:うちも全然ダメみたいな会社はまだないですね。

ただ、迷ったり揉めたりする時ってありますよね。借金しないといけなかったり。そういう時は、「創業者と揉めたりお金のトラブルはよくある話だよ」という感じで話してメンタル面でサポートしたりします。

あとはフェーズによって事業の方向性を変えるのか、多角化するのか迷っていたりする場合もあるので、その時はリスク提示や後押しをしたりしています。

ーー最後に、起業家にエールをお願いします。

成田:事業や会社の立ち上げって難しいし、大変です。

だからこそ、そこを一緒に楽しめる仲間として、これから起業したいという人のお手伝いできたらいいなという感覚でやっています。

何かいい案件があれば初期アイディアでも良いので、気軽に相談してもらえればと思います。一緒に頑張りましょう、よろしくお願いします。

佐藤:いつでも投資か買収検討しますので、連絡をお待ちしています。

あとがき

イベントの内容をご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

CodeRepublicは、East VenturesとYJ Capitalが運営するインターネットスタートアップの成長を最大限に加速させる、3ヶ月間のアクセラレータープログラムです。

週一度の定期メンタリングやメルカリの山田進太郎氏、FreakOut佐藤裕介氏をはじめとするインターネットサービスのスペシャリストや起業家からのアドバイス、起業や経営に役立つ各種ワークショップ、会期中のコワーキングスペースの提供を通して3ヶ月間徹底的に成長を後押しします。

他にも本イベントのように、起業家やエンジェル投資家を及びしたイベントを主催するなど、精力的に活動をしているのです。

CodeRepublicエントリーページはこちら

キャリア選択にヒントを!

Copyright Techouse inc all rights reserved.